ファシリテーション(02)種類

Facilitationファシリテーションと言っても幅が広いです。

ワークショップファシリテーション
会議ファシリテーション
研修のファシリテーション
組織もファシリテーションするものでしょう。

また、ワークショップや会議と言っても内容が千差万別です。

ファシリテーション、ワークショップというキーワードでは、市民活動をされている方、教育関係の方、医療関係、等々の先達もいらっしゃいます。

活動の数だけ、ファシリテーションは存在すると思います。

また、いろいろなワークショップに参加された方はファシリテーターの方を思い起こしてみてください。もしくは、学校の先生でも良いです。

特に先生は、教えている内容は同じはずなのに、よくわかる先生、判らない先生、面白い先生がいると思います。教え方・生徒への伝え方がうまいのだと思います。

ファシリテーターや、先生にも伝え方の個性があります。

さて、ファシリテーションの種類ですが、敢えて分けるとすれば、ファシリテートする対象で分けても良いかもしれません。

会議、教育、チーム、組織、市民活動、国際開発、医療、、、等々。

このようなところでファシリテーションが活かされていることが判っていただければと思います。

特にここでは、ビジネス向けのファシリテーションというで、解説を続けてまいります。

ファシリテーション(01)ファシリテーションとは

Facilitationファシリテーション・ファシリテーターとは、何でしょう。

ファシリテーション(facilitation)とは、
物事を容易にすること、物事を容易にする技法のことを指します。

この動詞形の facilitateは、以下の意味があります。

To facilitate an action or process, especially one that you would like to happen, means to make it easier or more likely to happen.
(Collins COUBUILD)

少し固い言葉ですが、日本語ですと「促進する」といったところでしょうか。
もう少しピンと来る日本語が欲しいところですね。

私たちの定義としては、何かを「支援」と「促進」することをファシリテーションとしています。

さて、ではこの技法を使う人、もしくは容易にすることを行う人は、
ファシリテーター(facilitator)と呼ばれます。

そして、ファシリテーターは何を促進しているのでしょうか。
ワークショップファシリテーターという表現で、ワークショップを促進させるのは割と有名です。

最近特に注目されているのは、会議、組織運営、協働、問題解決 等の分野です。

ファシリテーターは、会議等を促進させるために、どんなことを行うのでしょうか。
 ・場の管理
 ・流れ(プロセス)の管理
こういったことです。

物事や話し合いなどのファシリテーションは、進め方やプロセス、支援に対する知識や技術だけあれば良い、、、、訳ではありません。

自分の個性(スタイル)を使って、自分の考え方(マインド)に基づいて、その場に対する立場(スタンス)をわきまえて、技術を使うなり準備をするなり進行するなりします。

対話の中で対立が起これば対立を解消させることも必要かもしれません。

と言うことで、ファシリテーションについて、少し筆を進めていきたいと思います。

古典の力(05)忠告

古典の力古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第五弾、論語 巻第六から

子貢、友を問う。子の曰わく、忠告して善を以てこれを道びく。不可なれば則ち止む。自ら辱めらるること無かれ。

子貢が友達関係のことをたずねた。先生は言われた、「忠告して善導によって導くべきだが、きかれなければやめて、自分から恥をかくことの無いように。

友達の悪いところ、目につくことがあるでしょう。どうしても言っておきたい、忠告しておきたいという気にもなることもあるかもしれません。
忠告してよかれと思って導くのは良いけれども、聞き入れない時はやめておけ、無理強いをすると恥をかくようになる。もしくは忠告しすぎてお節介となって恥をかかされたり反発をくらってしまうことの無いように、と述べています。

