ワールドカフェを使う(01)

ワールドカフェという対話の方法が注目されてきています。

茶飲み話でもするように、気軽に、リラックスして話すことができ、多くの方の話に触れる方法です。

ワールドカフェを使うと、どのようなコトが起こるでしょうか。

ワールドカフェでは、少人数で素直に話せるような場の仕立てをします。

大人数では引っ込み思案の人も、素直に話せる環境だと、ついつい興が乗ってきます。

あれっ、という感じで、つい素直に率直に話してしまう場になる。

これがワールドカフェを使った話し合いで起こることの一つです。

私たちも、ワークショップや研修、対話の会などで良くワールドカフェ形式を活用します。
日本に合うように、場に合うように、かなりのアレンジをしていますが、、、

2017年10月10日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

問題(07)発見1

問題は、理想と現実の差(ギャップ)です

さて、問題を発見する方法、種々あります。

まず、理想も現実も暗黙知としてあれば、「なんとなく」問題だと意識できます。

暗黙知を明確に、様々な考え方で示すことができれば問題は発見しやすくなります。

その一手法を

再度、 「問題は理想と現実の差」です。
差と言うことは、足りていません。
足りていること(理想であること)を否定しています。

漢字にすると  『不』  ですね。(ちょっと遠回りしました)

足りていないという考え方を切り口に、対象を考え直してみると問題点はいろいろと見えてきます。

具体的には、
「不」のつく言葉で考えてみます。

不のつく言葉はいくつも、それこ広辞苑では700位あります。
しかし、そこまでしなくてもピンときたものいくつかで参考になるでしょう。

例えば

不満
不足
不安
不安定
不一致
不可欠
不可視
不平
不信

不満な点は何でしょうか?
などなど、、、

言葉は価値観を反映するものなので、「不○○」として何かの価値観を不足状況で考えてみるというアプローチでも結構です。

連想が広がるかもしれません。

2017年9月20日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

古典の力(26)ベスト

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十六弾、明治の仏教家 清沢満之の言葉から

天命に安んじて人事を尽くす

ベストを尽くせとは良く聞かれる言葉です。
また、人事を尽くして天命を待つともよく聞きます。

松井秀喜やイチローのような一流選手が語る、ベストを尽くすことに関しての言葉は、

 どんな状況でもベストを尽くす

といった表現になるようです。

自分自身でベストを尽くしたから結果よやってこい、というよりは、

どのような状況であっても、それを受け入れて自分のできうることのベストを尽くす。

今回の言葉の主旨です。

時には流れがある、なにかモノゴトには流れがある、自分の置かれている立場や自社の状況もよくよく考えてみれば流れがある中で何かしらを尽くそうとしています。

尽くすのであれば、置かれている状況の中でベストを尽くす。

この考え方の方が、私には納得できます。

2017年9月13日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

古典の力(25)時処位

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十五弾、翁問答から

しおき法度の箇条は、、、時と所と位に相応したる道理にしたがひたるがよく候。

管理のルールは、時と所と位にふさわしい道理に従うのが良い。

翁問答、著者は中江藤樹、藤樹先生です。

藤樹先生は、コトを起こす行動指針として「時処位 じしょい」をよくよく考えるのが良いと定めています。

時 ことを行うのにぴったりの適した時、タイミング、時宜

処 ことを行う対象、場所

位 分際、役割

時処位の考え方、様々なところに応用できます。

リーダーとして時処位に応じて行動する。
社長の判断を、時処位を念頭に置く。

などなど。

翁問答でも時処位の例として、田植えの例や、管理ルールなど面白い解説が出てきます。

いつ、何に、どんな立場・役割で、何を行うのが良いのかを考える。
苗を植えるのに、時処位が良くても、、、、後で手入れをしないと稲は実りませんね。

2017年8月2日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

古典の力(24)高まる考え

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十四弾、論語から

子夏が曰わく、博(ひろ)く学びて篤く志し、切に問いて近くに思う、仁其の中(うち)に在り。

子夏が言った、「広く学んで志望を固くし、迫った質問をして身近に考えるなら、仁の徳はそこにおのずから育つものだ。」

他人事(ひとごと)のように意見を言う人がいます。悪し様に評論家のよう、といった言い方もするでしょう。
仁の徳が高まるには、広く学んで、本質に差し迫るような質問をする。そして、モノゴトに対して身近に、自分のことのように考えたら自ずと育つと言います。

自分のチームのことでも、自分の会社のことでも、他人事のように言う人がいます。
自分に関係のなさそうなことでも、自分のことのように考える人もいます。

お客様の身になって考える、お客様の目線で考えるということも良く聞くようになりました。
コミュニケーションにおいても、相互理解のため、思いやるためには、自己移入の能力が重要とされてきています。

