TA(01)TA(交流分析)とは

交流分析TA:交流分析という言葉を聞いたことはありますか?

TA(Transactional Analysis):交流分析は、アメリカのバーン博士(E.Berne)が精神分析を応用して考え出したものです。

自分の心の状態を大きく3つの状態としてとらえ、その状態の程度によって自分を見つめたり、他人に対する関わりを考えます。

TAの活用分野は、医療はもとより、気づきや自律心、生きがいにもかかわることもあり、教育、福祉、行政、企業活動などの幅広い分野で活用されています。

心の3つの状態というのは、
PACです。

P(Parent)  親の心の状態と表現されます。両親の影響という言い方もします。

A(Adult)   大人の心の状態と表現されます。現在の環境の影響という言い方もします。

C(Child)   子供の心の状態と表現されます。子供の頃の環境の影響という言い方もします。

この状態は、さらに細かく5つ(6つ)の状態に分けて考えることができます。

CP(Critical Parent)   厳しいお父さん

NP(Nurturing Parent) 優しいお母さん

A(Adult)     冷静な大人

FC(Free Child) 自由奔放な子供

AC(Adapted Child) 聞き分けの良い子供

RC(Rebellious Child)   キレてしまう子供、反抗的な子供

(注、こういった表現は、お父さんが必ず厳しい側面を持っていることを指しません。心の状態の例えによる説明です)

このような、心の状態はエゴグラムというツールを使って測定することができます。
但し、測定結果は人として固定されたものではありません。

測定すると毎回変わります。例えば、うきうきしている時だと、FCが強いかもしれません。
傾向が判る程度と思った方が良いと思います。

そして、この心の状態「心のエネルギーの状態」にあったコミュニケーション方法をとると、相手に通じるようになります。言い方を変えると、相手の心の状態にあわないコミュニケーションを行うと、通じません。

1例を挙げます。
星一徹のような厳しさが多く表れている人に対して、ボビーオロゴンはうまくコミュニケーションできるでしょうか?
ちょっと、場面が考えにくいですね。多分、星一徹がちゃぶ台を4回くらいひっくり返して終わりになりそうです。星一徹が「にこっ」と笑っている瞬間であれば大丈夫かもしれません。その瞬間があればですが、、、

ちょっと極端な例ですが、他人の心の状態に応じて、自分の心の状態を切り替えた上でコミュニケーションすると、うまく通じることも多くなると考えられます。

TAもいろいろと流派があるので、表現の方法は違うものを目にするかもしれません。

TAで、自分と他人の心の状態が判って、NLPで通じる表現方法を使い、チームメーンバの行動パターンをハーマンモデル等を参考にするようにできれば、快適なコミュニケーションが楽にできるでしょう。

快適なコミュニケーションができるようになれば、リーダーが組織や会議をファシリテートする場合でも、うまく行くことでしょう。

世の中には、このような理屈を知らなくても心の状態に応じたコミュニケーションが自然にできている方もいますが、頼りになる体系を知るのも良いのではないでしょうか。

ということで、TAの簡単な解説を続けていきます。

2016年6月15日 | カテゴリー :

TA(02)心の構造

交流分析TA(交流分析)の2回目です。

TAでは、心の構造を大きくPACの3つの状態で捉えています。

P(Parent)
A (Adult)
C (Child)

ですね。

いきなりこの構造から始めるのでも良いのですが、次のような説明もできます。

まず、人は生まれると当然ながら子どもの状態から育ちます。

① 赤ちゃん、まずは天真爛漫に動いていますよね。

② お母さんやお父さん、周りの人からも暖かい言葉や「いいよー」とか「かわいいねー」とほめられたりします。

③ そのうち、やってはいけないことを両親や大人から指摘されるようになります。「こんなことしちゃだめだよー」といった感じですね。

④ その指摘を受け入れて、言うことに沿うようになります。

⑤ そして、徐々に、冷静にどのようにすれば良いかを考えるようになります。

さて、子どもから見てみると

①の、天真爛漫な活動、心持ち   や
④の、回りの指摘や状況を受け入れる心持ち

が最初の心持ちになります。

そして、徐々に

②の、慈愛のある大人の心持ち、考え方
③の、指摘する大人の心持ち、考え方

が外部にあって、外部ではそのような考え方をするのだと判ってきます。

そして、

⑤の、冷静な自分の心持ちが育ってきます。

①と④が 子どもの時から自分が持っている心の状態 C

②と③が 大人の価値観による心の状態 P

⑤が 冷静な自分の心の状態 A
   Aは育ってくると徐々にできあがってきます

TAでは、心の状態をこのように大きく3種類に分けて、自分や相手の心の状態(PAC)がどのようになっているかを意識することから様々なことに取り組んでゆきます。

2016年6月15日 | カテゴリー :

