古典の力(51)報徳

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第五一弾、二宮先生道歌選から

何事も事足りすぎて事足らず、徳に報ゆる道の見えねば

自分の現状や現在の世の中を当然のように思って不足不満足を訴えること、あるようです。

徳に報いて日々生きる道が見えなければそうなる、とこの歌では示しています。

徳に報いる、徳とは何か?

二宮尊徳は、どんなものにも徳があるとしていました。

恩義や良さと言い換えても良いでしょう。

親や地域、環境、良かったこと、苦い経験、何かしら「恩義」「恩徳」がある。

そして、現在の環境、状況、会社や上司、同僚、部下、お客様、道具にも「良さ」がある。
人であれば尊重できる「人格」、モノであれば使って良さを引き出せる「物格」とでも言える良さがある。

こう指摘しています。

自分を含めて「良さ」を十分に引き出すようにすることができれば、業務や活動は向上します。
二宮尊徳は、お互いの良さ「徳」を引き出す工夫をして、農政の変革を行っていました。

良さを意識する、伸ばす事は現在「ポジティブ心理学」といった分野でも注目を浴びています。