組織の習い性(02)他責

組織の習い性現場の声を伺う機会もしばしばあります。
「XXが問題」「改善点はここ」などなど、熱意のある方も多くいらっしゃいます。

場合によっては気になる傾向のコメントが多くあるコトがあります。

「XXのせいで○○できないのが問題」

など、自分ではない 「他者」 のせい  『 他責 』 にしてしまうことです。

例えば「相互に□□の連携が取れておらず、○○できない」という表現であれば、お互いの関係性も考えながら責務を担おうとする態度です。

考え方は、行動やこういった問題を表現する言葉に出てきます。これが習い性かもしれません。

さて、他責の傾向は自分を防衛しているのかもしれません。
そして自分を防衛する原因の多くは「合意」のとれていないこと(業務命令や指示、目標、ビジョン)を無理に「押しつけ」られていることが多いようです。

上意下達で、合意の取れていない押しつけが起こっていることが原因かもしれません。

ちなみに、上意下達が悪い訳ではありません。
職位が上の人ほど業務命令や指示が押しつけを誘発しやすいといった状況があるのかもしれません。

では、この対処法ですが
・職分を考え
・合意や共感(迎合ではありません)を取れるようなコミュニケーションを行い
・自ら動けるような環境を作る

概念的にはこういったことになると考えています。

但し、表題にもある通り「習い性」です。
個人的な「習い性」もあると思います。行動が伴わないかもしれません。
押しつけが『歪み』を生じさせる。職位が上の人が押しつけるほど、全体に歪みが出ることを留意するのが良いでしょう。

では、留意するには、、、と続きます。
留意法(訓練法でも良いでしょう)もありますが、別の機会にお伝えできるかもしれません。

組織の習い性(01)自主性

組織の習い性習い性、誰にでもあると思います。

会社や組織にも「慣例」や「クセ」、「行動特性」といった「組織の習い性」があるようです。

慣例自体は、必ずしも悪いところばかりではありません。

ただ、悪影響が出ているのであれば、行動を直さなければなりません。

そして、直したくてもなかなか治らないのが習い性です。

気付いてゆけば、少しずつ変化できるかもしれません。

直したいのについつい出てしまう 「組織の習い性」 挙げてみます。

●社員の『自主性』を重んじている、自立した行動ができるよう奨励している、といった職場です。

○お話を伺うと、社員の方の意志の忖度があまり感じられず、「XXさせたい。XXさせている。」とのこと。
○社員の方との対話を伺うと、「これは、XXだ。」と決めつけや断定の言葉。

上意下達の習い性が出ているかもしれません。

上意下達も含めて、習い性はいろいろな現象で出てきます。今後も少しずつ挙げていきますね。

ちなみに、習い性が気になって直したいのであれば、行動を自分で意識できれば変化できるでしょう。
あとは、変化を促進させるのに研修を受けるといった選択肢もあります。

ハラスメント(07)大人のいじめ

今日、クローズアップ現代+で、「大人のいじめ」を特集していました。

神戸の小学校の件や介護の現場でもいじめは頻発していると報道されています。

多忙が一つの要因とされており、多忙によるストレスからいじめが多発しやすいということでした。

確かに多忙は重要な一つの要因だと考えられます。番組の終盤で正社員の店長とアルバイトのスタッフ達でたくさんの業務の押し付け合いもあるというコメントがされていました。

そして、業務量が過多の場合も含めた対策としては、まず窓口に相談、というものでした。

間違いではなく、緊急避難として、対処療法としては正しい対策でしょう。

大切なのは、その後緊急避難以外の根本に迫る対策ができるかというところにかかっています。

業務量も含めて、心に余裕を持てる状況ができないといじめが多発する状況は改善しないと考えられます。

では業務量を単純に減らせば良いか、どうかは、当事者の方々の知恵が必要なところとなります。
ハラスメントが起こる状況の問題の根っこの探究ですね。
軽々と問題の根っこはこれです、とはなりません。

