大人のまなび、今回は脳科学からのヒントです。
理化学研究所という自然科学の総合研究所があります。
2月の機関誌に、興味深い記事が掲載されていました。
直観的思考が身につく可能性についての記事です。
直観的思考とは、一目見て正解がひらめくと言った、直観直知できるような思考力のことです。
例えば、将棋のプロ棋士が、一瞬で次の一手を打っている姿を見かけます。
直観的に最善の一手がひらめいているということでしょう。
記事では、素人でも訓練すると将棋のプロ棋士のような直感的思考回路を持つことができる、ということを示す研究結果が示されていました。
いきなり、プロのレベルの活躍ができる訳ではありませんが、訓練をすることでプロが直観的にひらめく時の神経活動と同様の神経活動が起こることが判ってきたということです。
経験学習とは、経験によって学びが進む学習です。
これを集中的に行うことで、ヒラメキが生まれてきます。
記事では、将棋を単純化したものを使って実験を行っていました。
複雑なルールよりは、単純化したものの方がヒラメくまでの習熟の時間が短いということでしょう。
話題は変わりますが、スキルなどの研修においても、学んだスキルを現場実践しようとすると、いつも状況が複雑で変化があります。
学んだことを活用できないといった悩みも伺います。
これに対するヒントも、今回の記事から読み取ることができます。
それは、複雑な環境の中でもスキルなど技量の向上はできるが時間が長くかかるということ。(誰しも気づいてはいるとは思いますが、、、)
そして、単純化した環境で訓練を行うと短時間で技量が向上すること。
記事からは離れますが、
現場で成果を上げるためには、長い時間技量向上の結果が見えにくい方法をとる方法もあります。
そして、単純な環境の中で技量を磨いて現場で応用的に使う方法も考えられます。
長い時間技量向上の結果の見えにくい中、技量向上へのサポートを続けるのは、なかなか厳しいようにも感じます。
そこで、単純な環境の中で技量を向上させ、なるべく習熟を早める工夫を行うのが現実的でしょう。
今回の記事、さらに興味深い記事があります。
相手の気持ちになって考える時の脳の働きです。
実は、私たちの研修やワークショップでは、脳の働きも活性化させて学びに結びつけています。
アイスブレイクや受け取りやすい学びの方法、脳の使い方目覚めさせ方を使うと学びの効率も変わってきます。
別の機会にご紹介できるかもしれません。