古典の力(03)思いやり

古典の力古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第三弾、易経の文言伝から

元は善の長なり。君子は仁を体すれば、以って人に長たるに足り。
(げん)

元は万物を生成する始め。季節にすれば春。人間の徳で言えば仁にあたる。仁は人を愛することであるから仁は善の最高、善の長という。
人の上に立つ人は、仁愛(思いやり、慈しみ)を体現すれば人の上に立つ人として足りる。

易経は、中国に4000年も伝わる「時と兆しの専門書」です。
街角で竹ひごの束のような筮竹(ぜいちく)を使って占いをする人のに関係がありそう、、といった連想が浮かぶかもしれません。

易経の中にも、人や組織を高める言葉はたくさんあります。

孔子も仁愛は大切だとは触れていますが、はるかその前に、最高の善とする思いやりを体現した人こそが上に立つ人であると言っています。

上に立つことによる厳しさも、仁愛を踏まえないと人の上には立てないということです。

易経で示される変化の原則、徳は4つあります。 そのうちの一つ目、ものの始まり、生じる春が「元」(げん)です。