問題(07)発見1

問題は、理想と現実の差(ギャップ)です

さて、問題を発見する方法、種々あります。

まず、理想も現実も暗黙知としてあれば、「なんとなく」問題だと意識できます。

暗黙知を明確に、様々な考え方で示すことができれば問題は発見しやすくなります。

その一手法を

再度、 「問題は理想と現実の差」です。
差と言うことは、足りていません。
足りていること(理想であること)を否定しています。

漢字にすると  『不』  ですね。(ちょっと遠回りしました)

足りていないという考え方を切り口に、対象を考え直してみると問題点はいろいろと見えてきます。

具体的には、
「不」のつく言葉で考えてみます。

不のつく言葉はいくつも、それこ広辞苑では700位あります。
しかし、そこまでしなくてもピンときたものいくつかで参考になるでしょう。

例えば

不満
不足
不安
不安定
不一致
不可欠
不可視
不平
不信

不満な点は何でしょうか?
などなど、、、

言葉は価値観を反映するものなので、「不○○」として何かの価値観を不足状況で考えてみるというアプローチでも結構です。

連想が広がるかもしれません。

2017年9月20日 | カテゴリー :

古典の力(26)ベスト

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十六弾、明治の仏教家 清沢満之の言葉から

天命に安んじて人事を尽くす

ベストを尽くせとは良く聞かれる言葉です。
また、人事を尽くして天命を待つともよく聞きます。

松井秀喜やイチローのような一流選手が語る、ベストを尽くすことに関しての言葉は、

 どんな状況でもベストを尽くす

といった表現になるようです。

自分自身でベストを尽くしたから結果よやってこい、というよりは、

どのような状況であっても、それを受け入れて自分のできうることのベストを尽くす。

今回の言葉の主旨です。

時には流れがある、なにかモノゴトには流れがある、自分の置かれている立場や自社の状況もよくよく考えてみれば流れがある中で何かしらを尽くそうとしています。

尽くすのであれば、置かれている状況の中でベストを尽くす。

この考え方の方が、私には納得できます。

サーバントリーダーシップ(13)見つける

サーバントリーダー、最近注目を浴びています。

導入という考え方が妥当かは判りませんが、自分のところに導入したいということもあるかもしれません。

カタカナだと判りづらいですね。

せっかく、日本で活用するのであれば、自分でわかるように咀嚼することが必要でしょう。

サーバントリーダー・・・という考え方の内容を学んで、自分たちでどうあれば良いか、以下は一例です。

サーバントリーダーの特徴、10個あります。

1.傾聴  Listening
2.共感  Empathy
3.癒し  Healing
4.気づき  Awareness
5.説得  Persuasion
6.概念化 Conceptualization
7.先見力・予見力 Forsight
8.執事役  Stewardship
9.人々の成長に関わる  Commitment to growth of people
10.コミュニティづくり  Building community

ちょっと言いかえてみます。

話を良く聴く
共感する
相手や組織の具合の悪いところを手当てできる
気づきを大切にする
説得して行動させる
思いを見えるように語ることができる
先を見通す力がある
任せられる信頼感がある
人の成長を促す
居場所・仲間作りができる

ちょっと言い回しがこなれていないかもしれません。

ここでやりたいのは、言い回しを変えるだけではありません。

こういったことが出来る人、思いつかないでしょうか。
歴史上の人物、自分の先輩、知人、家族、、、、

その人が先達かもしれません。

サーバントリーダーの先達を見つける、身近に思える人で見つける。

カタカナの概念、カタカナのままで有り難がっているだけでは変わることができません。

こういった第一歩もあります。

古典の力(25)時処位

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十五弾、翁問答から

しおき法度の箇条は、、、時と所と位に相応したる道理にしたがひたるがよく候。

管理のルールは、時と所と位にふさわしい道理に従うのが良い。

翁問答、著者は中江藤樹、藤樹先生です。

藤樹先生は、コトを起こす行動指針として「時処位 じしょい」をよくよく考えるのが良いと定めています。

時 ことを行うのにぴったりの適した時、タイミング、時宜

処 ことを行う対象、場所

位 分際、役割

時処位の考え方、様々なところに応用できます。

リーダーとして時処位に応じて行動する。
社長の判断を、時処位を念頭に置く。

などなど。

翁問答でも時処位の例として、田植えの例や、管理ルールなど面白い解説が出てきます。

いつ、何に、どんな立場・役割で、何を行うのが良いのかを考える。
苗を植えるのに、時処位が良くても、、、、後で手入れをしないと稲は実りませんね。

実践コミュニティ(05)発展段階4(維持・向上)

