古典の力(31)逆説

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第三十一弾、老子から

自ら見ず、故に明らかなり。自ら是とせず、故に彰(あら)わる。自ら伐(ほこ)らず、故に功有り。自ら矜(ほこ)らず、故に長し。

みずから見識ありとしないから、ものごとがよく見える。みずから正しいとしないから、是非があきらかになる。みずから功を誇らないから、功がたもてる。みずから才知を誇らないから、長続きする。

ごく自然に腰が低い人は、あまり誇りません。あまり正しさを言いつのらない方が、正しさがより際立つようです。

ものが窪んでいるからこそ満たすことができ、破れているからこそ新しくできる。とも言っています。

逆説的なことが、却って真っ当なのかもしれません。

2018年2月5日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

質問(06)質問を分けてみる

質問について、第6回です。

質問にも様々あります。ある程度分けることを考えてみましょう。

質問とは、質問者が欠けている感じている事を埋めようとする、ことです。

かけているとは、疑問だったり、知識の不足などだったりします。

これはいつ起こったの?   状況を確認する情報収集の質問です。

なぜそんなことをしたの?  理由を問いただす質問です。
   (どちらかと言うと原因ですね、しかも問い詰めに聞こえます)

私たちはどうしたら良いだろう? 自分・自分たちで探る・生み出すような質問です。

(親が泣いている子どもに) どうしたの?  状況もですが、感情も聞いて、質問の形で安心させています。

などなど、まだあるでしょう。

状況を確認する質問としては、5W1Hなどを駆使することもありますね。

対話が深まることを体験すると、状況を確認する質問から、自分たちで意味や意義を深める質問へと移ってゆくのが判るでしょう。

質問の分けるにも、何を聞く、どういった状況で聞く、どのような心情で聞く、どんな流れ(プロセス)の中で聞く、どんな立場で聞くといった分け方ができます。

自分がよく使う質問も、種類分けをするとばっちり「ピントの合った」質問ができるようになるでしょう。

2018年1月23日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

古典の力(30)本分

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第三十弾、中庸から

天の命ずるをこれ性と謂う。性に率(したが)うをこれ道と謂う。

天が、その命令として人間や万物のそれぞれにわりつけて与えたものが、それぞれの本性(もちまえ)である。その本性(もちまえ)のあるがままに従ってゆくとそこにできあがるのが、人として当然ふみおこなうべき道である。

こつこつと物作りをするのが得意な人がいます。リーダーシップを発揮するのが得意な人がいます。細かい目配りや計算が得意な人がいます。脚光を浴びるといっそう創造力豊かになる人がいます。

何でもうまくこなせる人は、、、いないと言っても良いかもしれません。
どこかに得意があって、どこかに不得手があります。
だからこそ、得意なところを集めてチームワークを組みます。

得意なところを意識して強めてゆくと、得意なところ良いところを前面に出して行動してゆくと、自ずと結果が突いてきたりします。そして次への活動が開けたりします。

それぞれの良いところ、伸ばした方が自然にうまくいきます。

2018年1月12日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

古典の力(29)本読み

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十九弾、二宮翁夜話から

道は書物にあるのではなく、行いにある。

下男が芋種を埋めて、その上に芋種と書いた木札を立てた。翁は、札の文字によって芋種を掘り出して、畑に植えて作ればこそ食物になる。
道も同じく目印の書物によって、道を求めて身に行って、はじめて道を得たことになる。そうしなければ、ただの本読みに過ぎない。

