組織は様々な目的や目標、価値観を持って日々事業活動を行っています。
事業活動を行うのは人です。
組織の人々は、組織の価値観に影響された行動や判断に基づいて活動を行います。
ひとつの組織においても、営業部と開発部の価値観は少し違うかもしれません。
違っていた方が営業部が有効に機能する、開発部が有効に機能することにつながり、さらに組織としての共通の価値観を持つことで会社としての一体感が育まれます。
組織が目的に沿って一体感を持って活動するには、自分の組織の価値観や行動様式、つまり「組織文化」を計測して組織としての共通の価値観を理解することが重要です。
さらに、各部署として理想的な組織文化やマネジメントスキルを醸成すると、各部署が効果的に連携できます。
さて、自分の組織の「組織文化」がどのようなものであるか理解する方法は世の中に各種あります。
世界的に数多く活用されている組織文化の考え方の一つに、アメリカ ミシガン大学のキム・キャメロン教授の方法があります。
キャメロン教授は、組織文化を次の4種類の強弱と規定しています。
家族文化 組織の柔軟性や人々・顧客への気遣い、組織内部の維持の重視
イノベーション文化 柔軟性・革新性が特徴的な組織外でのポジションを重視
官僚文化 安定と統制の必要性を強く認める、組織内部の維持を重視
マーケット文化 安定と統制の必要性を強く認める、組織外でのポジションを重視
キャメロン教授の手法の優れた点は、比較的シンプルな質問手法で組織文化を計測し、その組織の理想的な組織文化に向けたマネジメントスキルを定めて人員を育成し、組織文化の変革を目指すことができる点になります。
計測した組織文化やマネジメントスキルは、現状や理想、業種の平均像との図示による比較で直感的に理解し実践に活かすことができます。
例えば、チーム活動を重要視したい部署では、「家族的文化」の側面として「支援的な態度で相談に乗ることができているか」に注目して不足しているようであれば、支援的な態度や相談の能力を向上施策に力を入れる対応を行う、といった具合です。
そして、一定期間後に再度組織の状況評価や計測を行うことで理想的な会社や部署としての組織文化が醸成されたか否かを理解することができます。
この手法は、組織の成功循環モデルに沿ったマネジメントも行うことができます。
さらに、倫理性を高めた組織やリーダーを目指すのであれば、倫理的な組織環境で世の中の役に立つ事業活動を行うためのリーダーシップとなる「コモングッド型リーダーシップ」を導入することができます。
組織文化の種類やマネジメントスキルなど、別の機会に解説を進めていきましょう。