古典の力(44)忍びざるの心

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第四四弾、孟子から

人には皆、人に忍びざるの心あり。

人には皆、他人に対して「忍びざるの心」がある。

「人に忍びざるの心」とは、他人の不幸や苦痛を見過ごしにはできない同情心を指します。
この心が、誰にも備わっているとしています。

これが、孟子の性善説のきっかけ、根本の言葉となります。

菅首相の「最小不幸の世の中」を目指すのも、不幸を見過ごさず可能な限り不幸を小さくしようとする「人に忍びざるの心」のような考えに見えます。

さて、人を性善説として捉えるか、性悪説として捉えるか、理屈では判然としない部分もあると思います。
動物行動学から考えると、他人の不幸を見過ごさず共感する行動から、性善説の方に分があるように感じられます。また、どちらか一色ということも考えづらいでしょう。

世の中の言説に対して、自分がどうありたいかを選ぶことはできるのではないでしょうか。