大人が学ぶ、ということを考える上で非常に重要なのは
経験
です。
経験無くして、習熟はありません。
ただ、経験だけに頼るとそれはそれで学習する組織で言う学習障害などなどになりますが、まずはそこに行く前段階の話しです。
このブログをご覧になっている方は、社会人の方が多いと思います。
日々生活や仕事に勤しんでいると、
腕が上がった
判った
コツを掴んだ
という感覚になる時があると思います。
また、
こんなことしたら失敗した
とんでもない失敗をした(どんなことをしたかは、良く思い出せない)
ちょっとした失敗をした、このままだと△△がひどいことになる
こんな失敗も経験のうちです。
以前こんな事をした、こんな事があった
→ そしたらこうだった、こうなった
大人はこういった体験の塊を持っています。
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経験の語義を見てみましょう。広辞苑です。
けい‐けん【経験】
(1)人間が外界との相互作用の過程を意識化し自分のものとすること。人間のあらゆる個人的・社会的実践を含むが、人間が外界を変革するとともに自己自身を変化させる活動が基本的なもの。
(2)感覚・知覚から始まって、道徳的行為や知的活動までを含む体験の自覚されたもの。
ちょっと掴みづらいので、明鏡国語辞典で、
けい‐けん【経験】
自分で実際に見たり聞いたり行ったりすること。また、それによって得た知識や技能。
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体験との相違は、より自分で行う事柄は体験、修得した知識・技能寄りになる場合は経験となります。
語義は踏まえて、書籍「経験からの学習」から引用すると
経験とは
人間と外部環境との相互作用
としています。
さらに、経験と学習は密接に関連しています。
とある知識・スキル・信念
↓
経験
↓
知識・スキル・信念の修正や追加
この流れが「学習」となります。
日々の仕事や一瞬の判断も、こういった流れを経た学習となります。
学びには経験が非常に大切です。
では、経験をどのように捉え活用すれば良いかというところに話しは進みます。
企業など社会人向けの研修やワークショップ、社員育成のお手伝いをしております。
やり方や技術、考え方をお伝えしている側面もあります。
これを、もっと抽象化すると
まなび
の機会を作っていると言えます。
小学校や中学校では無いので、
成人のまなび、社会人のまなび、大人のまなび
の機会を作っています。
ファシリテーション研修の場合は、支援と促進の技術への学びです。
話し合いだったり、ワークショップ進行だったり、研修だったり、、、
コミュニケーション研修の場合は、基本的な聞く力、見る力などです。
品質管理だと、品質をどう考えているか、品質向上へのプロセスとなります。
様々な形で、「大人のまなび」に関わって来ています。
まなびの機会を作るという意味では、教育に携わっています。
ちなみに、教育を辞書で引いてみましょう。
教育 (広辞苑)
教え育てること。望ましい知識・技能・規範などの学習を促進する意図的な働きかけの諸活動。
ついでに、学習も
学習 (広辞苑)
まなびならうこと。
経験によって新しい知識・技能・態度・行動傾向・認知様式などを習得すること、およびそのための活動。
ファシリテーションにこと寄せると、「支援」についての技術、と言うより「考え方」や「姿勢」を理解していただく機会を作り続けています。
支援・・・・他の人やコトを支え助ける ということです。
支え助けると、相手はどのようになってゆくでしょうか。
例えば、のびのび育つようなイメージがしてきます。それは、個々の伸び方でしょう。
個性を伸ばすという言葉があります。
二宮尊徳の言う、そのものの良い所「徳」を見いだすというところに通じます。
まなびから始まって個性、言い方によっては徳にまでジャンプしてきました。
支援がうまく機能すると、学びにつながります。
「自分」が学んだり向上したりするには、本当のところではタイミング・時機など重要なことがあります。
子どもの教育でもこういった点が重要視されてきています。
大人の学びでは、より一層「学ぶ」と言うより「学んでしまう」という点、そしてそのために「どう教える」かといった点に一層留意することが大切です。
大人のまなび、少し堅く表現すると教育ファシリテーションについて、実践で培ってきたところなど少しずつ整理してゆきます。