TA:交流分析という言葉を聞いたことはありますか?
TA(Transactional Analysis):交流分析は、アメリカのバーン博士(E.Berne)が精神分析を応用して考え出したものです。
自分の心の状態を大きく3つの状態としてとらえ、その状態の程度によって自分を見つめたり、他人に対する関わりを考えます。
TAの活用分野は、医療はもとより、気づきや自律心、生きがいにもかかわることもあり、教育、福祉、行政、企業活動などの幅広い分野で活用されています。
心の3つの状態というのは、
PACです。
P(Parent) 親の心の状態と表現されます。両親の影響という言い方もします。
A(Adult) 大人の心の状態と表現されます。現在の環境の影響という言い方もします。
C(Child) 子供の心の状態と表現されます。子供の頃の環境の影響という言い方もします。
この状態は、さらに細かく5つ(6つ)の状態に分けて考えることができます。
CP(Critical Parent) 厳しいお父さん
NP(Nurturing Parent) 優しいお母さん
A(Adult) 冷静な大人
FC(Free Child) 自由奔放な子供
AC(Adapted Child) 聞き分けの良い子供
RC(Rebellious Child) キレてしまう子供、反抗的な子供
(注、こういった表現は、お父さんが必ず厳しい側面を持っていることを指しません。心の状態の例えによる説明です)
このような、心の状態はエゴグラムというツールを使って測定することができます。
但し、測定結果は人として固定されたものではありません。
測定すると毎回変わります。例えば、うきうきしている時だと、FCが強いかもしれません。
傾向が判る程度と思った方が良いと思います。
そして、この心の状態「心のエネルギーの状態」にあったコミュニケーション方法をとると、相手に通じるようになります。言い方を変えると、相手の心の状態にあわないコミュニケーションを行うと、通じません。
1例を挙げます。
星一徹のような厳しさが多く表れている人に対して、ボビーオロゴンはうまくコミュニケーションできるでしょうか?
ちょっと、場面が考えにくいですね。多分、星一徹がちゃぶ台を4回くらいひっくり返して終わりになりそうです。星一徹が「にこっ」と笑っている瞬間であれば大丈夫かもしれません。その瞬間があればですが、、、
ちょっと極端な例ですが、他人の心の状態に応じて、自分の心の状態を切り替えた上でコミュニケーションすると、うまく通じることも多くなると考えられます。
TAもいろいろと流派があるので、表現の方法は違うものを目にするかもしれません。
TAで、自分と他人の心の状態が判って、NLPで通じる表現方法を使い、チームメーンバの行動パターンをハーマンモデル等を参考にするようにできれば、快適なコミュニケーションが楽にできるでしょう。
快適なコミュニケーションができるようになれば、リーダーが組織や会議をファシリテートする場合でも、うまく行くことでしょう。
世の中には、このような理屈を知らなくても心の状態に応じたコミュニケーションが自然にできている方もいますが、頼りになる体系を知るのも良いのではないでしょうか。
ということで、TAの簡単な解説を続けていきます。