気になる言葉、昨日から連続です。今回は
自立
です。
広辞苑で、
自立
他の援助や支配を受けず、自分の力で判断したり身を立てたりすること。ひとりだち。
漢字も調べてみましょう(常用字解)
自
正面から見た鼻の形。鼻を押さえる、指すことで自分自身を言うことから「おのれ、みずから」の意味
立
大と一の組み合わせ。大は手足を広げた人、一は立つ位置。一定の位置に立つ人の形「たつ」意味。
さて、依存の回と同様に、自立と聞いてどのように感じますか?
良い、寂しい、かっこいい、大人、元服、甘えられない、嫌い、面倒、等々
心理学者の河合隼雄さんによると、昔は自立という言葉は余り使っていなかったのではないかと指摘しています。ではどんな言葉だったのか。「一人前」になる、「大人」になるといった表現です。
自立が強調され始めたのは、太平洋戦争後のことだそうです。そして、家族の関わりまで「家族のしがらみ」といった表現をして関わりを断ち切るのが自立の方向だと曲解してきてしまっているということです。
その結果は、、、、 自立ではなく、 孤立 を招いたと指摘しています。
欧米の人たちは自立も考え、自立した家族がどのように関わるかも考えるとのこと。
さて、そうするとどのように考えるのが良さそうかということになります。
河合さんによると、答えの表現の一つは、
依存していることに感謝できる のが自立している
ということだそうです。
親の言うことも聞くけど、自分の意見も言う。といったことになります。
別の表現では、
矛盾と見える考え方をもしっかり抱えて自分の足で立つ。
これが、河合隼雄流の自立です。
私なりに解釈すると、
相手に感謝して自分を生きる といったことなのかもしれません。
「誰にも頼らないで自立するんだ!」といった考え方は、社会からも、家族からも孤立を招くようです。
前回今回と、自立と依存という言葉にこだわってみました。
組織開発やチーム力アップといったことで、サポートさせていただく時、依存しすぎているリーダーやメンバー、そしてその逆で孤立しているリーダーやメンバーの方がいらっしゃることもあります。
もしも、皆さんの職場で思い当たることがある時は、人と人との間合いを意識できる活動を取り入れてみても良いかもしれません。