古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。
第五三弾、孟子から
仁は人の安らかなる宅(いえ)なり、義は人の正しき路なり。
仁義こそ、人の安らかなる住処であり正しい道である。
道徳と言わなくても、人に優しく思いやることや人との約束を守ることは大切だと感じている人は多くいることでしょう。
これに相違して、道徳を軽視したり違うことをする人もいます。
どちらの立場を取ることもできるのですが、孟子は道徳的である、仁義に沿うことは人が安らかな家にいるようなものであり、自然なことだとしています。
これに反している人をどのように言っているでしょうか。
言(ものい)いて礼儀を非(そし)る、これを自暴と謂い、我が身は仁に居り義に由(したが)うこと能わずとする、これを自棄と謂う。
道徳を無価値だと言うのを自暴者、道徳の価値は認めても縁遠いと実践を怠るのを自棄者、としています。
自暴自棄の語源です。
自暴自棄の人に対しては、とてもいっしょに居れない、いっしょに仕事はできないと指摘しています。
自分を高めるためには人を選ぶという考え方があります。
自分が善くありたい、ということであれば、自暴自棄にならない、自暴自棄の人に対して避けるのも一つの手段かもしれません。