もう1点、多忙な状況でいじめをする人もいれば、しない人もいます。
元気を無くしていく人もいれば、そこそこ元気な人もいます。

多分、多忙なのはいじめの起こるきっかけで、いじめを行ってしまったところに焦点を当てるのが良いと考えられます。

いじめを起こさないという「してはならない」は踏まえておいて、「望ましい職場」のあり方を共に思い描いて浸透させて、いじめが起こりにくくなる方が良いアプローチだと考えます。
ビジョンアプローチです。

望ましい職場、どのようなものでしょうか。
自分たちで見いだして、言葉にしないとあまり意味がありませんが、お互いの「尊重」は大切でしょう。

もしも「尊重」などの望ましい状況における考え方と、「尊重」に沿った行動様式を皆ですり合わせていけたならば、組織としてはハラスメントが起こりにくくなるでしょう。
このような活動は、その組織の多くの人が携わると考えられるので、コトを進めるにはパワーも必要でやり方に工夫も必要となるでしょう。

このように、環境を変化させてでハラスメントが起こりにくくする外側からのアプローチ方法がありますが、これだけでは難しい場合もあります。

それは、いじめる側の「悪意」と「心の傷」です。

「心の傷」は、例えば小さな頃いじめられた経験のある人は、されたことをしてしまう、いじめてしまうことがあります。
この場合は、本格的にはカウンセリングの領域になってしまいます。
「悪意」も「心の傷」も、望ましい行動様式へと組織が変わってくると、多少は軽減される可能性もあるでしょう。
いじめる人の心や行動へのこだわりが見えるとさらに別の対応ができるでしょう。

いじめ、ハラスメントは大なり小なり人権侵害と考えられます。

神戸のような状況になったら、処罰や懲戒、いじめを受けた人は避難も重要です。
しかしこれだけでは、職場の風土や関わりはそのままかもしれません。

起こらなくするような衆知を集めることと、多くの人がセルフコントロールができれば、いじめられることも、いじめることも少なくなってくるでしょう。

ハラスメント(06)パワハラの判断基準

前回、ハラスメントの様々な名前を挙げました。
今後、さらに○○ハラスメントは増えてくることでしょう。

 

厚生労働省では、パワーハラスメントの判断基準を次のように挙げています。

 

同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や職場での人間関係などの優位性を背景に、業
務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える行為。

 

これを分解すると、3要素に分かれます。

 

優位的な関係を背景とした言動である

業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの

労働者の就業環境が害されること

 

そして、この判断によるパワーハラスメントの行為を6種類挙げています。

 

・身体的な攻撃
・精神的な攻撃
・人間関係からの切り離し
・過大な要求
・過小な要求
・個の侵害

 

さて、この判断基準でも判らないことが出てきます。

 

優位的な関係とは何?
業務上必要かつ相当な範囲とはどこまで?
等々

 

後の記事に譲るのですが、リーダーや管理職、幹部の方の悩みのひとつに
「強制的に言ったら、パワハラに当たるかも」という思いがあります。

 

また、社員や職員の立場では「強制的に言われたからパワハラだろう」と考えてしまうこともあります。

 

厚生労働省では、パワハラには当たらない事例なども出てきています。
多くのハラスメントが定義され叫ばれるようになり、多くの例も出てくるようになりました。
基本的な考え方や事例に触れることでハラスメント対応への理解も進んできます。

 

パワハラの判断基準や対応を実践的に活かすには、基礎的な知識や事例の理解だけでは足りません。
上記の判断基準を実際に検討してみることが有効です。
大人数で考えをぶつけて、実際の事例などを仕分けることで、実践的な判断や基準の共有につながります。

 

さて、対処療法としてハラスメントの判断基準や事例を理解するのも、ハラスメントに対応する方法の一つではあります。

しかし、根本的には人と人との関わりや会社や組織における仕事への関わり、人や仕事、お客様への尊重といった心構えに行き着きます。

 

会社の現状はすぐには変わりません。
また、法令への適応も必須になってきています。

 

法令など定められた対応だけ行い、ハラスメントが起こった時の対処だけ行えれば良いという考え方もあります。
しかし、これでは働きやすい職場への道は遠くなってしまうでしょう。

