フォロワーシップ(3)フォロワーシップ最近の研究


企業の業績に大きな影響を与える「フォロワー」の研究が進んでいます。

1990年代のケリーの研究を元に、発展を遂げてきています。

2010年にカーステン 他の研究結果によって、フォロワーは3種類に定義をされています。

passive active proactive の3タイプです。

現状では、フォロワーシップの定義は、研究者によっていくつかに分かれていますが
企業業績の向上との関連性や日本での発展などを考慮して、カーステンの研究をここでは採用しています。

さて、passive active proactive ですが、

単純に和訳すると
passive  受動的
active   活発、能動的、積極的
proactive 先回り、積極的

となります。

active と proactive が悩ましいところです。
ここで、カーステンの流れをくんだ日本の研究での訳語がいろいろ出てきます。

そして、あえてわかりやすくするために、それぞれのタイプの語義ではなく、内容(次回以降に後述)から見ると

passive  受動的フォロワー
active   忠実的フォロワー
proactive 積極的フォロワー

と、ここでは表現いたします。
忠実的って何? かもしれませんが、姿勢や行動からじわりと判ってくると思います。

では、今回採用したカーステンや日本の研究でのフォロワーはどのようなものか、組織の業績にどのように寄与するか、気になるところですね。


参考 フォロワーシップ研修オンライン

2022年6月25日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

フォロワーシップ(2)フォロワーシップの初期研究


フォロワーシップは比較的新しい研究分野です。

その初期の研究は、カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授によるもので、

1992年の著書「The Power of Followership」(邦訳名 指導力革命)において

フォロワーシップの概念が定義されています。

ケリーは、フォロワーシップのタイプを5タイプに分けていました。

模範的フォロワー(協働者)
 積極的にリーダーを支援し、次世代のリーダーともなります。

孤立型フォロワー(破壊者)
 批評家タイプのフォロワーです。

順応型フォロワー(従事者)
 言われたことは行うフォロワーです。

消極的フォロワー(逃避者)
 意見も無く貢献もしないフォロワーです。

実務型フォロワー(実践者)
 ほどほどに働くフォロワーです。

このようにフォロワーを分類しています。

ケリーの研究によれば、組織の結果に対する影響度を考えると、リーダーの影響度が1~2割、フォロワーの影響度が8~9割という結果が出ています。

と言うことは、リーダーを育てることも大切ですが、数多くいるフォロワーのいわゆる底上げが大切となってきます。

さて今回は、1990年代の初期の研究によるものです。
初期と言うことは、研究は発展してきています。
企業業績に直結するものです。研究は進んでいきます。

そして、ケリーの5分類では、理屈は合うけど実情から考えると、5分類ではない方が良いのではないか、、ということが指摘されています。


参考 フォロワーシップ研修オンライン

2022年6月16日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

フォロワーシップ(1)フォロワーシップとは


チーム活動や組織的な活動では、「リーダーシップ」が話題になります。

リーダーの姿勢や行動、資質や能力を指すことも多いです。

そして最近では、

フォロワーシップ  という言葉を聞くことも多くなってきました。

リーダーは、組織の中において率いる人です。
では、リーダーの配下にいる人はどの様に呼ばれているでしょうか。

部下、スタッフ、メンバー  などが多いかもしれません。

組織の中でリーダー以外の人をフォロワーと呼ぶようになってきました。
上下関係や役職上では部下やスタッフ、メンバーであったりしますが「フォロワー」です。

フォロー(follow)とは、「従う、後についていく」なのですが、

フォローするで思い出すことはないでしょうか

 足りないところを補う、失敗の補い ですね。
語感としては支援の感じです。

ということは、

リーダーに対する、フォロワー とは

 従う人、支援する人  ともなります。

リーダーに従う人、リーダーを支援する人 ということです。

そこで、フォロワーシップ ですが、

フォロワーとしての姿勢や行動、資質や能力ですが、定まった定義がなかなか無い状況です。

ここでは、 自律的にリーダーを支援する  もしくは
     
      自律的にリーダーを支援し、周囲を巻き込む環境をつくる

といたします。

この理由は、、、、フォロワーシップの研究 によります。


参考 フォロワーシップ研修オンライン

2022年6月10日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

