実践コミュニティ(01)育成の7原則

学習する組織技能の継承といったテーマが新聞を賑わすことも多くなってきました。

団塊の世代が多く退職することを受けて、技能伝承の隔絶、これへの対応がなされ始めています。

技能、英語にするとナレッジ(知識や知恵)でしょうか。
(知恵だとWisdomというお話もありますが…)

技能伝承を行う仕掛けとして、匠に学ぶ寺子屋や私塾を社内に作る試みもあります。
言わば現代の徒弟制度といったところでしょう。

技能伝承という表現をしていますが、技は個人ではなく集団に蓄積されていると見ても良いのだと思います。

さて、こういった集団を分析的に見て、知識を創造しようとする動きがあります。
知識が集団から創造されるという特性を活用しています。

そして、この集団は知識を使いながら、学びながら、身につけ、知識を創造して伝えることから

『実践コミュニティ』 という表現をしています。

では、実践コミュニティを育てるにはどのようにすればよいでしょうか。

書籍「コミュニティ・オブ・プラクティス」を参考にしながらまとめてみます。

今回は原則的な所から

実践コミュニティは、私なりにまとめると、
「何か使いたい、深めたい専門的な分野があり、多くの方との協力で使いながら深めてゆく」
といった特質を持っています。

そして書籍によると、実践コミュニティを育てる原則は次の7点です。

1.進化を前提にした設計を行う

2.内部と外部それぞれの視点を入れる

3.様々なレベルの参加を奨励する

4.公と私それぞれのコミュニティ空間を作る

5.価値に焦点を当てる

6.親近感と刺激とを組み合わせる

7.コミュニティのリズムを生み出す

実践コミュニティは、専門分野に関心のある人たちが集まってきます。
その専門分野のどのようなコト、どのような部分が大切か。
これが最も重要になってきます。

そして、コミュニティは会社の職制ではありません。人の出入りも関わりの濃さも自由です。
半年後には、業務多忙で関わりが薄くなるかもしれません。

そして、何か定期的な会合や飲み会、ネットでの会話やイベントが合った方が楽しいです。
直接会うとかなりの知的な刺激、関係性の刺激にも富んでいます。

そして、特に親しくなった人や、事務局がキーマンに下交渉する時もあるでしょう。

コミュニティ外の人との会話が、岡目八目、良い指摘になるかもしれません。

こういったことが、上記の原則となっています。

知識や実践、そして運営等の手間をかけることについて、テイク(取る)だけではなく、ギブ(与える)姿勢やギブしてくれることに感謝をすること大切でしょう。

ちなみに、実践コミュニティを作り上げる。と言った、上からの目線では、なかなかうまく行かないようです。
せいぜい、育てる。一緒に育てる。といった意識が良いようです。