古典の力(63)リーダーの資質

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第六三弾、翁問答から

諸侯卿大夫の第一に守りおこなひてよき事は、謙の一字なり。

諸侯卿大夫、大名や朝臣のことです。現代に言い換えるとざっくりとリーダーでしょう。

リーダーが第一に守るべきことは「謙」である。

このように説いています。

謙、謙譲、謙虚、謙遜ですね。

役どころとして高位にあればこその「謙」なのでしょう。

翁問答、問答部分ををちょっと変えています。その続きです。

我くらいたかきにおごり自満する魔心の根をたちすて、義理の本心をあきらかにし、かりそめにも人をあなどりかろしめず、慈悲ふかく万民をあはれみ、諸士に無礼をなさず、家老、出頭のいさめをよく聞き入れ、我知恵をさきだてず、善をこのむ事は公職をこのむごとく、悪をにくむことは悪臭をにくむごとくなるを謙と言うなり。