組織力アップだけではなく、書物を読んだり知識を得ることは多くあります。

読んで終わりでしょうか。読んで判った、、、つもりにはなります。
読んでいるのは、知識のためで良ければ目的は完了かもしれません。

読んでいるのは、何かを変えるためなのであれば、、、、読んだことをきっかけにして行動するのが目的にかなっています。

2017年12月18日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

古典の力(28)あらわれ

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十八弾、老子から

大道廃れて、安(ここ)に仁義あり。

大いなる道が廃れだして、それから仁義が説かれるようになった。

何かが廃れ始めると、それを補うように出始める言葉や物事があるようです。

孝行息子に慈しみ深い親が出てき始めたのは、家族が不和になったからだ、と老子でも続けて説いています。

組織やチームで、会社の鏡のようだといった英雄や、XXが大切だ(品質とかスピードとか)とされている事柄があるかもしれません。

もしかしたら、それは何かが廃れだしている「あらわれ」の可能性もあります。

あらわれているものに焦点を当てるのも良いのですが、何が廃れているのかを考え抜くことも進歩へのきっかけになるかもしれません。

2017年11月20日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

バランススコアカード(07)数値目標の設定

バランススコアカード(BSC)の6番目のステップ

数値目標の設定になります。

前のステップで、業績評価の指標が合意できていることだと思います。

計測できる指標が定まったならば、

いつ時点で
どのレベル

の数値になっているのが良いか、
どのレベルになっているのが戦略に合っているかを定めます。

数値目標を定める上でも、将来(3年後等)どのようになっている仮定か
その上で、次回計測時点(半年先等)でどのようになっているのが良いかを定めます。

数値目標を設定する上でも、衆知を合わせて目標や制限、乗り越える壁を意識するのが良いでしょう。

戦略の合意や策定、数値等の目標など、いたるところで衆知を合わせることが必要です。
衆知を合わせないと、理屈として間違ったり、または偏ったり、参画できない思い入れのないBSCになってしまいます。

2017年11月10日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

古典の力(27)勇気

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十七弾、論語から

義を見てせざるは勇無きなり

行うべき事を前にしながら行わないのは、臆病である。

役職として、役割として、時機として、行うべき事は様々にあります。

やろうと思えばできるのに、「まぁいいかな」という気持ちになることもあります。
しかし、行うべき事を行える時にしていないと、後で後悔することもありますね。

後悔するぐらいであれば、行うべき時にびしっとやる。

さっき、自分が行えば良かった。
さっき、部下に注意すれば良かった。
さっき、グループに喝を入れれば良かった。

行うべき時に、勇気を持って、行いましょう。

2017年10月16日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

ワールドカフェを使う(01)

ワールドカフェという対話の方法が注目されてきています。

茶飲み話でもするように、気軽に、リラックスして話すことができ、多くの方の話に触れる方法です。

ワールドカフェを使うと、どのようなコトが起こるでしょうか。

ワールドカフェでは、少人数で素直に話せるような場の仕立てをします。

大人数では引っ込み思案の人も、素直に話せる環境だと、ついつい興が乗ってきます。

あれっ、という感じで、つい素直に率直に話してしまう場になる。

これがワールドカフェを使った話し合いで起こることの一つです。

私たちも、ワークショップや研修、対話の会などで良くワールドカフェ形式を活用します。
日本に合うように、場に合うように、かなりのアレンジをしていますが、、、

2017年10月10日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

問題(07)発見1

問題は、理想と現実の差(ギャップ)です

さて、問題を発見する方法、種々あります。

まず、理想も現実も暗黙知としてあれば、「なんとなく」問題だと意識できます。

暗黙知を明確に、様々な考え方で示すことができれば問題は発見しやすくなります。

その一手法を

再度、 「問題は理想と現実の差」です。
差と言うことは、足りていません。
足りていること(理想であること)を否定しています。

漢字にすると  『不』  ですね。(ちょっと遠回りしました)

足りていないという考え方を切り口に、対象を考え直してみると問題点はいろいろと見えてきます。

具体的には、
「不」のつく言葉で考えてみます。

不のつく言葉はいくつも、それこ広辞苑では700位あります。
しかし、そこまでしなくてもピンときたものいくつかで参考になるでしょう。

例えば

不満
不足
不安
不安定
不一致
不可欠
不可視
不平
不信

不満な点は何でしょうか?
などなど、、、

言葉は価値観を反映するものなので、「不○○」として何かの価値観を不足状況で考えてみるというアプローチでも結構です。

連想が広がるかもしれません。

2017年9月20日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko

古典の力(26)ベスト

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十六弾、明治の仏教家 清沢満之の言葉から

天命に安んじて人事を尽くす

ベストを尽くせとは良く聞かれる言葉です。
また、人事を尽くして天命を待つともよく聞きます。

松井秀喜やイチローのような一流選手が語る、ベストを尽くすことに関しての言葉は、

 どんな状況でもベストを尽くす

といった表現になるようです。

自分自身でベストを尽くしたから結果よやってこい、というよりは、

どのような状況であっても、それを受け入れて自分のできうることのベストを尽くす。

今回の言葉の主旨です。

時には流れがある、なにかモノゴトには流れがある、自分の置かれている立場や自社の状況もよくよく考えてみれば流れがある中で何かしらを尽くそうとしています。

尽くすのであれば、置かれている状況の中でベストを尽くす。

この考え方の方が、私には納得できます。

2017年9月13日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko