ファシリテーションを行う上で、自分が拠って立つ位置を意識するのが良いでしょう。
今回は、ファシリテーションを行う時の立ち位置、ファシリテーターの立ち位置を考えてみます。
例えば、立ち位置を以下のように定めてみます。
■ : 強く場に働きかける、場の中に入る立ち位置
□ : 他の参加者と同じような位置から場に働きかける、場の周辺にいる立ち位置
△ : 一歩引いた位置から場に働きかける、場の少し外側にいる立ち位置
上記の立ち位置は、各ステップではおおよそ以下のように使い分けます。
第1ステップ 準備
10割■の立ち位置で、場の促進というか発進できるようにします。
第2ステップ 広げる
□と△が半々ずつの立ち位置で、何かの事態が生じると■となります。
場が進行しているならば、必要最小限の働きかけを行うといったイメージです。
第3ステップ まとめる
□と■が半々ずつの立ち位置で、収束を図るような力が加わります。
人に力を加えるというより、プロセスに影響力を与える(介入する)回数が増えると
いったイメージです。
第4ステップ 終了
おおよそ10割■の立ち位置で、場を終了させるようにします。
上記のように、ファシリテーションとはいえ、ほったらかしにするわけではありません。
「場の支援と促進」を行うように立ち位置を自分でコントロールします。
やや蛇足となりますが、立ち位置を応用的に使うと、例えばざっくりと以下のようにも考えられます。
「リーダー」の立ち位置を
引っ張る
みんなの前に出てリーディングを行う(ひっぱる)
結果を考える、目標を示す
(リーダーに求められる能力は多くのものがありますが、リーディングに焦点を当てています)
「コーチ」の立ち位置を
動かす
脇で併走する(目標を指し示し、激励し、方策を示す)
行動を考える
「ファシリテーター」の立ち位置は
見守る
必要であれば後ろから押す(考えさせ、支援する)
起こっている意味を考える、自己責任
例えばこんな感じに思われます。
ファシリテーターは、自在に立場を変えるのでリーダーやコーチの立ち位置も時と場合(意味)で使い分けます。また、メンターとの比較を行うのも良いでしょう。
今のリーダーは引っ張るだけではなく多くのことを期待されています。コーチングのスキルを身につけたリーダー、ファシリテーター型リーダーといった表現もされています。
今リーダーに求められているスキルは一旦置いておいて、いわゆるリーディング(ひっぱる)という事柄に対して考えます。
そうすると、ファシリテーターの立ち位置は見守ることを基本として、中にも入るような自在な立ち位置をとる役割と言えます。
今回は、ファシリテーションプロセスにおける立ち位置を解説してみました。