キャリア内省/キャリアダイアログ(3)記憶を辿る2


キャリアを振り返る際は、記憶を辿ります。

自分の大切な将来のキャリアを考えるために、今までのキャリアを思い起こすことになります。

記憶を辿る際、活用した方が良いポイントがあります。

それは、「感情」です。

うれしかった時、悲しかった時、有頂天になった時、悔しかった時 など

キャリアとして記憶を辿る際、自分の感情と共に思い出すようにすると思い出しやすくなります。

人によっては、色鮮やかに思い出すことができます。

ただし、思いだし易い人もいるのですが、思い出しづらい、感情をどのように表現したら良いかが今ひとつピンときていない方も中にはいらっしゃいます。

良い悪いではなく、感情を表す言葉に対して腑に落ちていないということです。

キャリアと対話し記憶を辿る際、いろいろな問いかけで思い出したりディスカッションを行ったりします。

そして、感情の表現が今ひとつピンときていないこともあるので、感情と組み合わせて記憶を辿る際は、事前に感情を少し呼び起こすようにすることが大切です。

ちょっとしたアクション・練習で、「ああ、そういう時はこんな感情を持っていた」と、思い出すようになります。

そうすると、記憶もたどりやすくなります。

これは、記憶の格納の仕組みを活用しています。
キャリアダイアログでは、この仕組みも取り入れています。

ご興味のある方は、記憶の格納の仕組みをキャリア開発に活用してみると良いでしょう。


参考 オンラインワークショップ研修 キャリア内省/キャリアダイアログ

2022年6月5日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

キャリア内省/キャリアダイアログ(2)記憶を辿る1


キャリア面談や就職、転職、定年の前は、自分自身のキャリアを考える機会です。

かしこまった表現をすると、キャリア開発、キャリア形成を行っているとも言えます。

キャリアを考える際、様々なサポートがあります。
学校や職場、などでキャリアコンサルタントの方や、キャリア開発担当の方からの助言や指示もあることでしょう。

いろいろと、キャリアに関する書類を書くことも進められると思います。

その中のひとつに「キャリア・プランシート」があります。
厚生労働省のジョブカードなどでも示されています。

キャリアプランシートには、次のような項目があります。

「価値観、興味、関心事」
「強み等」
「将来取り組みたい仕事や働き方等」
「これから取り組むこと等」

このような問いかけのシートに対して、すぐに答えることはなかなか難しいものです。

実際にキャリア・プランシートを記入する際も、じっくり考えることでしょう。

じっくり、どの様に考えると、納得がいく自分なりの答えが得られるでしょうか。

ぱっと 思いついたことが正しい、、、かもしれませんが、もっと深掘りした方が良いでしょう。

人は様々なことを記憶していますが、多くのことは普段は思い出さずにいます。

「何が強みだったろう」と、自らに問いかけたとき、すぐに答えは出にくいかもしれません。

では、このような問いではどうでしょう

「昔、小さな頃夢中になった遊びは何ですか?」

それなりに夢中になったものを思い出すことでしょう。

夢中になるということは、何かそこに自分の個性が表れている可能性が高いです。

遊びへの問いかけだけではありませんが、このような問いを出発点として記憶を呼び起こす方法もあります。

特に、一人では無く数人でこのようなことをお互いに話すと一気に記憶が呼び覚まされることがままあります。

キャリアを振り返る際、「強み」といった非常に抽象的な問いへの答えは、過去の記憶がたどれる具体的なところから紐解く方が納得できる答えが得られます。


参考 オンラインワークショップ研修 キャリア内省/キャリアダイアログ

2022年5月22日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

キャリア内省/キャリアダイアログ(1)キャリアとの対話


キャリアに関する研修に多く携わらせていただいています。

キャリアとは、「働くことに関する道のり」つまり仕事の経験や経歴、生き方です。

子供の頃のお手伝いやアルバイト、インターンシップや就職など「働く」ことの一歩一歩の積み上げです。

日々忙しく働いていると、自分がどのようなキャリアを築いているのか判らなくなるかもしれません。

または、日々の忙しさにかまけて、忙しさを言い訳にして大切な自分の未来像が置き去りになっているかもしれません。

考えなくても未来はやってきますが、よりよいキャリアを築くためには自分自身のキャリアについて考える時間を持った方が良いようです。

そして、キャリアについて考えるには、漠然と未来を考えるより、良い方法があります。

それが自分自身のキャリアを内省する、 キャリア内省 ですが、

私たちでは造語で キャリア内省を 自分のキャリアとの対話として

   キャリアダイアログ

とも呼んでいます。
(キャリアダイアログ とは、弊社の造語です)