学習する組織の実践コミュニティ、その発展段階を解説しています。

 潜在 → 結託 → 成熟 → 維持・向上 → 変容

今回は、第四段階 『 維持・向上 』です。

一言にすると「勢いの持続」の段階です。

うまく続いてきた仕事(や趣味)の集まり。
やりたいことやできることも明確になっていて、ドキュメントやツールといった再利用できるものもあります。
自分たちが関わっている分野は、社内で、業界で、日本で、世界で1番という意識が芽生え、1番であることの参画感や誇りを持ちます。
所属組織から公に認められ、期待されることも多いでしょう。

こういった状態のコミュニティが活気を保つには

周りの環境に合わせたテーマへに取り組んで、新しいメンバーに参画してもらい、活動の境界を再設定し直すことが必要です。

具体的には、

・発言権の制度化
・コミュニティの活性化  アイデア、メンバー、実践の機会
・思いの再確認
・コアグループへの新人参画
・新しい指導者の育成
・新メンバーの指導
・組織外との関係に注意を払う

といったことを行う事になります。

バランスが良くなってきたら、新陳代謝に気をつける。
このような感じかもしれません。

成功が循環するマネジメント(06)結果

成功が循環する原理 「 成功循環モデル 」 は、組織や活動が成功するためのマネジメントのモデルです。

4番目のステップは、「結果の質」の向上です。

1から3までのステップで、関係の質、思考の質、行動の質を高める工夫を日々行ってくると、結果の質が自ずと良くなってきます。

そうした時に、最後の4番目のステップでは、

結果を確認  します。

次に向けて、結果を確認することが重要となります。

4ステップの成功循環をたどるうちに、循環や実施を阻害する要因に突き当たることもあります。

阻害する要因は克服し、促進要因を高めることで成功の循環は連続していきます。

4番目のステップでは、振り返りを行うのですが、次につなげるための準備も行います。

これで、循環が途切れなくなります。

このような成功循環が持続するためには、持続可能となるためのマネジメントの工夫が重要となってきます。

マネジメントの工夫は、ルール化すると良いでしょう。

また、特に4番目のステップにおいては、「省察的な問いかけ」を行うことが大切になります。

問い詰めるのでは無く、自分自身を省みるような問いかけで振り返りを促してみましょう。

実際に、成功循環モデルを取り入れる時の工夫のポイントなどは、また触れる機会があるかもしれません。

まずは、結果を見て、すぐに行動を変えようとは思わない、というところからが出発点となります。

古典の力(24)高まる考え

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十四弾、論語から

子夏が曰わく、博(ひろ)く学びて篤く志し、切に問いて近くに思う、仁其の中(うち)に在り。

子夏が言った、「広く学んで志望を固くし、迫った質問をして身近に考えるなら、仁の徳はそこにおのずから育つものだ。」

他人事(ひとごと)のように意見を言う人がいます。悪し様に評論家のよう、といった言い方もするでしょう。
仁の徳が高まるには、広く学んで、本質に差し迫るような質問をする。そして、モノゴトに対して身近に、自分のことのように考えたら自ずと育つと言います。

自分のチームのことでも、自分の会社のことでも、他人事のように言う人がいます。
自分に関係のなさそうなことでも、自分のことのように考える人もいます。

お客様の身になって考える、お客様の目線で考えるということも良く聞くようになりました。
コミュニケーションにおいても、相互理解のため、思いやるためには、自己移入の能力が重要とされてきています。

自分が当事者であるかのように考えることが、仁の徳を高める一歩になるようです。

古典の力(23)ついて行く

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十三弾、老子から

自ら見る者は明らかならず、自ら是とする者は彰(あら)われず。自ら伐(ほこ)る者は、功無く、自ら矜(ほこ)る者は長(ひさ)しからず。

みずから見識ありとする者はものごとがよく見えず、みずから正しいとする者は是非が彰(あき)らかにできない。みずから功を誇る者は功がなくなり、みずから才知を誇る者は長続きしない。

自分から見識があると言いふらす人、自分が正しいと言い張る人、自分の功績はすごいんだと自慢する人、自分の才能はすごいだろうとひけらかす人。

ついて行きたいですか?

