ビジョン共有の方法(11)ビジョンの浸透

ビジョン共有ビジョン共有について、第11回です。

ビジョンを共有する際、

 作る   といった段階の次に、  伝える とった段階も出てきます。

人数や時期、地理的な広がりなどの要因で、ビジョン作成と共有の場にいることができない場合です。

単なる伝達ではなく、しみこんで欲しいとの思いから「浸透」といった言葉も使われます。

ビジョンを浸透させる際、どのような点に気をつければ良いでしょうか。

それは、言葉そのものに隠されています。

それは、とある考えが自分の中に「浸透」するにはどうなっていれば良いか、を考えることにあります。

浸透とは、そもそもどうなっていることが浸透なのか、そこが明確になれば目標化していろいろな手段を使うのが良いでしょう。

浸透の目標化ができたならば、

例えば

 経営層が行脚して語り伝える
 ビジョンを共有したリーダーが各職場で伝える
 各職場でビジョンを理解する対話を重ねる
 クレドカードといった目に見えるものを活用する
 現状の行動とビジョンを照らし合わせてみる

このようなやり方があります。
ツールとしては、ダイアログやAI,ワールドカフェやクレドといったことにもなるでしょう。

様々なツールはあるのですが、思いが多くの人に浸透するには、

 浸透の機会
 浸透への時間

が必要です。

ビジョン共有の方法(12)大目標

ビジョン共有ビジョン共有、その方法などなどについて触れています。

そもそも何のためにビジョンを共有しようとしていますか?

良い会社にするため
問題を解決するため
持続成長するため

などなどあると思います。

そのためにはどのようなやり方や注意点があるか、いくつか概説してきました。

ビジョンの共有、言い換えてしまうと、

  足並みを揃える

これに他なりません。

そのためには何が必要か、これがビジョン共有の当面の大きな目標、大目標になってきます。

それは、、、、

  分かり合う

ということでしょう。

何を分かり合うのか。

会社の現状を、各自の認識を、お互いの状況を、、、その他諸々です。
皆、各自で何かを思っています、感じています。
考えていなくても、問いかけられれば考え始めます。

山に登って見えるモノを、見えるビジョンを共に見ようよ。
そのためには、今どんな状況か分かり合おうよ。

ビジョン共有の大目標は、様々な「分かり合う」ということです。
その様々について、いくつかの段取りで進める進め方があります。

ビジョン共有の方法(13)時点

ビジョン共有ビジョン共有、その方法などについて触れています。

ビジョン、未来像を語る際に重要なのが、

 いつの

いつの、どの時点の未来像なのかが大切です。

では、どの時点にすれば良いでしょうか。

実は、答えは分かれます。

何によって分かれるのか

目的によって
目標によって
共有シナリオによって
参加する方の特性によって などです。

例えば、皆で目指すための自社のビジョン・未来像を定めるのに、100年後を想定するのはどうでしょう。

自分が関わりが無くなるから止める、、、のも手です。
孫の世代まで存続するような価値観まで深めるという目的であれば、ありかもしれません。
地道に目の前のコトを確実にこなすのになれている職場であれば、100年後の検討は難しいかもしれません。
夢のような話しが膨らんで皆で乗っていけそうであれば、100年後の想定がわくわくするかもしれません。

まずは、「何のため」のビジョン・未来像なのかを考えて、どの時点にするかを検討してみましょう。

ビジョン共有の方法(14)欲求

ビジョン共有ビジョン共有、その方法などについて触れています。

ビジョン、未来像を語る際の大切なこと、今回は欲求について。

ビジョンを語る際、どの時点の未来像を考えるかも重要なのですが、その前段として

  こんな感じになりたい

  こうしたい

といった思い、欲求、欲望を表面化させることが大切です。

企業だと、経営者の思いが皆を引っ張るのかもしれません。

経営者の考えを社員が理解して、大きな共通意識を既に持っているかもしれません。

ビジョンを共有する時は、こういった欲求・思いをお互いに表明し合うことが大切です。

膨らませたり、要約したり、切り取ったり。
大切にしていることが明確になると、良いビジョン・未来像が一歩近づきます。

さらに、思い・欲求について探ってゆくと、

  なんでこの仕事をやっているのだろう

  そのきっかけはこういったことだ

ということまで話題となるかもしれません。

そうなると、話し合っている内容は表面的ではありません。
価値観や大切にしてる考え方までを含めたすりあわせになってきます。

こういったことを皆で率直に対話できるようであれば、皆が全員一丸になれます。

ビジョン共有の方法(15)ビジョンの浸透2

ビジョン共有ビジョン共有、その方法などについて触れています。

「ビジョンが浸透しないんですよ」とご相談をうけることがあります。

いろいろととりまとめや話し合い、標語化、カードといった手法も活用されています。

ビジョンといった抽象的な単語でなくても、何かの思いとか考え方ということで

自分の会社は将来どうなりたいのか
   ・・・会社や組織のビジョンなど

災害が起こったときにどうすれば良いのか
   ・・ 防災意識ですね

次の5年はどのように事業を行うか
   ・・・ 中期事業計画です

この町で10年後どのように暮らしていたいか
   ・・町づくりビジョンですね、防災のビジョンも同時に考えるかも
     しれません

こういった思いについて、「だれが」「どのように」なっていれば浸透していることになるでしょうか。

答えは様々なです。

単純に知っているだけ
意味を理解し共有している
普段の活動がビジョン実現に向かっている

例えばこんな「どのように」感、ゴール感があります。

ビジョン浸透でまず大切なのは(ビジョンの浸透に限らないのですが)

