ビジョン共有の方法(18)連想を阻むもの1

ビジョン共有ビジョンの共有についていろいろと書き連ねています。

前回は「連想」について触れました。

ビジョンは未来の姿です。

未来はどうなるか判りません。そして、誰も見たことがありません。
見たことが無いものなので、どのようにでも設定することができます。

単なる欲求の姿ともできます。

自分にも、家族にも、かかわり合う人にも善くあれ、という姿を描くこともできます。

苦手なことを克服して花開かせるよう姿を描くこともできますし、
得意なことに磨きをかけて、見違えるようになることもできます。

そして、いつもは判らない隠れた得意なこと、苦手なこともあります。

企業人・組織人であれば、企業・組織の目指したい方向や考え方もあることでしょう。

現在置かれている状況もあることでしょう。

1人の将来と考えた場合でも、こういったことを想定しながらビジョンを作り上げるのは一筋縄ではいきません。
今だけにとらわれると、得意なことなど全部投げ出して今のことだけに集中するようになります。

「だけにとらわれる」ことが、連想を阻みます。

次は、人数が多くなった場合についてふれてゆきましょう。

ビジョン共有の方法(17)見えてくるために

ビジョン共有ビジョンの共有についていろいろと書き連ねています。

前回、「見える」ことに向けた問いかけに触れました。

個人のビジョン、組織のビジョンが「見えてくる」ためには、

「見えるよう」にする工夫が大切です。

「あなたのビジョンをお聞かせ下さい」と、いきなり問われても答えられる人は少ないでしょう。

いきなり問われても答えられないので、準備が大切になります。

では、「ビジョンを考えるので準備して下さい」と言われても、どんな準備をすればよいのだか、、、、

戸惑ってしまうかもしれません。

自分のビジョン、会社のビジョンが見えてくるためには、

ビジョンって、そもそもどんなものだろうか

ということを考えると、連想が働いてきます。

自分のビジョンであれば、1人で連想したり手伝ってもらったり。

会社のビジョンであれば、自分でも連想しますが、仲間と連想を膨らませたりすりあわせることが大切です。

現状や経験、未来への思い、既にある理念などなどを踏まえながら連想します。

連想をどんな順番で、どんな手段で進めると良いかが、ビジョン共有の企画者の腕の見せ所でしょう。

ビジョン共有の方法(16)見える

ビジョン共有ビジョンの共有についていろいろと書き連ねています。

「こうしたい」という欲求や希望
「これが大切」という価値観

などをすりあわせ、語り合ってまとめてゆくことで共有が進みます。

さて、ビジョンとは「将来像」「将来ありたい姿」です。

これを共有するためには、どのようなやり方が考えられるでしょうか。

実施上の話題にも触れてきましたが、ちょっと切り口を変えてみましょう。

大きなヒントは、言葉自体です。

像、ビジョン という言葉は、視覚・目で見ることに関連しています。

そこで、「見え方」を探究する手が一つのヒントです。

「10年後に、私たちがどのようになっているように見えるか」を考えてみる。

ように取り組んで見るのも一つの手段です。

実際には、もう少し具体的にイメージできる問いかけ、
その後のシナリオにあった問いかけをしてゆきます。

「見え方」、ビジョンを共有する時には、表現してみてはいかがでしょうか。

ビジョン共有の方法(15)ビジョンの浸透2

ビジョン共有ビジョン共有、その方法などについて触れています。

「ビジョンが浸透しないんですよ」とご相談をうけることがあります。

いろいろととりまとめや話し合い、標語化、カードといった手法も活用されています。

ビジョンといった抽象的な単語でなくても、何かの思いとか考え方ということで

自分の会社は将来どうなりたいのか
   ・・・会社や組織のビジョンなど

災害が起こったときにどうすれば良いのか
   ・・ 防災意識ですね

次の5年はどのように事業を行うか
   ・・・ 中期事業計画です

この町で10年後どのように暮らしていたいか
   ・・町づくりビジョンですね、防災のビジョンも同時に考えるかも
     しれません

こういった思いについて、「だれが」「どのように」なっていれば浸透していることになるでしょうか。

答えは様々なです。

単純に知っているだけ
意味を理解し共有している
普段の活動がビジョン実現に向かっている

例えばこんな「どのように」感、ゴール感があります。

ビジョン浸透でまず大切なのは(ビジョンの浸透に限らないのですが)

