ファシリテーションに限らず「観察する」ことは非常に大切です。
では、何を観察していますか?
もしかすると、観察ではなく傍観になっているかもしれません。
特に、ファシリテーションを意識して観察についてまとめます。
観察とは
物事の真の姿を間違いなく理解しようとよく見る。
(広辞苑)
漢字に着目すると次のような意味があります。(広辞苑、常用字解)
観
自分の目で実際に確かめる。転じて、自分の判断で処理する意。
みる、みきわめる。くわしくみる。
察
おしはかって考える。おもいやる。同情する。詳しく調べる。(広辞苑)
うかがいみる、みる、あきらかにする、あきらか、かんがえる。
さて、ではファシリテーターとしての、もしくはワークショップや話し合い、研修などの進行役における観察とは何でしょうか。それは、以下のように定められます。
観察
『場の進行、状態の真の姿を理解して(観る、察する)、場の支援と促進に活かす』こと
ということで、ファシリテーターの観察について触れてゆきます。
特にファシリテーターの観察はどのようなところに焦点を当てれば良いでしょうか。
それは、大きく3つにわかれます。
一つ目は、 運営に関することです。
色々な視点で、進行や運営がうまくいっているか、ということを観察します。
二つ目は、 意思形成に関することです。
どのような意思形成の枠組みとやり方をしているかを観察します。
三つ目は、 コミュニケーションです。
チーム、グループ内でのコミュニケーション、そして一人一人がどのようになっているかを観察します。
さて、上記はグループワークをベースとした研修やワークショップに馴染みやすい分け方をしてます。
しかし、職場のグループ運営、チームリーディング、リーダーとして観察するポイントとも言えます。
リーダーシップを身につける際、「○○に気をつけましょう」という注意があったとします。
この場合、○○は観察する事柄ともなります。
この項、ファシリテーター、特に話し合いのファシリテーターとしての観察を主に扱いますが、研修講師、リーダー、管理職、そして参加者としての観察とも通じます。
ファシリテーターの観察するポイントです。
リーダーや管理職、そして参加者の立場でも観察すると得るところがあるでしょう。
観察のポイント 1番目は 運営に関することです。
運営に関する観察ポイント 例えば次のような点です。
目的・テーマ・目標
目的・テーマ・目標について、共有できているか、どのような状態か
プロセス
現在の状態がプロセスのどこにいるか、それをだれが意識できているかなど
時間
時間に対する意識を持っているか、だれが意識できているかなど
運営に関する観察ポイントとしては上記のような点に留意すると、話し合いの進行当や研修チーム活動が円滑になるでしょう。
実際に観察を活かすには、上記のポイントを具体的に評価して、介入に繋げます。
ファシリテーターの観察ポイントです。
リーダーや管理職、そして参加者の立場でも観察すると非常に得るところがあります。
観察のポイント 2番目は 意思形成に関することです。
意思形成に関する観察ポイント 例えば次のような点です。
意志決定
意志の決定方法はどのように進んでいるか、独裁的か、民主的か、決められないかなど
ルール
運営や意思形成における決め事、ルールがあるか、守られているか、だれが意識できているかなど
意思形成に関する観察ポイントとしては上記のような点に留意すると、話し合いの進行当や研修チーム活動が円滑になるでしょう。
上記のポイントで全てではありません。皆さんで思いつくこともあるでしょう。
観察した結果は、上記のポイントを評価して介入を行うようになります。試してみて下さい。
観察のポイント 3番目は コミュニケーションに関することです。
コミュニケーションに関する観察ポイント 例えば次のような点です、抜粋してみます。
グループの様子
真剣さ、信頼感、発言の偏り、沈黙時の様子 など
個々の様子
参加の度合い、発言の回数、表情、感情 など
黙って観察をしてみると、多くのことが起こっていることに気が付きます。
当事者として話し合いに入っていると、慣れないうちはどうしても気が付きません。
普段見過ごしてしまいそうなことに焦点を当てて練習をすると、、、、「気づく」ことが多くなってきます。