古典の力(15)道徳VS強権

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第十五弾、孟子 公孫丑篇から

力を以て仁を仮る者は覇たらん。覇は必ず大国に有(よ)るべし。徳を以て仁を行う者は王たらん。王は大を持たず。

力を背景にして仁政のまねをするものが覇者である。従って、覇者は大きな国土を地盤とする必要がある。徳によって仁政を行う者が王者である。王者になるには大きな国土による必要は無い。

強権高圧的な統治を行っている国は大国志向、そして道徳的な統治をしている国は必ずしも大きな土地を必要としない。ことを言っています。

この話の続きとして、強権的なところでは本心から従っていない、そして徳のあるところでは本心から従っている、と続きます。

強権 ・・・ 膨張志向         ・・・ 心からは従っていない ・・・ 覇者
道徳 ・・・ 膨張はどちらでも良い ・・・ 心から従っている    ・・・ 王者

単純化するとこのようになるでしょうか。

2000年以上昔のいつも戦争をしていた頃から、リーダーシップのありかたはこのように対比されてきています。

現代のチームや組織のありようにおいても参考となるでしょう。