気になる言葉(08)いや

気になる言葉、今回は

 いや

です。

「いや」という言葉、思いつくものはどれくらいあるでしょうか。

厭、嫌、否、、、あたりでしょうか。

広辞苑では、

いや【否・嫌・厭】
・好まないこと。欲しないこと。きらうこと。承諾しないこと。
・好ましくないさま。不快なさま。
・否定の気持を表す語。いいえ。いえ。いな。

否定、拒否するといった意味に捉えられます。

さて、会話の途中で「いや」という接続詞で話しに割って入られた事はありませんか。

「○○なんですよ、それで、、、」と言い続けると、
別の人が「いや、それは××で、、、」と話しを取ってしまうパターンです。

その人の話をよくよく聞いてみると、「いや」と否定表現した割には否定の意見や別の意見を言うことなく同じような内容をその人なりの表現にしただけといったことで終わったりします。「アレっ・・・」という感じになってしまいますね。

今回注目する、気になる言葉は「いや」という接続詞です。
しかも、発声している本人は否定の意図が無く、否定や別の意見を言うことなく続ける場合です。

否定の意図無く「いや」という接続詞を使い続けると、聞いた人はどのように感じるでしょうか。

心の中で、「否定の言葉を言ってくるな」と身構える事でしょう。
そして遂には、同じような考えを持っている場合でも、否定されている、拒絶されていると感じてしまいます。
それが続くと、、、、信頼は築けません。

別の意見を言うことなく、「いや」をクセ(無意識)で使う人には、他人の考えを受け入れられない方が多くいます。

口癖も一事が万事、他人の意見を否定する、自分の考え自分の表現にこだわって他人と協調できないようであれば、こういった口癖を直すことから始めてみるのも良いでしょう。

サーバントリーダーシップ(12)コミュニティづくり

サーバントリーダーの10の特徴についてコメントしています。

最後の10番目は、コミュニティづくり  Building community です。

言葉を確認してみましょう。

コミュニティ、community という言葉、よく聞きませんか。

地域コミュニティ、SNSのコミュニティ などなど、、、

 広辞苑では、

コミュニティー【community】

・一定の地域に居住し、共属感情を持つ人々の集団。地域社会。共同体。
・アメリカの社会学者マキヴァーの設定した社会集団の類型。個人を全面的に吸収する社会集団。家族・村落など。
・一地域内に何らかの関係をもって生活するすべての生物個体群。生態学の研究対象。植物だけの場合には群落という。

コウビルドでは、

community

The community is all the people who live in a particular area or place.
A particular community is a group of people who are similar in some way.
Community is friendship between different people or groups, and a sense of having something in common.

居住地も含めて、「同じ」といった感覚を持てる集団といったところでしょう。

広辞苑では、共属意識と表現されています。
共続意識を持てる集団、とはかなり難しい表現です。

私たちは、コミュニティとは「居場所」のようなものと考えています。

さて、サーバントリーダーにおける10番目の特徴、コミュニティづくりとは、

組織の目的や目標へと向かうことのできる仲間意識作りができること、です。

仲間意識ができる結果、仲間のいるところの居場所ができます。ちなみに、居場所作りでは、ちょっと見当がつきませんね。

さて、コミュニティ作りが特徴としてあげられる理由です。
グリーンリーフが直接触れている訳ではありませんが、組織が向上するには学び続けることが重要だということが判ってきています。

学習する組織です。

また、正統的周辺参加、実践コミュニティ(コミュニティオブプラクティス)といった考え方があります。
組織が成果を上げる方法として、指示命令系統ではなく、ゆるやかなコミュニティ作りを行うといった方法をとる考え方です。
実践コミュニティが形づくられるためには、お世話をする人が必要です。
サーバントリーダーには、実践コミュニティと厳密に当てはまるかは別として、仲間意識を育むことが必要とされています。