ゴールを定めることです。

もう一つは、意識を共有し行動となる、ことです。

共有と行動のための手段として、

 少人数からじわじわ広げる対話  や
 行動憲章/クレド

といった意識と行動に関連する手段・ツールがあります。

浸透の人数、組織、地理的な広さ、時間、程度などを考えていろいろ思案ができます。

意識共有と自発行動を生み出すことを念頭に置くと、いろいろなアイデアが出てきます。

ビジョン共有の方法(16)見える

ビジョン共有ビジョンの共有についていろいろと書き連ねています。

「こうしたい」という欲求や希望
「これが大切」という価値観

などをすりあわせ、語り合ってまとめてゆくことで共有が進みます。

さて、ビジョンとは「将来像」「将来ありたい姿」です。

これを共有するためには、どのようなやり方が考えられるでしょうか。

実施上の話題にも触れてきましたが、ちょっと切り口を変えてみましょう。

大きなヒントは、言葉自体です。

像、ビジョン という言葉は、視覚・目で見ることに関連しています。

そこで、「見え方」を探究する手が一つのヒントです。

「10年後に、私たちがどのようになっているように見えるか」を考えてみる。

ように取り組んで見るのも一つの手段です。

実際には、もう少し具体的にイメージできる問いかけ、
その後のシナリオにあった問いかけをしてゆきます。

「見え方」、ビジョンを共有する時には、表現してみてはいかがでしょうか。

ビジョン共有の方法(17)見えてくるために

ビジョン共有ビジョンの共有についていろいろと書き連ねています。

前回、「見える」ことに向けた問いかけに触れました。

個人のビジョン、組織のビジョンが「見えてくる」ためには、

「見えるよう」にする工夫が大切です。

「あなたのビジョンをお聞かせ下さい」と、いきなり問われても答えられる人は少ないでしょう。

いきなり問われても答えられないので、準備が大切になります。

では、「ビジョンを考えるので準備して下さい」と言われても、どんな準備をすればよいのだか、、、、

戸惑ってしまうかもしれません。

自分のビジョン、会社のビジョンが見えてくるためには、

ビジョンって、そもそもどんなものだろうか

ということを考えると、連想が働いてきます。

自分のビジョンであれば、1人で連想したり手伝ってもらったり。

会社のビジョンであれば、自分でも連想しますが、仲間と連想を膨らませたりすりあわせることが大切です。

現状や経験、未来への思い、既にある理念などなどを踏まえながら連想します。

連想をどんな順番で、どんな手段で進めると良いかが、ビジョン共有の企画者の腕の見せ所でしょう。

ビジョン共有の方法(18)連想を阻むもの1

ビジョン共有ビジョンの共有についていろいろと書き連ねています。

前回は「連想」について触れました。

ビジョンは未来の姿です。

未来はどうなるか判りません。そして、誰も見たことがありません。
見たことが無いものなので、どのようにでも設定することができます。

単なる欲求の姿ともできます。

自分にも、家族にも、かかわり合う人にも善くあれ、という姿を描くこともできます。

苦手なことを克服して花開かせるよう姿を描くこともできますし、
得意なことに磨きをかけて、見違えるようになることもできます。

そして、いつもは判らない隠れた得意なこと、苦手なこともあります。

企業人・組織人であれば、企業・組織の目指したい方向や考え方もあることでしょう。

現在置かれている状況もあることでしょう。

1人の将来と考えた場合でも、こういったことを想定しながらビジョンを作り上げるのは一筋縄ではいきません。
今だけにとらわれると、得意なことなど全部投げ出して今のことだけに集中するようになります。

「だけにとらわれる」ことが、連想を阻みます。

次は、人数が多くなった場合についてふれてゆきましょう。

ビジョン共有の方法(19)連想を阻むもの2

ビジョンの共有についていろいろと書き連ねています。

今回も「連想」について触れましょう。

自分自身のビジョン・未来の姿を連想・空想・創造する際もいろいろと阻むものがあります。

1人でも大変なのですが、多くの人とビジョンを共にしようとすると、さらに阻むものが出てきます。

それは、「独り」です。

大人数で共にしようとしているのに、なぜかと言うと、、、、

共に同じ方向を向く、同じ夢を未来像を見ようとするときに、例えばこんなひっかかる事もおこってきます。

相手の言っていることが判らない

相手のこと、相手が語っている事に興味が無い

相手の言ったことに「違う」と感じてばかりいる

自分の言っていることを通したい、自分の方が正しい

相手の言ったことや居ること行いはどうでも良い

このようなことが起こると、話しが弾まない、連想が起きない広がらないとなってきます。

孤独であったり、独善であったり、自分の周りとのかかわりを大切にしていないと、このようなことが起こってきます。

こういった罠にはまらないようにすることが、連想やひいてはビジョンの共有へとつながります。

ビジョン共有の方法(20)連想を阻むもの3

ビジョン共有ビジョンの共有についていろいろと書き連ねています。

今回も、ビジョン共有への「連想」を阻む、じゃまするものについてです。

連想を阻むものを考える上で、ビジョンを創ろう・共有しようとする一人一人・個人に注目すると、

各個々人、そして自分が

   「知っている」

という思いから抜け出せないことが、連想のじゃまをしてきます。

ビジョンについて、上司から聞いていたので知っている。

ビジョンとは何かを習ったので、定義や作り方を知っている。

あの人のビジョンは聞いたことががあるので、知っている。

組織のビジョンはちょっと検討したので、知っている。

知っているのは悪いことではありません。
知っているから、どうするのか。
それは、自分の将来像にどのような意味があるのか、、、、

何のために「知った」のか、知るだけで十分なのか。

を考えると、もう少し展開が進んできます。