 

ハラスメントへの対応が叫ばれている現状を良い機会として、働きやすい職場づくりに取り組む方法もあります。
対処もきちんと行い、人や仕事へのかかわりから見直すことで、働きやすい職場に近づいてきます。

 

ハラスメントは症状、表われの一つです。
症状を判断する知識を身につけ、さらに根本の原因を探求してみてはいかがでしょうか。
基礎知識や判断の実践、根本の原因への探求など、ジーシフトの取り組みもご参考として下さい。

ハラスメント(05)いろいろなハラスメント

ハラスメントと聞いて、何のハラスメントをイメージするでしょうか。

パワハラ、良く聞きます。  パワーハラスメントですね。

セクハラ、これがハラスメント関係の最初の言葉かもしれません。セクシャルハラスメントですね。

そして、

マタハラ、妊娠などに起因する不利益な扱いですね。マタニティハラスメントです。

他にも色々あります。上記3つも含めると、

パワーハラスメント
セクシャルハラスメント
マタニティーハラスメント
モラルハラスメント
ドクターハラスメント
リストラハラスメント
スモークハラスメント
アカデミックハラスメント
カスタマーハラスメント

キリがありません。

状況によって、ハラスメントは出てきます。
嫌がらせだと感じたら、いろいろな名前がついてハラスメントとなるでしょう。

現象が起こるので対応、も必要ではありますが、重要な取り組みではないでしょう。

そもそもハラスメントがおこる環境や関わりからアプローチすることが大切だと考えてます。

ハラスメント(04)ハラスメントの法令

ハラスメントという言葉が、報道などでも数多く出てくるようになりました。

来年2020年4月からは、大企業はハラスメントの対策が必要となってきます。

対策が必要になるということは、法律で定められています。

その法律とは、

労働施策総合推進法

です。

正式名称は、

労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律

となります。(長いです)

この法律が2019年5月に改正され「改正労働施策総合推進法」となりました。

この中でパワハラの定義と防止も義務づけられるようになり「パワハラ防止法」とも呼ばれています。

改正労働施策総合推進法の30条の2第1項の条文です。

パワハラの定義は、「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって,

業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されること」

となります。

就業環境が害されるといったこととないように、相談などの措置を講じることが規定されています。

ハラスメント(03)ハラスメントへのお悩み

ハラスメント研修などで伺うお悩みや問題意識には、様々なものがあります。

実際にハラスメント、パワハラなどがあるのであれば、それは重大事です。
研修やコンサルティングではなく、別の緊急対処が必要となるでしょう。

しかし例えば、次のようなことに悩んでいる方もいらっしゃいます。

「言いたいことが言えなくなった」などの悩みです。

これはパワハラになるのだろうか

昔の対応ではだめなのだろうか

と感じて、「どうしよう」と悩む状況になってしまいます。

他にも、状況によっては体制整備やメンタル面などで悩む方もいらっしゃいます。

お悩みには多くの場合共通点がありますが、素直に解決に向かうことができる悩みもあります。

基本的な知識の理解はもとより、ご自身の考え方、言動、判断、相手からの言動の感じ方、相手や環境への働きかけを変えることで解消出来る悩みも多くあります。

自分の行動変容で悩みが消える、軽くなる、悩まないで、相手や取り組む仕事と向き合えるようになるでしょう。

自分が働きかけることで、相手や環境も少しずつ変わることでしょう。
少なくとも相手や環境への自分のものの見方は変わってきます。

ハラスメント(02)ハラスメントとは

ハラスメントとは何でしょうか?