ゴールを定めることです。

もう一つは、意識を共有し行動となる、ことです。

共有と行動のための手段として、

 少人数からじわじわ広げる対話  や
 行動憲章/クレド

といった意識と行動に関連する手段・ツールがあります。

浸透の人数、組織、地理的な広さ、時間、程度などを考えていろいろ思案ができます。

意識共有と自発行動を生み出すことを念頭に置くと、いろいろなアイデアが出てきます。

ビジョン共有の方法(14)欲求

ビジョン共有ビジョン共有、その方法などについて触れています。

ビジョン、未来像を語る際の大切なこと、今回は欲求について。

ビジョンを語る際、どの時点の未来像を考えるかも重要なのですが、その前段として

  こんな感じになりたい

  こうしたい

といった思い、欲求、欲望を表面化させることが大切です。

企業だと、経営者の思いが皆を引っ張るのかもしれません。

経営者の考えを社員が理解して、大きな共通意識を既に持っているかもしれません。

ビジョンを共有する時は、こういった欲求・思いをお互いに表明し合うことが大切です。

膨らませたり、要約したり、切り取ったり。
大切にしていることが明確になると、良いビジョン・未来像が一歩近づきます。

さらに、思い・欲求について探ってゆくと、

  なんでこの仕事をやっているのだろう

  そのきっかけはこういったことだ

ということまで話題となるかもしれません。

そうなると、話し合っている内容は表面的ではありません。
価値観や大切にしてる考え方までを含めたすりあわせになってきます。

こういったことを皆で率直に対話できるようであれば、皆が全員一丸になれます。

ビジョン共有の方法(13)時点

ビジョン共有ビジョン共有、その方法などについて触れています。

ビジョン、未来像を語る際に重要なのが、

 いつの

いつの、どの時点の未来像なのかが大切です。

では、どの時点にすれば良いでしょうか。

実は、答えは分かれます。

何によって分かれるのか

目的によって
目標によって
共有シナリオによって
参加する方の特性によって などです。

例えば、皆で目指すための自社のビジョン・未来像を定めるのに、100年後を想定するのはどうでしょう。

自分が関わりが無くなるから止める、、、のも手です。
孫の世代まで存続するような価値観まで深めるという目的であれば、ありかもしれません。
地道に目の前のコトを確実にこなすのになれている職場であれば、100年後の検討は難しいかもしれません。
夢のような話しが膨らんで皆で乗っていけそうであれば、100年後の想定がわくわくするかもしれません。

まずは、「何のため」のビジョン・未来像なのかを考えて、どの時点にするかを検討してみましょう。

ビジョン共有の方法(12)大目標

ビジョン共有ビジョン共有、その方法などなどについて触れています。

そもそも何のためにビジョンを共有しようとしていますか?