最近では、皆さんもキャリア教育やキャリアコンサルティングなどに触れる機会があると思います。

例えば、ご自身のキャリアを振り返るグラフを書いたこともあるかもしれません。

これは、グラフを書くことで自分自身に問いかけ思いだして、グラフ化を行っていることになります。
ご自身の中にある働く足跡の記憶との「対話」と言っても良いでしょう。

ジーシフトの研修で、リーダーや幹部職の方へのキャリア面談スキルや、キャリアビジョンを考えるワークショップなど、キャリアがテーマになることがあります。

その際ご自身の大切な記憶・キャリアに対しては、対話をするように丁寧に、時には深く時には広がりを持って記憶を辿ると思ってもいなかった創造的な発見をすることがあります。

「自分のやりたかったことは これだったのだ」

例えばこのような発見です。

キャリアと対話してゆくにはいくつかポイントがあります。

キャリアダイアログについて、いろいろと触れていきましょう。


参考 オンラインワークショップ研修 キャリア内省/キャリアダイアログ

2022年5月15日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

HR専門誌「日本人材ニュース」に「オンラインワークショップ研修」記事掲載

人事部長向けの人材育成専門誌「日本人材ニュース」のWEB版/雑誌に弊社記事が掲載されました。

 弊社サービス オンラインワークショップ研修
OWTimg
についてご紹介いただきました。

日本人材ニュース 5/10版 https://jinzainews.net/13851
 (ページ内の3番目の記事となります)

・記事タイトル
  【ジーシフト】学びの認知サイクルを駆使したオンライン参加型研修サービス

日本人材ニュースの記事も、ぜひご覧下さい!

2022年5月10日 | カテゴリー : etc | 投稿者 : hiko

古典の力(57)公正さ

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第五七弾、大学から

好みてもその悪を知り、悪(にく)みてもその美を知る

好きな相手でも同時にその欠点をわきまえ、嫌いな相手でも同時にその長所をわきまえる

こういった公正な判断ができる人は少ない。
様々な偏見(敬うものにひかれすぎる、あわれむものにひかれすぎる、見下すものにとらわれすぎる)といったことを述べています。

公正であることが、自分の身を修めるために大切であることを説いています。

古典の力 まとめページ

2022年4月16日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

古典の力(63)リーダーの資質

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第六三弾、翁問答から

諸侯卿大夫の第一に守りおこなひてよき事は、謙の一字なり。

諸侯卿大夫、大名や朝臣のことです。現代に言い換えるとざっくりとリーダーでしょう。

リーダーが第一に守るべきことは「謙」である。

このように説いています。

謙、謙譲、謙虚、謙遜ですね。

役どころとして高位にあればこその「謙」なのでしょう。

翁問答、問答部分ををちょっと変えています。その続きです。

我くらいたかきにおごり自満する魔心の根をたちすて、義理の本心をあきらかにし、かりそめにも人をあなどりかろしめず、慈悲ふかく万民をあはれみ、諸士に無礼をなさず、家老、出頭のいさめをよく聞き入れ、我知恵をさきだてず、善をこのむ事は公職をこのむごとく、悪をにくむことは悪臭をにくむごとくなるを謙と言うなり。

古典の力 まとめページ

2022年4月14日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

古典の力(62)リーダーの役割

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第六二弾、易経から

大有(だいゆう)は柔尊位を得、大中にして上下これに応ずるを大有と曰う。

リーダーが謙虚で、部下や上司がリーダーに呼応してのびのびと活躍する。リーダーがチームの大いなる力を所有するが故に大有という。

易経は、様々な変化の法則を説いた中国の古典です。
変化の法則の中には、組織論も出てきます。

易経が言う、チームワークを発揮している時のリーダー像、易経が勧めるリーダー像は、この「火天大有」の卦で表現されています。

それは、謙虚で他の部下や上司の活躍を引き出す役割となることです。

それでいてリーダーとしてチームがまとまっている、そのようなチームのリーダーが理想と説いています。

現代にすると、サーバントリーダーシップというところでしょう。

三千年も前のリーダー像と現代最新のリーダー像、なぜだか似たものになってきたようです。

状況別リーダーシップという表現もありますね。
状況別、、、、変化に対応するということです。
変化には易経ともなります。

古典の力 まとめページ

2022年4月8日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko