古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。
第十八弾、近江聖人 中江藤樹の教えから
五事を正す
貌(ぼう) ・・・ 和やかな顔つきで人と接する
言(げん) ・・・ 温かく思いやりのある言葉で話しかける
視(し) ・・・ 温かいまなざしで人を見、物を見る
聴(ちょう)・・・ 相手の話に心をかたむけてよく聞く
思(し) ・・・ まごころをこめて相手のことを思う
中江藤樹は、琵琶湖の西北のほとり、近江国高島郡小川村(滋賀県高島市安曇川町)に生まれた、江戸時代初期の儒学者です。日本の陽明学の祖とも言われています。
中江藤樹は、近江聖人とも呼ばれ、現在でも藤樹先生と親しまれています。
五事とは、中江藤樹の教え、良い知恵に至るための道として説かれた、普段行うことができる五つのことです。
言われてみれば普通のことかもしれません。
しかし、彼の考え方の浸透した当時の小川村では、忘れた財布を拾った馬子が落とし主を捜し出して渡し、礼さえも受け取らないといったことまで普通に行われていました。
貌言視聴思(ぼう げん し ちょう し)を気をつける雰囲気が広がると他人を思いやる風土ができてきます。
漢語風の言葉で難しそうであれば、自分たちでなじめる言葉にしても良いでしょう。