ファシリテーション(12)タイムキーパー

ファシリテーションタイムキーパーの役割について説明します。

○役割

タイムキーパーの役割は『時間の報告』です。

微妙ですが、「時間の管理」まで行うとちょっと行き過ぎかもしれません。

会議の場は、皆さん内容に没頭します。
また、ファシリテーターもしくはリーダーの方は、一歩引くなり内容に入っています。

時間を気にすることがなかなかできない場合もあります。

そこで、時間担当のタイムキーパーを置きます。

まとめると、タイムキーパーの役割は2点です。

1.時間の報告

 ①定められた時間になったら時間を報告します。
   「あと5分です」「時間になりました」 等

 ②ファシリテーター等他の方から、時間を問われたら報告します。
   例えば、ファシリテーター「あと何分ですか」
       タイムキーパー「あと10分ですね」

 ③道具を使う
   時間の報告のために、キッチンタイマー等を使っても良いです。
   他にも、紙に「あと5分」と書いて指し示すのも良いでしょう。
   テレビ番組で見かける、ADが示すボードのイメージです。
   「こんな道具使います」と合意の上使ってみてください。

2.会議への参加(メンバーと同じ)
 
 メンバーの役割は次項で説明しますが、時間の報告以外はメンバーと
 おなじ役割を担います。

○コメント

時間を報告する役割だけを切り離していますが、メリットがあります。

1.時間を忘れない
 内容に没頭すると時間をどうしても忘れます。
 タイムキーパーが当初定められた時間の報告を行うだけで参加する皆さんが
 時間を忘れなくなります。

2.生産的な会議になる
 ファシリテーター、メンバー、書記がそれぞれの役割に没頭でき、
 より生産的な会議になります。

 例えば、ファシリテーターと兼任しても良いですが、頭のどこかで
 時間のことをいつも気にしていなければならないので、観察等の役割
 が手薄になる可能性があります。

3.参画意識が高まる
 役割があると参画意識が高まります。(役割効果)
 タイムキーパーも、時間の報告と共に内容への参画意識が高まります。

4.会議を客観的に見ることができる
 タイムキーパーが時間を報告するために、多少冷静でいなければなりません。
 冷静でありつつ参画するため、会議を客観的に見れるようになります。
 書記の時と似たような効果が得られるということです。

5.メンバー同士の支援を促進できる
 ファシリテーターが「時間です」と言うと、少し強権的です。
 これを、ファシリテーターがタイムキーパーに「あと何分ありますか?」
 「あと10分です」とクッションを入れると、「あと10分」という事実
 に焦点が当たりやすくなります。
 タイムキーパーを通して、メンバー同士の発言を促す形となり、メンバー
 同士の支援を促進できるようになります。
 メンバー同士の支援は、チームワークを醸成するきっかけとなるでしょう。

時間の報告のしゃべり口調は、その人のスタイルに合わせれば良いと思います。
場を和やかにする雰囲気の人は、時間の報告をするだけで場が和みます。

時間を報告する単純な役割ですが、この役割を活用すると、会議の安全弁と
して使えます。

ぜひ、活用してみてください。