伊藤仁斎は、忠告を聞き入れなかったら、しばらくやめておいて、自覚を待った方が良いと述べています。

一度忠告して聞き入れなかったら、黙っておいて自覚するのを待つ、のも良いでしょう。

他人の忠告を聞く、自分に当てはめてみて下さい。
忠告を素直に聞けるときと聞けないとき、あると思います。

聞き入れたときは聞き入れる準備ができたときです。

これは、友達での例ですが、部下への忠告も同じです。
職務で部下を注意をすることも多いと思います。
但し、いつも同じように聞き入れているとは限りません。

部下が自覚を持つような時を待つ、こういった観察をした方が良い場合も多々あります。

古典の力(04)本質と優先順位

古典の力古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第四弾、大学から

物に本末あり、事に終始あり、先後するする所を知れば則ち道に近し。

ものごとには根本と末端とがあり、また初めと終わりとがある。何を先にして何を後にすべきかということがわかるならば、それでほぼ正しい道を得たことになるのである。

ものごとには本質・根本と枝葉末節があります。
そして、何かをするには一つしかできません。その時の優先順位が正しく判れば、ほぼ正しい道だと言っています。
リーダーシップを発揮する際、そして社会人としても、ものごとの本質を見極めて、優先順位を考えた行動は常に求められています。
ともすれば本質と優先順位は崩れることも多いかもしれません。
しかし、常に本質と優先順位を意識するよう心がければ、自分の行動もチームとしての能力も向上します。

古典の力(03)思いやり

古典の力古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第三弾、易経の文言伝から

元は善の長なり。君子は仁を体すれば、以って人に長たるに足り。
(げん)

元は万物を生成する始め。季節にすれば春。人間の徳で言えば仁にあたる。仁は人を愛することであるから仁は善の最高、善の長という。
人の上に立つ人は、仁愛(思いやり、慈しみ)を体現すれば人の上に立つ人として足りる。

易経は、中国に4000年も伝わる「時と兆しの専門書」です。
街角で竹ひごの束のような筮竹(ぜいちく)を使って占いをする人のに関係がありそう、、といった連想が浮かぶかもしれません。

易経の中にも、人や組織を高める言葉はたくさんあります。

孔子も仁愛は大切だとは触れていますが、はるかその前に、最高の善とする思いやりを体現した人こそが上に立つ人であると言っています。

上に立つことによる厳しさも、仁愛を踏まえないと人の上には立てないということです。

易経で示される変化の原則、徳は4つあります。 そのうちの一つ目、ものの始まり、生じる春が「元」(げん)です。

古典の力(02)いたわる

古典の力古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二弾、論語 巻第五から

厩焚(や)けたり、子、町より退きて曰わく、人を傷(そこな)えりや。馬を問わず。

厩が焼けた。先生は朝廷からさがってくると、「人にけがは無かったか。」と言われて、馬のことは問われなかった。

事故なり、突発的なことは起こります。

「人にけがは無かったか?」「大事無いか?」

と、突発事でも自分のことを気にかけてもらっていることが判ると、どんな感じがするでしょうか。

その人について行きたくなる。
信じても良いかな。

といった感情が増してくるのではないでしょうか。

これが、突発事に「商品は大丈夫か?」「備品は大丈夫か?」のような言葉を聞いてしまうと、、、、

この人について行っても良いのかな?と疑問が湧いてきます。心が離れてゆくとも言えるでしょう。

心が離れるよりも、心が近いと感じているチームに活力はあります。

リーダーのいたわる心を示しているでしょう。

古典の力(01)フロー

e0007672_13245679古典、日本や中国の古典には、個人を高める様々な箴言があります。
そして、チームや組織の力を高める言葉、今新たに見直されている考え方も多くあります。

チームや組織の力を高める古典の力、古典の力を活用するシリーズです。

第一弾は、論語から

巻第三

子の曰わく、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。

知っているというのは好むのには及ばない。好むというのは楽しむのには及ばない。

知識よりも、好きこそものの上手なれ。そして、好きであることは楽しむ感覚であるのに及ばない。

楽しんで取り組むのが一番、ということです。

楽しむとものごとがうまく流れる、「フロー」の要諦を示しています。