大人のまなび(10)心理的安全性

学びに限らず組織的な活動を行う基盤となる大切な環境があります。

 

「心理的安全性」:サイコロジカル・セーフティ(psychological safety)

 

です。

これは、ハーバード大学のエイミー・エドモンソン博士が提唱し、グーグルにおける成功したチーム活動の分析でも活用されています。

 

博士は、チームの安全性を「所属のチームにおいて、対人関係で思い切った言動をしても大丈夫(安全である)という共通の信念」と定義しています。

 

例えば粗暴ということではなく、真っ当と思える批判や指摘、危なそうだけどチャンスを取りに行くような言動、共通の目的や目標に向かって信念に基づいた激しい論争、このようなことを行っても大丈夫と思えているか、というです。

 

安全と思えなければ、言い出せなくなります。

同僚や上司などへの真っ当な批判・進言・質問についても、自分の身分を賭けるような思いで言わないとならないかもしれません。
多くの人が言われたことだけ行い、様々な間違いや非効率が隠されてしまうようになります。

 

博士は、心理的な安全性を測る7つの尺度を提唱しています。(要約)

1.ミスをしたら非難されるか
2.困難な課題も提起できるか
3.違うからと言って排除されるか
4.安心して思い切ったことができるか
5.助けを求めにくいか
6.私の成果を無下にする人がいるか
7.私個人のスキルと才能は尊重され役に立っているか

 

この尺度などによって組織やチームの心理的安全性の状態を理解することができます。
そして状態に応じて、関わり方への自省や対応法を学ぶことで心理的安全性は高まってきます。

 

ちなみに、心理的安全性は、愛着行動における「安全基地」と同様の考え方となります。
安全基地の方が取り組みやすいかもしれません。

 

皆さんの心の安全基地はどこでしょうか。

まずは、ご自宅かもしれません。

そして、自分の同僚、職場の仲間、趣味の仲間かもしれません。

気が置けない、遠慮の要らない仲間は安全基地です。

このような仲間の輪が広がるほど、職場における業務は効率的となり、自分と仲間の業務を通じた学びも高まります。