ファシリテーション(24)立ち位置

ファシリテーションファシリテーションを行う上で、自分が拠って立つ位置を意識するのが良いでしょう。

今回は、ファシリテーションを行う時の立ち位置、ファシリテーターの立ち位置を考えてみます。

例えば、立ち位置を以下のように定めてみます。

■ : 強く場に働きかける、場の中に入る立ち位置
□ : 他の参加者と同じような位置から場に働きかける、場の周辺にいる立ち位置
△ : 一歩引いた位置から場に働きかける、場の少し外側にいる立ち位置

上記の立ち位置は、各ステップではおおよそ以下のように使い分けます。

第1ステップ 準備
 10割■の立ち位置で、場の促進というか発進できるようにします。

第2ステップ 広げる
 □と△が半々ずつの立ち位置で、何かの事態が生じると■となります。
 場が進行しているならば、必要最小限の働きかけを行うといったイメージです。

第3ステップ まとめる
 □と■が半々ずつの立ち位置で、収束を図るような力が加わります。
 人に力を加えるというより、プロセスに影響力を与える(介入する)回数が増えると
 いったイメージです。

第4ステップ 終了
 おおよそ10割■の立ち位置で、場を終了させるようにします。

上記のように、ファシリテーションとはいえ、ほったらかしにするわけではありません。
「場の支援と促進」を行うように立ち位置を自分でコントロールします。

やや蛇足となりますが、立ち位置を応用的に使うと、例えばざっくりと以下のようにも考えられます。

「リーダー」の立ち位置を
 引っ張る
 みんなの前に出てリーディングを行う(ひっぱる)
 結果を考える、目標を示す

(リーダーに求められる能力は多くのものがありますが、リーディングに焦点を当てています)

「コーチ」の立ち位置を
 動かす
 脇で併走する(目標を指し示し、激励し、方策を示す)
 行動を考える

「ファシリテーター」の立ち位置は
 見守る
 必要であれば後ろから押す(考えさせ、支援する)
 起こっている意味を考える、自己責任

例えばこんな感じに思われます。
ファシリテーターは、自在に立場を変えるのでリーダーやコーチの立ち位置も時と場合(意味)で使い分けます。また、メンターとの比較を行うのも良いでしょう。
今のリーダーは引っ張るだけではなく多くのことを期待されています。コーチングのスキルを身につけたリーダー、ファシリテーター型リーダーといった表現もされています。

今リーダーに求められているスキルは一旦置いておいて、いわゆるリーディング(ひっぱる)という事柄に対して考えます。
そうすると、ファシリテーターの立ち位置は見守ることを基本として、中にも入るような自在な立ち位置をとる役割と言えます。

今回は、ファシリテーションプロセスにおける立ち位置を解説してみました。