最近では、パワハラ、セクハラなど、報道やドラマなど多く目にするようになってきました。

一般用語としては次となります。

ハラスメント Harassment   迷惑行為や嫌がらせ

意図して行ったとすればもちろんのこと、意図しないで行ったことでもハラスメントにはなり得ます。

そして、暗黙で隠れていることがあります。

実は行ったことを指すのではありません。

行為をされた側が、嫌がらせと感じるとハラスメントとなってしまいます。

行為の受け手の感じ方、考え方に多くが委ねられていることが注意点となります。

行為する人、される人、そして職場などの環境、こういった要素がハラスメントには関係してきます。

ハラスメントと言われたらどうしよう、といった悩みを伺います。
知識としてのハラスメントの理解も大切ですが、受取り方、感じ方、関係性、考え方が理解できると、むやみに悩まないようになります。

対処療法や緊急避難的な対策も大切ですが、同時にハラスメントが起こらない本来望むべき姿となる対策を重ねることも大切です。

人には欲求や感情があります。社会人生活を送る上ではそれぞれに役割や責任もあります。日々の仕事は量や難しさ、納期や協力関係も必要となります。

法令で定められた整備は行った上で、人との向き合い方、仕事との向き合い方、組織や上司の考え方や習慣・特性などを振り返って、明るく働きがいのある職場を目指すことは、ハラスメントを気づかないうちに克服できる急がば回れの手法となるでしょう。

ハラスメント(01)ハラスメントの起こらない職場へ

ハラスメントへの対応へのご相談、研修を多く伺うようになりました。

働く場、会社や組織で働く皆さんの様々な思考や、行動、協力手法、コミュニケーションなどの向上、働きやすい職場へのサポートを15年続ける中で、ハラスメントへの対応も多くなってきております。

ハラスメントが起こる職場は、働きづらい職場と言っても良いでしょう。
ハラスメントが起こらない、働きやすい組織や職場へのヒントとなればうれしいです。

実際の弊社のハラスメント研修で、ハラスメントに関する問題点や困り事も元に綴って参ります。

G・Shiftの得意分野は実際の思考と行動、つまり現場実践です。

知識や法令の情報の伝達だけではなく、実際の考え方や行動、そして人と人との関わりの感じ方や捉え方、といった側面の話題もお伝えします。

SDGs(持続可能な開発目標)においても、働きがいのある人間らしい仕事が行えるというところに目標が置かれています。国際的にも働きやすさは重要視されてきています。

.組織風土づくり(05)心理的安全をつくる

組織風土づくりの5回目です。

組織風土を自分たちでつくる際、土台となる大切なことがあります。

 

信頼

 

です。

 

お互いを信じることができ、安心して働くことができる環境を少しずつ創り上げていくことです。

 

これは、最近注目されている「心理的安全性」でもあります≪参考:心理的安全性

 

また、心理的安全性を高めることは、成功循環モデルにおける第一歩「関係の質」を高めることに他なりません。

では、どのように心理的安全性・関係の質を高めるのが良いでしょうか。

 

まずは、自分たちがどの程度の心理的安全を持てているかを理解することが大切です。

 

お互いが安全とは感じられない、落ち着かない、とげとげしい環境である時は、心理的な安全を感じられるちょっとした第一歩を広めるところから始めるのが良いでしょう。
例えば、毎日周りの状況を確認しあうアイスブレイクの様な手法で関係性を徐々に育むといったことです。

 

また、対話型の組織開発手法を活用して、全員やリーダー層など大人数でお互いの状況や思い、目的などを共有すると同時に信頼感を一気に醸成するのも、スタートアップやスキル習得などの勢いをつける一つの方法です。
例えば、関係性を育み思いやビジョン、悩みなどを共有したい人が集まり思いを率直に伝え合うといったことです。

 

さらに、継続的な取り組みに向けて個々人のコミュニケーション手法やリーダーシップのあり方など、関係性に関わる方法を見直し変えていくことも有効です。

 

大切なのは
・段階を踏んで関わりを深める
・一人でなく仲間を増やす
・ワークショップや研修だけでなく、普段の業務を通じて地道に行う
ことです。

 

組織などの状況や、何のためにいつまでにどのような関係性(心理的な安全)となっていたいかによって、とりうる手段は様々です。

 

メンバーとして、リーダーとして、管理職として、社長としてなど、どのような立場で心理的安全、関係性の向上にかかわるかを意識して取り組んでいくのが良いでしょう。