TA(03)エゴグラム

交流分析交流分析で、その時の心の状態を捉えたいと考えたとき、「エゴグラム」というトツールを使う場合が多くあります。

エゴグラムは交流分析の創始者であるエリックバーンの弟子である、ジョン・デュセイが考案し日本人に合うように調整された心の状態の分析法となります。

エゴは、自我、自分自身に対する観念、感じ方です。

そして、グラムが図です。

ということで、自分の心を図で表すツール、分析法です。

図で表すには、その元となるデータが必要です。
元となるデータは、いくつかの質問に応えることによって導かれます。

ここで、質問の設定の仕方や、何を目的にどのようなエゴグラムをとるかによって、エゴグラムでも種類が分かれてきます。
種類は分かれるのですが、大枠としては以下のようになります。

・質問に答えることで、5つの心の状態の点数を算出する
・5つの心の状態とは
  CP 厳しさ
  NP 思いやり
  A  合理性
  FC 自由・のびのび
  AC 協調・協力
・どの状態が善い/悪いというものでは無い
・心の状態の点数が高いと心の状況の高さを表現し、点数が低い場合は
 その状況(エネルギー)が低いことを表す
 例えば、CPが高い時は価値づけたり決めつけたりすることが多い、
 低いと決めることをするエネルギーが低い状態を表す。

エゴグラムを体験すると、心の状態が図で示されます。

どういった図だと、どういった心の状態・性格なのか非常に気になるところです。

その前に、5つの心の状態について解説を続けてみましょう。

2016年6月15日 | カテゴリー :

TA(04)FC

交流分析交流分析という心の分析方法の解説です。

今回は、FC です。

TAでは、心の状態を3つの状態に分けていました。
 P 親の心の状態
 A 大人の心の状態
 C 子供の心の状態

さらに、Pは2つに、Cも2つに分けて考えています。

今回は、Cの中の一つです。

FC 英語の略字で、FreeChildの頭文字です。

人間には、心の状態がいくつかあるとした内の一つです。

FCは、自由奔放な子供のような心の状態 を表します。

「崖の上のポニョ」で言うと、 ポニョ のような

自由奔放なものの見方、感じ方、行動をするような心の状態を示します。

「面白い」「うれしい」「~したい」といった口癖が出ている時はFCの状態かもしれません。

自分のFC,相手のFCをパワーアップさせたい時は、
「うれしい」といった言葉を肯定する相づちを返してみましょう。
「うれしい」には「うれしいヨネー」 などです。

2016年6月15日 | カテゴリー :

TA(05)AC

交流分析交流分析という心の分析方法の解説です。

今回は、AC、Cの中の一つです。

AC 英語の略字で、Adapted Childの頭文字です。

FCは、相手に合わせるような、聞き分けの良い子供のような心の状態 を表します。

「崖の上のポニョ」で言うと、 宗介 のような
「巨人の星」で言うと、 飛雄馬のようでしょうか。

相手に合わせて、協調、協力するようなものの見方、感じ方、行動をするような心の状態を示します。

「そうだね」「君の言うとおりだ」「ごめんなさい」といった口癖が出ている時はACの状態かもしれません。

上司や先輩の言っていることを素直に聞いて何か活かそうという態度の時の心持ちです。
ちなみに、FCばかりではチーム活動が成り立たないでしょう。
自分のチーム内に、俳優の大泉洋がテンション最大で、ずーっといたら大変なことになるように思えます。
適度に、ACの心持ちも必要です。

自分のAC,相手のACをパワーアップさせたい時は、
「そうだね」といった言葉など、相手に協調するような行動をとったことをほめてみましょう。

2016年6月15日 | カテゴリー :