組織の習い性(17)待てない

組織の習い性習い性、染みついた習慣的な行動様式のことです。

今回は 『 待てない 』です。

日々業務を行っていると、予定通りに仕事が進まないことがあります。

自分で予定を立てても、それを邪魔するかのように次々と仕事が割り込んでくる。
さらに言うと、仕事が割り込んでくるのが当たり前でそれを効率良く短時間で対応してゆく。

こういった状況の仕事が続くことがあります。

「早く」と言われ、「早くしよう」とばかり考えるとどうなるでしょうか。

早いことが判断基準の最優先事項、考える習慣、行動基準になってきます。

そうなってくるとできなくなるのが、早いの逆です。

時間をかけること、待つことがしづらくなります。

何のために早くしようとしているのでしょうか。
早くすることで次のことに取りかかれる。などなどあると思います。
その理由の多くは間違ってはいないでしょう。

そして、時間をかけるのも理由があります。

はいはい しかできない赤ちゃんに「走れ」とせかしても、どだい無理な話しです。
走れるようになるまで待って、歩き方、走り方を順番にできるようになるのを待つしかありません。

「どだい無理」が大切です。
言い換えると、合理的に考えると無理なことが判る、くらいでしょうか。

赤ちゃんでなくて、身近な大人だと「これくらいできて当然」と思い込みが働くかもしれません。

しかし、合理的に考えて無理なのであれば、待つことも手段として必要かもしれません。

待てない、という習い性の裏には、結果を急ぎすぎて少し短絡的な考えで、合理的(もしくは自然な流れ)に沿った考えまでは思い至っていない可能性があります。

処方箋は、何のために、という意識にあるかもしれません。