質問(06)質問を分けてみる

質問について、第6回です。

質問にも様々あります。ある程度分けることを考えてみましょう。

質問とは、質問者が欠けている感じている事を埋めようとする、ことです。

かけているとは、疑問だったり、知識の不足などだったりします。

これはいつ起こったの?   状況を確認する情報収集の質問です。

なぜそんなことをしたの?  理由を問いただす質問です。
   (どちらかと言うと原因ですね、しかも問い詰めに聞こえます)

私たちはどうしたら良いだろう? 自分・自分たちで探る・生み出すような質問です。

(親が泣いている子どもに) どうしたの?  状況もですが、感情も聞いて、質問の形で安心させています。

などなど、まだあるでしょう。

状況を確認する質問としては、5W1Hなどを駆使することもありますね。

対話が深まることを体験すると、状況を確認する質問から、自分たちで意味や意義を深める質問へと移ってゆくのが判るでしょう。

質問の分けるにも、何を聞く、どういった状況で聞く、どのような心情で聞く、どんな流れ(プロセス)の中で聞く、どんな立場で聞くといった分け方ができます。

自分がよく使う質問も、種類分けをするとばっちり「ピントの合った」質問ができるようになるでしょう。

2018年1月23日 | カテゴリー :

質問(05)誰のため

質問質問の5回目です。

その質問、期待した返答があると満足かもしれません。

そこで、ちょっと立ち止まってみましょう。

その質問は、誰のための質問でしたか。

・XXXの知識が無いので教えてほしい。

 →質問で、自分の知識不足を埋めています。

・プロジェクトの状況がどうなっているのか教えてほしい。

 →質問で、プロジェクトの進捗状況に対する情報不足を埋めようとしています。
  ひょっとすると、進捗遅れなどがあるのは知っている上司が、部下に進捗遅れの
  原因分析をすることを気づかせる質問にもなっているかもしれません。

・XXXをどう思っていますか。
  
 →質問で、相手の意見を引きだそうとしています。
 意見を引き出して、自分の意識とすりあわせた上で話は展開してゆくでしょう。
 やはり、自分のためのようです。

質問は、種々あります。

その質問は、誰のためでしょうか。

一つの答えは、「発問者のため」 つまり『自分のため』でしょう。

ただ、
自分の知識だけのためか、
相手を慮るための自分の行動を満たすためか、
場の目的のために場の流れを変えようとする自分の行動を満たすためか

などによって、誰のためという意識は違ってきます。

自分のためだけの質問、、、ばかりよりは、他の人のためを考えた質問を心がけてはどうでしょうか。

2016年6月15日 | カテゴリー :

質問(04)立場

質問質問、その4回目です。

質問を発するとき、何かをしたいから質問をしています。

そして、そもそも『何のため』に質問をするのかを意識した方が良いでしょう。

何のためかは『自分の立場』を意識すると良いです。

自分は新人だから、仕事のやり方の細かいところまで質問する。
自分はエンジニアで、発注された機械部品の大きさを決めているが、お客様の用途が判った方が良いものができるので用途について質問する。

といったように、状況によってゆるやかに、そして急激に変わる自分の立場に応じた質問を意識してみてはどうでしょうか。

自分は、基本的にどのような立場か
そして、今何をする立場で質問を発しようとしているか

自分自身に一瞬問いかけた後で、発問してみてはいかがでしょうか。

2016年6月15日 | カテゴリー :

質問(03)何をしたい

質問質問、その3回目です。

質問、

もしかすると毎日質問しながら暮らしているかもしれません。

そもそも、質問とは何かを考え始めると深いテーマのようです。
判るところから整理をしてゆきます。

さて、日々質問をするときは、どのようなタイミングでしょうか。

判らないことがあった
人に気づかせるため
注意を促す
 等々あるでしょう。

質問をするとき、

「私は、これ、をしたいから質問する」というように

『何をしたい』かを思い浮かべた上で質問をすると良いでしょう。

なんとなく、ではなく、何をしたいから出発すると問う内容が変わってきます。

2016年6月15日 | カテゴリー :

質問(02)定義

質問、その2回目です。

今回は辞書的な定義を整理してみましょう。

質問

疑問または理由を問いただすこと
(広辞苑)

質す
・問うてたしかめる。質問する。
・罪過の有無を追及する。詮議(せんぎ)する。  等
(広辞苑)


斤(おの)と鼎の形。鼎に二ふりの斤で鼎に銘文を刻みつけること、銘刻して約束すること。
刻み込んだ契約の基本になるものであるから本質といい、基本にさかのぼって事を問うことを質問という。
(常用字解)


門と口を組み合わせた形。口は神への祈りの文を入れる器の形。門は神を祭る戸棚の扉の形。
扉の前で神意を問い、神の啓示を求めることを問と言う。
(常用字解)

質問に関係する言葉は他にもあります。
尋ねる、訊く、質す などです。言葉によって微妙に感触が変わりますね。

さて、英語にすると以下のようになると思います。

question
・A question is something that you say or write in order to ask a person about something.
・If you question someone, you ask them a lot of questions about something.
・If you question something, you have or express doubts about whether it is true, reasonable, or worthwhile.
  等々

inquiry
・An inquiry is a question which you ask in order to get some information.
・An inquiry is an official investigation.
・Inquiry is the process of asking about or investigating something in order to find out more about it.

query
・A query is a question, especially one that you ask an organization, publication, or expert.
・If you query something, you check it by asking about it because you are not sure if it is correct.
・To query means to ask a question.
(以上 Collins COBUILD)

今回は、質問に関する言葉の定義をまとめてみました。

日本語と英語、そして質問で英訳される単語間でも微妙に意味が異なるようですね。

2016年6月15日 | カテゴリー :

質問(01)質問とは

質問質問についてまとめてゆきます。まずは第1回。

普段質問をするとき、どのような感触があって質問をしているでしょうか。

「何となく」
「知りたくなったから」
「相手が知らないことを質問で気づかせてあげようとした」
「詳細を知らないと判断が下せない」

等々あるかもしれません。

心理学の世界では、

 人は欠けているものを埋めたがる性質

があるとしています。
言い換えると
 
 全体としてまとまっているものを好む

ということです。

この、全体のことを 「ゲシュタルト」と呼びます。
この言葉を使うと

 人間はゲシュタルトを志向する、  と表現できます。

ここから

 質問とは、
   欠けていると感じた部分を埋め合わせるための返答をもらう行為

となります。

ちなみに広辞苑では、
 「疑問または理由を問いただすこと」 と規定しています。

非常にシンプルですが、人の気づきや行動を促すような強力な働きがあります。

語義だけ、ではなく、質問について少しだけ探究してみました。

2016年6月15日 | カテゴリー :