サーバントリーダーシップ(11)人々の成長

サーバントリーダーの10の特徴についてコメントしています。

9番目は、人々の成長に関わる Commitment to growth of people です。

言葉を確認してみましょう。

commit  コミット は、英和辞典だと、関わる、罪を犯す、確約する といった意味です。

コウビルドでは、この使い方がしっくりきます。

If you commit yourself to something, you say that you will definitely do it. If you commit yourself to someone, you decide that you want to have a long-term relationship with them.

長いつきあいをしようと決める、考える、といった感じです。

ということは、9番目の特徴は、

人が成長するということに対して気長に、地道に関わるということですね。

サーバントリーダーの特徴、いくつも見てきました。
先頭を切ると言うより、後ろからサポートして皆が自分の力を発揮できるように立ち回る。

それは、メンバーの潜在能力を信じて、潜在能力を発揮できるようにもしています。
それはとりもなおさず、メンバーが成長して、伸びて成果が上がるということです。

リーダーは、よい後継者を育てるのも仕事です。

社長の仕事は次の社長を育てること、ということも良く聞きます。

サーバントリーダーの特徴として、スピアーズは人を育てるといった部分にも着目しています。

サーバントリーダーシップ(12)コミュニティづくり

サーバントリーダーの10の特徴についてコメントしています。

最後の10番目は、コミュニティづくり  Building community です。

言葉を確認してみましょう。

コミュニティ、community という言葉、よく聞きませんか。

地域コミュニティ、SNSのコミュニティ などなど、、、

 広辞苑では、

コミュニティー【community】

・一定の地域に居住し、共属感情を持つ人々の集団。地域社会。共同体。
・アメリカの社会学者マキヴァーの設定した社会集団の類型。個人を全面的に吸収する社会集団。家族・村落など。
・一地域内に何らかの関係をもって生活するすべての生物個体群。生態学の研究対象。植物だけの場合には群落という。

コウビルドでは、

community

The community is all the people who live in a particular area or place.
A particular community is a group of people who are similar in some way.
Community is friendship between different people or groups, and a sense of having something in common.

居住地も含めて、「同じ」といった感覚を持てる集団といったところでしょう。

広辞苑では、共属意識と表現されています。
共続意識を持てる集団、とはかなり難しい表現です。

私たちは、コミュニティとは「居場所」のようなものと考えています。

さて、サーバントリーダーにおける10番目の特徴、コミュニティづくりとは、

組織の目的や目標へと向かうことのできる仲間意識作りができること、です。

仲間意識ができる結果、仲間のいるところの居場所ができます。ちなみに、居場所作りでは、ちょっと見当がつきませんね。

さて、コミュニティ作りが特徴としてあげられる理由です。
グリーンリーフが直接触れている訳ではありませんが、組織が向上するには学び続けることが重要だということが判ってきています。

学習する組織です。

また、正統的周辺参加、実践コミュニティ(コミュニティオブプラクティス)といった考え方があります。
組織が成果を上げる方法として、指示命令系統ではなく、ゆるやかなコミュニティ作りを行うといった方法をとる考え方です。
実践コミュニティが形づくられるためには、お世話をする人が必要です。
サーバントリーダーには、実践コミュニティと厳密に当てはまるかは別として、仲間意識を育むことが必要とされています。

サーバントリーダーシップ(13)見つける

サーバントリーダー、最近注目を浴びています。

導入という考え方が妥当かは判りませんが、自分のところに導入したいということもあるかもしれません。

カタカナだと判りづらいですね。

せっかく、日本で活用するのであれば、自分でわかるように咀嚼することが必要でしょう。

サーバントリーダー・・・という考え方の内容を学んで、自分たちでどうあれば良いか、以下は一例です。

サーバントリーダーの特徴、10個あります。

1.傾聴  Listening
2.共感  Empathy
3.癒し  Healing
4.気づき  Awareness
5.説得  Persuasion
6.概念化 Conceptualization
7.先見力・予見力 Forsight
8.執事役  Stewardship
9.人々の成長に関わる  Commitment to growth of people
10.コミュニティづくり  Building community

ちょっと言いかえてみます。

話を良く聴く
共感する
相手や組織の具合の悪いところを手当てできる
気づきを大切にする
説得して行動させる
思いを見えるように語ることができる
先を見通す力がある
任せられる信頼感がある
人の成長を促す
居場所・仲間作りができる

ちょっと言い回しがこなれていないかもしれません。

ここでやりたいのは、言い回しを変えるだけではありません。

こういったことが出来る人、思いつかないでしょうか。
歴史上の人物、自分の先輩、知人、家族、、、、

その人が先達かもしれません。

サーバントリーダーの先達を見つける、身近に思える人で見つける。

カタカナの概念、カタカナのままで有り難がっているだけでは変わることができません。

こういった第一歩もあります。

サーバントリーダーシップ(14)育む(傾聴)

