AI:アプリシエイティブインクワイアリ

AIは、人財や組織開発の分野では「アプリシエイティブインクワイアリ」の略称で有名です。
  (AI:Appreciative Inquiry)

組織の真の価値、核になる良さを自分たちで探して見つけて未来をに向けて行動する活動手法です。

活動は、部門横断となることも多く、組織開発手法としても多く使われています。

弊社でも15年以上活用しています。

この方法は、肯定的な質問を行うことで組織の真の価値を発見して、可能性を広げる方法です。

提唱は、1987年にデービッド・クーパーライダー、ケースウェスタン大学教授、そしてダイアナ・ホイットニーらによって行われ、英国航空やNASA、ボーイング等に導入がされています。

ネーミングの通り、価値を認識して探求する方法であり、未来志向(ビジョンアプローチ)の方法と言えるでしょう。

問題点を問題点として把握し解決する問題解決志向(ギャップアプローチ)ではありません。
問題点は認識しておいて、そのゴールとなる未来を目指して問題そのものも解決しようとする方法です。

AIの大まかなプロセスは4段階となります。
頭文字をとって、4Dサイクルという呼び方をします。

ディスカバリー(発見) ← テーマの選択(アファーマティブトピック選択)
  ↓
ドリーム(夢)
  ↓
デザイン(設計・構成)
  ↓
ディステニー(運命、実施と対応)

この4サイクルを循環させてゆきます。
ディスティニーは、現場での継続的な行動や活動になります。

さて非常に有用なAIですが、ドリームからデザインまで、通常おおよそ4日かかります。これは、長いようで真の価値、強みを見つけて夢に合意した後で計画を立てる、AIのフルコースとしては必要な日数でしょう。

組織の真の価値や強みが見つかり参加者が共有できるのであれば、4日はかかりますが、非常に効果の高いプロセスだと考えられます。

問題が発生し、解決への組織力アップを依頼されることも多いです。
どうも問題点を問題点とだけ捉えると、問題にばかり焦点が当たって視野が狭くなり、問題への言い訳や他人のせいにすることも多くなり、やる気も低下するきらいがあります。

AIのアプローチでは、問題は十分に踏まえますが未来の様子(ビジョンでもゴールでもドリームでも結構です)と強みを意識します。そうすると、気がつかなかった方策や再認識した強みをもとに、高まったやる気で行動ができます。

未来を創造する手法、フルバージョンや短縮版など用途目的に応じて様々な研修で活用しています。

2021年8月2日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko