無意識の倫理違反を防ぐ

無意識もしくは物事をつい軽く考える際に倫理的な違反・過誤が起こることがあります。

例えば、何か数量を報告しなければならないとき、

「多めに言った方が自分に有利」

「少なめに言った方が有利」

とつい思いがちになりそうな場合が、日常のちょっとした場面であると思います。

何も害がなければ、話を盛った ということで笑い話程度で済むかもしれません。

しかし、その数量が正確でないと、報告された側の判断に影響したり、公平では無くなったり、罪を負うことになることもあります。

この 「 ちょっとした気まぐれや出来心 」で倫理違反をしてしまう、
ことに対する防御策があります。

完全に防ぐことは難しいようですが、「気まぐれや出来心」を起こりにくくする方法です。

それは、署名をさせるという方法です。

「倫理違反をしていない」といった文言に続いて、自筆の署名をさせることで防御します。

さらに、その署名の書き方を工夫することで倫理違反を防ぎます。

このような、人間の自然な、もしくは無意識の認知を助ける方法を「認知修復」の方法と呼びます。

人間の認知を助ける研究・認知修復の研究は最近進んできており、倫理違反の起こりそうな場面に対して活用することで、

気まぐれ
出来心
魔が差す

といった≪魔の時間≫に、「少し思い起こす」(認知を修復する)ことで倫理違反を減らすことができます。

倫理教育では、規範的なこと、事例、規範に違反することで何を引き起こすかといったことを学ぶことで倫理性を高めようとすることも多いと思います。

知識や倫理意識を持てるよう対話する方法も大切なのですが、集合研修をあまり高くない意識で学んだり、e-ラーニングをながら見で学んだことにすることもある中で実際に倫理違反を減らすことを考えると、人間の認知など様々な方策をとっておくことも効果があると考えられます。

2021年8月17日 | カテゴリー : 基礎知識 | 投稿者 : hiko