ファシリテーター育成(11)対立解消

ファシリテーター育成ファシリテーターとなるために必要な技術、考え方の説明を続けています。

今回は 「 対立解消 」 について。

率直に語れる場ができて、良い進行役がおり、信頼感もあり、参画している皆さんで何か成し遂げようという意思が働いている時は、合意が進みやすいでしょう。

さて、実際は合意が進まずに、対立点に焦点が当たってしまう事もあるでしょう。

立場などの違いから意見が激しく対立してしまい、延々と時間を費やす。
このようなことに陥っていませんか。

このような対立が起こっている場合、ファシリテーターとしては 「対立解消の技術」 を使う場合があります。
それは、大まかには、

・事実を明らかにする
・感情と事実を切り分ける
・意見がかみ合うようにする

こういったことを

・対立や合意といったコミュニケーションの流れにおける人の感じ方(心理)の変化
・対立の解消手順やポイント
・対立解消への枠組み(フレーム)

などを使いながら、参加の方の話し合いが進むように促してゆきます。

ファシリテーターが解決するのではなく、流れや必要に応じて支援や促進を行って参加の方自身が解決できるように動きます。

リーダーや管理職の方がこういった方法・技術を使う場合は、職位を強調せずに対立に対して中立な姿勢・理性的な姿勢で取り組むのが良いでしょう。

また、対立解消の技術ではありませんが、対立解消時に有効な対処方法があります。
対処方法と言うよりは心理学の一分野の活用です。
対立が起こっている時は怒りも伴っていることがあります。感情的な対話から理性的な対話を行うために、TA(交流分析、心の状態に応じた対応方法などの心理的手法)を活用した対話方法を活用すると素早く・こじれずに理性的な対話ができるようになるでしょう。

対立解消の技術はファシリテーションの応用分野となります。
ファシリテーション応用(対立解消) といった研修で、こういった方法を学んでも良いかもしれません。

ファシリテーター育成(12)対話技術

ファシリテーター育成ファシリテーターへと育ってゆくことについてまとめています。

ここで触れているファシリテーターとは、

会議の進行役、ワークショップの司会、という意味ではありません。

もう少し幅広く、「ものごとの進行を促して、支援する人」といった意味でつかっています。

特に、企業などの組織活動を念頭に置いています。

さて、今回は対話技術です。

対話と言うと、何を思い出すでしょうか。

1対1、全校対話集会、タウンミーティング等々

広辞苑6版ではこんな感じです。

対話
 向かい合って話すこと。相対して話すこと。二人の人がことばを交わすこと。会話。対談。

近年、対話が非常に注目されてきています。
戦争状態の利害関係者を対話で創造的な解決に導くこともあります。
リーダーシップにおいても対話が重要視されています。

私見になりますが、対話とは、例えば「相手を深く判る話し合い」とでも表現できると思います。

さて、ファシリテーターとしては、

個人として、相手を深く判るような話し合い、ができる技能やコツ

そして、相手を深く判るような話し合い、の場を創り上げる技能やコツ

が必要になると考えています。

対話向けだけの技能ではありませんが、傾聴なども必要です。

対話の場ができると、創造的な結果が生み出される。
そんな事例は、書籍でも出てきています。
例えば「ダイアローグ」「出現する未来」など参考にしてみてはいかがでしょうか。
他にも参考になる書籍は、、、このブログでもご紹介できると思います。

ファシリテーター育成(13)ワークショップデザイン

ファシリテーター育成ファシリテーターとしての備えた方が良い事柄・姿勢・技法などなどまとめています。

今回は、ワークショップデザインです。

小さな会議から、半日の研修、3日間の合宿研修、問題意識をすりあわせるミーティング、などなど何かしらの『場』、ファシリテーターはこういった場を任されることが多くあります。

「現場の進行」を任されたと言っても仕事は、現場だけではありません。

事前の準備も必要です。
さらには、やりっぱなしとならないためには事後のフォローも必要となるでしょう。

そこで、場のデザイン、場の設計が必要になります。

ワークショップとして焦点を当てるならば、ワークショップデザインが必要です。

今まで、ミーティングデザイン、ギャップアプローチ、ビジョンアプローチ、対話技術などなど個別の事柄に焦点を当てました。

持っているやり方や経験を踏まえて

 そもそもどういった場となって欲しいか

を考えるのがワークショップデザインです。

考え方として、手順的に考えても、その場で起こることを大切にしても結構です。
(非構成的アプローチ、構成的アプローチ)

そもそもどういった場となって欲しいか を具体的にすると

誰のため、何のため(テーマ、目的、ゴール)を決めることとなります。