「学習する組織」という言葉を耳にしたことはありますか?
マサチューセッツ工科大学のピーター・センゲが「学習する組織」という書籍としてまとめ世界的に広まりだした、組織がより良く活動するための考え方です。
センゲは、著書の中で
未来を創り出す能力を持続的に伸ばしている組織
これを「学習する組織」と言及しています。
一方今までの組織は「権威主義的なコントロールを基盤とする組織」としています。
学習する組織では5つの学習領域(ディシプリン)と3つの中核的な学習能力が大切であると説かれています。
詳細は本に譲るとして、ちょっとした説明を綴って行きましょう。
学習する組織は、職場で取り組むには一見難しい考え方が並んでいます。
しかし、もう少しひもとくと普段でも取り組めることが判ります。
例えば、システム思考をすぐに理解し導入できればそれに越したことはありません。しかし、システム思考が取り入れられている意味である
出来事を全体として(システムとして)捉える
皆で意識を同じくする
冷静に原因を探る
ことができることを目標とするならば、対話を行ったり紙やホワイトボードに出来事や問題をちょっと書き付けて皆で考えることが第一歩となります。
そして、その第一歩を踏み出すために学ぶこととしては、例えば
・ファシリテーション
・ファシリテーショングラフィック
・反省し探究する方法(反省力)
などを学んで活用すれば良いということになります。
学習する組織、そして組織学習と聞くととても難しく思えます。
しかし、宮本常一の「忘れられた日本人」の寄り合いのシーンのように、統制でなく対話で全体性を捉えた問題解決や組織の営みはできていました。
学習する組織は、「お互いが工夫し向上し続けられる組織」と言い換えることもできると考えます。
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以前、ピーター・センゲが来日したときの「学習する組織」のカンファレンスを後援させていただいたこともありました。
以来、研修やコンサルティングなどのベースになる大切な考え方の一つが「学習する組織」です。
「学習する組織」になろう!、と取り組もうとすると、何をしてよいやらゴールが遠かったりします。
しかし、案外身近なものの考え方や話しあいの仕方を変える練習をすることで、組織学習、学習する組織に一歩ずつ近づいて行くことを感じています。