サーバントリーダーを育てる、増やす、こんな動きが広がってきています。

放っておけば育つか、、、と言われると、そうではないでしょう。

サーバントリーダーを育てるため、、、と大上段にならなくても、

活力のある職場にするためのリーダーシップ を学ぶ会とか勉強会、研修会などで

例えば、サーバントリーダーの特徴の第1である、傾聴を学ぶのであれば、

傾聴とは何か
自分たちの職場では、人の話をどのように聴いているのか
聴くと何が良くなるのか、
我が社ではどのような変化が起こりそうか

こういった話題に加えて、 具体的な傾聴の方法 と 現場での実践計画

といった感じで、学んで、実践することを繰り返すことでサーバントリーダーは育ってゆきます。

別にサーバントリーダーになるのが、業務の目的では無いとも思います。
カタカナが判りづらければ奉仕型でも支援型でも現場活性型でも結構です。

サーバントリーダーになるための学びを行うと、自分が引っ張るのではなく、みんなで自律的に活躍できる、そして結果として会社が伸びる組織となる、このようなタイプのリーダーが育ちます。

傾聴の方法だけをスキル研修するよりも、育ってゆくためには以下をポイントとした学びが大きくなります。
・リーダーとして傾聴することで周りがどのように変わるのか
・知識(今回は傾聴)と現在の職場を結びつける機会
・実践に結びつく具体的な行動を促す工夫(計画や行動への動機付け)
・実際の行動へのフォローアップ(実践後の振り返りを共有する

勉強会などを実施する際は、留意した方が良いでしょう。

サーバントリーダーを育てる、ための勉強会のプラン案を10の特徴に従って展開してみましょう。
今回は傾聴でした、次は共感ですね。

サーバントリーダーシップ(15)育む(共感)

サーバントリーダーを育てる、増やす、こんな動きが広がってきています。

サーバントリーダー、もしくは奉仕型、利他的にも動けるリーダーです。

一つ一つの特徴、要素を伸ばす方法はあります。

今回は、共感について

相手の立場に立とう、とは良く聞く言葉です。

例えば、お客様の立場で考えよう、といった具合です。

こういった時に体感でも判る方法を使ってみるのも一手です。

子どもの立場、を判るためには、、、、、足をたたんで(しゃがんで)、手も短くしてみる。
目線が下からですね。手の届く範囲も狭いです。

高齢者の体の動きを体験できる衣類もありますね。

共感する力を磨くには、他の方法もあります。

自己移入して感じる

という方法です。

書くと単純ですが、

他人の立場や感情を「考える」ではありません。
どちらかと言えば、他人の立場や感情を「感じる」ということをじっくり行います。

他人の言説を理解したり、説明する、反論することは多いかもしれません。
それは、自分の理解の範囲、自分の価値観、自分の枠組みで考えるということです。

自分よりも他人の枠組みや立場で考えるきっかけは、例えば

同じ物事について多くの人の感じ方に触れる方法  や
じっくり対話する方法 また
状況を想定して、その状況について感じてみる方法

などがあります。

普段の生活の中でも、研修のように段階をふんで共感する練習をしてみるのも良いでしょう。

共感しすぎて我を忘れてしまっても良くありませんが、他人が別の感じ方をしていることを、「頭」ではなく「体」で感じる機会が多いほど共感する力は養われます。

サーバントリーダーシップ(16)育む(癒し)

サーバントリーダーに見られる特性を伸ばす。

特性に着目して、伸ばす方法について触れて行きます。

今回は、癒し について。

サーバントリーダーの特性として、一人一人のコトや、チームなどのうまく行っていないところを手当てすることが挙げられます。

この特性は、どのようにすれば伸びるでしょうか。

癒すから何がイメージできるでしょうか。

一つの答えは、慈愛に満ちた母の心持ち、といったところでしょう。

TA(交流分析)で言うところの、NP(NutueringParet)「優しいお母さん」の心の状態です。

他にも、癒しからどのような言葉が出来るでしょうか。

例えば、思いやり、いたわり といった言葉が連想出来るでしょう。

優しい、思いやり、いたわり  といったことをキーワードどしてこういった心持ちになる気持ちや行動が出来るような配慮を行うと、癒しの特性は伸ばせます。

具体的には、
「~してあげましょうか?」などの問いかけを増やす。
他人が求めていること、して欲しいこと(ニーズなど)を自分のして欲しいことと同じくらい大切に考える。

など、様々なアプローチがあります。

サーバントリーダーシップ(17)育む(気づき)

サーバントリーダーに見られる特性を伸ばす。

特性に着目して、伸ばす方法について触れて行きます。

今回は、気づき について。

「盲点」といった言葉があります。

人の見落としがちなところ、という意味です。

見落とす、見落としがちということは、見落としていない、気づいている人もいます。

では、気づくためにはどうすれば良いか

考え方としては、例えばラジオを考えてみましょう。

放送を聞くには、

  アンテナを広げて設置する。

  ラジオをチューニングする

これで放送が聴けます。最近は性能の良いアンテナでチューニングも全部自動だったりします。

私が中学校の頃は、BCLなんて流行っていました。(現在では死語でしょう)
世界中の短波放送を日本で聞いてわくわくしたものです。
このとき設置したアンテナは、ちょっと長めに張って20メートルくらい渡していました。
ラジオもそのままだと「ザー」という音だけです。

微弱な電波を大きなアンテナで受け止めて、ダイヤルを回してチューニングします。
最近では、小さな強力なアンテナで、自動的にぴったり受信します。

話を戻しましょう。

見落としがちな人は、気づきのアンテナの性能を良くしなければなりません。
また、気づきの対象を拾うことができるようチューニングをしなければなりません。

アンテナとチューニング、磨くことができます。

例えば、1点をずっと観察する練習、そして1点だけではなく全体を同時に観察する練習。

対象は何であれ、このような練習をすると気づきの力は高くなってきます。