対人対応力(3)心理構造分析

円滑なコミュニケーションを考える時、どのような点に注目したら良いでしょうか。

コミュニケーションは、相手があってこそ成り立つものです。

その相手をどのように捉えるかが、大切となってきます。

相手のとらえ方には、いくつもの方法が考案されています。

方法によっては、精密な評価・アセスメントが必要なものもあります。
ここでは、長時間のアセスメントなどを行わずに現場で実践しやすいものをご紹介していきます。

今回は、「心理構造分析」です。

これは、人の心を分析して構造的に捉え、構造の特性を円滑なコミュニケーションに活かそうとするものです。

この、人の心を構造的に分析する方法は、交流分析と呼ばれています。

心理構造分析では、人の心を5種類の要素として分析します。

それは、厳格さのCP、慈愛のNP、冷静さのA、従順さのAC、自由さのFC です。

この心理構造は、詳細にアセスメントを行うと、親や上司などからの影響も踏まえた分析ができます。
しかし、毎度毎度詳細なアセスメントを行うことは、あまり現実的ではありません。

そこで、概略的なアセスメントや言動パターンで類推できる方法もあります。

概略アセスメントと言動パターン分析を実践することで、職場での活用ができる対人対応の方法となります。

心理構造分析を活用したコミュニケーションの一例です。

例えば、上司である自分が厳格な言動が多いとします。ここに、自由奔放に振る舞う部下がいたらどうなるでしょうか。
この場合のコミュニケーションは、円滑では無く、対立などが起こるまずいコミュニケーションのパターンとなります。

心理構造分析を活用するコミュニケーションでは、このような場合でも円滑に指示や対話などが行うことができるようになります。

これが、人の心の構造や状態に対応した対人対応の方法となります。