基礎知識 ビジネス・IT
1.特徴
2.思考プロセス 流れ
3.制約条件
制約理論(TOC)とは、工場やプロセス、組織、SCM等システム上の制約を制御することでシステムの性能向上を目指す技法です。
TOCの特徴を以下に整理してみます。
・他の経営手法との違い
自然科学のアプローチを経営に適用
・典型的な相違例
複雑さのとらえ方 → 自由度がある方が複雑
問題のとらえ方 → 問題とは前提条件の対立 → 根本原因
・システムアプローチをとる
INPUT → ブラックボックス → OUTPUT のシンプルなとらえ方をする
・TOCの仮説1
システムには一つの「ゴール」(目的)といくつかの「必要条件」が存在
・TOCの仮説2
システム全体は、部分の総和以上の存在
・TOCの仮説3
システムのパフォーマンスは、ある時点では、ごく少数の、多分一つの変数により、
決定づけられている
→ 「制約条件」
TOCの思考プロセスでは、
1、何を変えるか
2、何に変えるか
3、どのように変えるか
の問いに答えていきます。
これをサポートするのに、以下のツールを使います。
何を変えるか
→ 現状分析ツリー
↓
何に変えるか
→ 雲(対立解消図)
↓
→ 未来実現ツリー
↓
どのように変えるか → 前提条件ツリー
↓
移行ツリー
このツリーの内容は論理的に記述して行きます。
そうすると、「このツリーはだれが考えるのか」という疑問が出ています。
そして「ツリーは正しいか」、「ツリーは共有意識となったか」、そして「そもそも「何」というのは合っているのか」という疑問もわきます。
ここで、チーム・組織での対話方法は、TOCにおいても重要な要素になると考えられます。
組織の課題は、一人で考えて、一人で解決するわけではありません。
全体最適の考え方からすれば、全員の力の向き(ベクトル)が合った方が解決(変化)の力が出ると考えられます。
制約条件を表す時に、いくつか言い方があります。
鎖の強さは、環の強さの総和ではない、鎖を構成する一番弱い環が鎖全体の強さとなる。
→ 一番弱い環を「制約条件」
システムのパフォーマンスは、ある時点では、ごく少数の、多分一つの変数により、決定づけられている。
→ これが「制約条件」
→ 制約条件を制御することで、システムが制御できる。
では、制約条件には、どのような種類があるか、
市場、資源、資材、供給者、財務、知識や中核能力
そして、「方針」
方針を、企業・組織理念と読み替えると、方針以上の動きはできないという結末となります。
従って、すすみたい方針(理念)を示せば、その範囲で企業が発展できるとも読み取れます。
では、次に現状、いろいろと問題があって改善をしたい場合に、TOCを使いたいとなれば現状の「制約条件」を探すコトになります。
制約条件は、「現状分析ツリー」により、導きます。
ここからは、私見ですが、TOCは現在起こっているコトから改善案を導くには優れた手法に思えます。ゼロから新しいコトを導くのは不得手かもしれません。
スペースシャトルの断熱材落下事故は解決できそうですが、スペースシャトルプロジェクトを立ち上げるのはつらいような気がしています。
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