自分が当事者であるかのように考えることが、仁の徳を高める一歩になるようです。

2017年7月10日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

古典の力(23)ついて行く

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十三弾、老子から

自ら見る者は明らかならず、自ら是とする者は彰(あら)われず。自ら伐(ほこ)る者は、功無く、自ら矜(ほこ)る者は長(ひさ)しからず。

みずから見識ありとする者はものごとがよく見えず、みずから正しいとする者は是非が彰(あき)らかにできない。みずから功を誇る者は功がなくなり、みずから才知を誇る者は長続きしない。

自分から見識があると言いふらす人、自分が正しいと言い張る人、自分の功績はすごいんだと自慢する人、自分の才能はすごいだろうとひけらかす人。

ついて行きたいですか?

2017年6月22日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

古典の力(22)他人への期待

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十二弾、中庸から

上位に在りては下を陵(しの)がず、下位に在りては上を援(ひ)かず、己を正しくして人に求めざれば、則ち怨みなし。上は天を怨みず、下は人を尤(とが)めず。

高い官位にあるときは下位の人をおさえつけたりせず、低い官位にあるときは上位の人にとりいったりせず、ただ自分自身を正しくして、他人に求めることをしなければ、心に怨みを持つこともない。上は天を怨むこともなく、下は他人をとがめることもない。

他人に求めるところが多ければ多いほど、不満(怨み)も多くなります。
自分自身の時、職位、役割に応じて、上司や部下の時、職位、役割を鑑みて仕事をするのが、チームワークを考えた良い仕事を行うコツでしょう。

時と職位と役割は、時処位(じしょい)ですね。

2017年5月15日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

古典の力(21)実行

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十一弾、二宮翁夜話から

経文といい経書といい、その「経」という字は、もともと機(はた)の縦糸のことなのだ。縦糸ばかりでは用をなさず、横に日々実行を織り込んで、はじめて織物として役に立つ。

二宮翁夜話は、二宮尊徳の説法の高弟による手控え(記録)です。明治20年から発刊され、現在は昭和33年に現代語訳されたものが入手できます。

さて、ビジネスなど日々活動しているとやり方が書かれた本、他人の情報を参考にすることがあります。
例えば、コトラーの説いたマーケティングの説。などなど、、

ここでは、

知っているだけでは意味が無い、日々実行を重ねることで役に立つ

ことを説いています。

知っているだけで何もしない、のではなく、 知った上で日々実行、 なのが役に立つコツです。

2017年4月3日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

古典の力(20)明者

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十弾、老子から

人を知る者は智なり、自ら知る者は明なり。人に勝つ者は力有り、自ら勝つ者は強し。

他人のことが分かる者は智者であり、自分のことが分かる者は明者である。他人に打ち勝つ者は力があるが、自分に打ち勝つ者は本当に強い。

本当に力のある人とはどのような人でしょうか。
知恵があったり力があったりする人、こういった人も力のある人でしょう。

ちょっと見方を変えてみましょう。知恵や膂力が優れているという物差しとは別の物差しで測ってみます。

自分のことが分かっている人、自分のことが分かっていない人です。

自分のできること以上の事は、当然ながら自分ではできません。
時や場合、自分の職位などでできることも変わってくるでしょう。

他人のことをあれこれ言う前に自分自身のことを知りなさい、とは良く聞かれます。
自分の事(できること、やりたいこと などなど)が良く分かった人は強いです。
さらに、怠惰に押し流されることなく自分に勝つ人、明晰に考えて自分に勝っている人、克己心のある人は本当に強いですね。

すごいスポーツマンには、そのような人が多いようです。イチローがぱっと思い浮かびます。

2017年3月8日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

古典の力(19)傲慢

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第十九弾、論語から

子の曰わく、如(も)し周公の才の美ありとも、驕り且つ吝(やぶさ)かならしめば、其の余は観るに足らざるのみ。

先生が言われた、「たとい周公ほどの立派な才能があったとしても、傲慢で物おしみするようなら、そのほかは目をとめる値打ちもなかろう。」

才能のある人、周りにいるかもしれません。
その人が、傲慢な場合はどうでしょうか。その人は成績が良いかもしれません。ひょっとするとその人の関わるチームも成績が良いかもしれません、それでも他のメンバは疲弊していることでしょう。

才能があったにしろ傲慢でケチであっては見るべきところは無い、傲慢もケチも人とのかかわりの中で起こります、つまりは他との良い関係が結べない人は値打ちがないとしています。

傲慢とケチ、逆にすると他の人を敬っていろいろな点で惜しむことなく共にできるようでありたいものです。

2017年2月15日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko