円滑なコミュニケーションを考える時、どのような点に注目したら良いでしょうか。
コミュニケーションは、相手があってこそ成り立つものです。
その相手をどのように捉えるかが、大切となってきます。
相手のとらえ方には、いくつもの方法が考案されています。
方法によっては、精密な評価・アセスメントが必要なものもあります。
ここでは、長時間のアセスメントなどを行わずに現場で実践しやすいものをご紹介していきます。
今回は、「心理構造分析」です。
これは、人の心を分析して構造的に捉え、構造の特性を円滑なコミュニケーションに活かそうとするものです。
この、人の心を構造的に分析する方法は、交流分析と呼ばれています。
心理構造分析では、人の心を5種類の要素として分析します。
それは、厳格さのCP、慈愛のNP、冷静さのA、従順さのAC、自由さのFC です。
この心理構造は、詳細にアセスメントを行うと、親や上司などからの影響も踏まえた分析ができます。
しかし、毎度毎度詳細なアセスメントを行うことは、あまり現実的ではありません。
そこで、概略的なアセスメントや言動パターンで類推できる方法もあります。
概略アセスメントと言動パターン分析を実践することで、職場での活用ができる対人対応の方法となります。
心理構造分析を活用したコミュニケーションの一例です。
例えば、上司である自分が厳格な言動が多いとします。ここに、自由奔放に振る舞う部下がいたらどうなるでしょうか。
この場合のコミュニケーションは、円滑では無く、対立などが起こるまずいコミュニケーションのパターンとなります。
心理構造分析を活用するコミュニケーションでは、このような場合でも円滑に指示や対話などが行うことができるようになります。
これが、人の心の構造や状態に対応した対人対応の方法となります。
対人コミュニケーションの能力を、基本的な「見る・聴く・話す」に加えて、性格や感性も織り込んだ「対人対応力」として考えています。
対人対応力には、4つの分野があります。
1.心理構造分析
心理構造を分析し、心理構造を考慮したコミュニケーション。
心理構造には、厳格さや冷静さ、自由さなどがあります。
個々人によって、さらに個々人の状況によって心理構造は変化もします。
相手と自分の心理構造を随時分析し理解できると、円滑に対応することができます。
2.コミュニケーション感性
情報を発して受け取る、コミュニケーションに関する感性を考慮したコミュニケーション。
コミュニケーション感性には、視覚や聴覚、体感覚があります。
そして、個々人によって得意な感性、不得手な感性があります。
相手と自分のコミュニケーション感性の得手不得手を分析、理解して、
円滑にコミュニケーションできるようにすると、相手との理解や共感、共有が進みます。
3.協力・自発成熟度分析
協力や自主性に関する成熟度合いを高めるコミュニケーション
人は年齢を重ねると、個々人での程度の差はありますが、自分勝手で力任せな振る舞いが少なくなり、周りと協調するようになってきます。
また、依存的な状態から自主独立するようにもなってきます。
このような、一種の発達や成熟の状態にも対応して、相手との衝突をも考慮して成熟を促すコミュニケーションや考え方ができるようになれば、力を合わせ協調できる人材が育ちます。
4.言動分析
言動から判明する性格に応じた円滑なコミュニケーション
相手の日々の言葉や行動から、馬が合う、もしくは馬が合わないと感じることがあると思います。
馬が合う人、会わない人の言動を分析することで、相手の性格や自分の性格を分析できます。そして、言動からわかる性格を理解することで、円滑なコミュニケーションができるようになります。
G・Shiftでは、チーム力や自主性を高めるサポートを色々と担当させていただいております。
チーム力や組織力、そして個々の方の能力を高めるには、コミュニケーションに関して様々なアプローチがあります。
チームの力を引き出すファシリテーションもコミュニケーションのアプローチの一つとなります。
そして、個々人の個々の人に対するコミュニケーションもその一つです。
チーム力や組織力、または問題解決やビジョン共有、品質向上や営業センスといった分野においても、個々人のコミュニケーション能力は大切な基礎です。
基礎ができていないと、組織力を高めようとしても、問題解決を行おうとしても、お互いの意思疎通や理解、共有が進みません。
個々人のコミュニケーション能力は、「見る、聴く、話す」といった基本的なものだけではありません。
人は誰しも、苦手な相手、馬の合う相手がいます。
苦手にも厳格なものの言い方をする人が苦手であったり、自分と同じような性格の人が苦手ということもあります。
また、話を聞いてすぐわかる人、書いて憶えるのが得意な人もいます。
チーム力という点では、協力関係を築きやすい人や、いつも威圧的な人もいます。
実際の職場におけるコミュニケーションでは、このように一言で「性格」や「感性」とも表現できるところへの対応力も、個人のコミュニケーション能力として重要となります。
このような、個人として相手に対応するコミュニケーション能力を『対人対応力』と呼んでいます。
基本的なコミュニケーション能力に加えて、この「対人対応力」を高めると、単に話したり聴いたりするだけではなく、様々な性格や受け取り方をする人に対して、聴いて伝えて理解や共有共感を育むことができます。