良い会社にするため
問題を解決するため
持続成長するため

などなどあると思います。

そのためにはどのようなやり方や注意点があるか、いくつか概説してきました。

ビジョンの共有、言い換えてしまうと、

  足並みを揃える

これに他なりません。

そのためには何が必要か、これがビジョン共有の当面の大きな目標、大目標になってきます。

それは、、、、

  分かり合う

ということでしょう。

何を分かり合うのか。

会社の現状を、各自の認識を、お互いの状況を、、、その他諸々です。
皆、各自で何かを思っています、感じています。
考えていなくても、問いかけられれば考え始めます。

山に登って見えるモノを、見えるビジョンを共に見ようよ。
そのためには、今どんな状況か分かり合おうよ。

ビジョン共有の大目標は、様々な「分かり合う」ということです。
その様々について、いくつかの段取りで進める進め方があります。

ビジョン共有の方法(11)ビジョンの浸透

ビジョン共有ビジョン共有について、第11回です。

ビジョンを共有する際、

 作る   といった段階の次に、  伝える とった段階も出てきます。

人数や時期、地理的な広がりなどの要因で、ビジョン作成と共有の場にいることができない場合です。

単なる伝達ではなく、しみこんで欲しいとの思いから「浸透」といった言葉も使われます。

ビジョンを浸透させる際、どのような点に気をつければ良いでしょうか。

それは、言葉そのものに隠されています。

それは、とある考えが自分の中に「浸透」するにはどうなっていれば良いか、を考えることにあります。

浸透とは、そもそもどうなっていることが浸透なのか、そこが明確になれば目標化していろいろな手段を使うのが良いでしょう。

浸透の目標化ができたならば、

例えば

 経営層が行脚して語り伝える
 ビジョンを共有したリーダーが各職場で伝える
 各職場でビジョンを理解する対話を重ねる
 クレドカードといった目に見えるものを活用する
 現状の行動とビジョンを照らし合わせてみる

このようなやり方があります。
ツールとしては、ダイアログやAI,ワールドカフェやクレドといったことにもなるでしょう。

様々なツールはあるのですが、思いが多くの人に浸透するには、

 浸透の機会
 浸透への時間

が必要です。

ビジョン共有の方法(10)ビジョン共有の何故と何

ビジョン共有ビジョンの共有を行う際、目的やゴール、人数や組織の広がりなどいろいろと考えるポイントがあります。
その最も重要なことは

 なぜビジョンを共有するのか

それと

 ビジョンとは何か

 ビジョンでなく、社是や理想かもしれません。

言い換えると、目的意識や動機、そして目標です。

これが、それこそ共有できれば、人数や範囲、期間といった条件を考えて、考えをすりあわせビジョンを作る・共有する段取りは見えてきます。

「会社でビジョンを決めよう、共有しよう」とした場合、上司からの指示といった外部からの動機の場合がほとんどです。
このような場合だからこそ、必要なことがあります。

それは、

  自分のこととして考える

ということです。

なぜという動機付けや目的が自分のこととして捉えることができて、共有すべきビジョンの考え方(ゴール)の意識が合うと、より良いビジョンを共有することができます。

逆に、目的意識、ゴール感、参画意識がばらばらで他人事や評論家のような話し合いが続く場であれば、誰の心にも響かない空虚なビジョンの言葉ができあがります。

ビジョンや思いを共有するときは、こういった点に注意が必要になります。

ビジョン共有の方法(09)実践3 実践への疑問

ビジョン共有ビジョン、もしくは思いの共有の実践例です。

ビジョンの共有は、本当にできるのだろうか、効果があるのだろうか、と不安を抱くときがあります。

スキル研修であれば、スキルの資料を渡されれば、実践できるかは別として紙であったとしても最低限何か受け取った気分になります。

スキルの研修においても身につくのだろうかという不安があります。
ビジョン共有においても、不安な点はあります。

それは、例えば次のような点です。

・思いはどのくらいで共有できるか
・行動に移れるのか
・それが役に立つのか

このような不安に対しては、次のように言うことができます。

・人数や状況・目標などによってかかる時間は様々に変わる
・行動へのきっかけづくりと、現場で行動することまで織り込んだ準備
・思いを元に人は行動するので役に立つ

さらに、過去の経験や他にも活躍されている方々の事例も踏まえると、

 「思いを同じくすることが大切だ」と共感いただければ、

十分に目的などをすりあわせて準備して、場に応じた柔軟な実施をすることで、ビジョンの共有ができます。

ただ、次のような注意点もあります。

例えば、

実はかなりいがみ合っている人達がいるのに「仲が良い仲間でのビジョン共有」とご相談があり、仲がよいとき向け進行や実施時間しか無かった時。

上意下達で、かなりの押さえつけがあり本音が出ない職場で、「自由闊達に話ができているはずだ」とされて、実施をした時。

他にも様々ありますが、あまりに短時間で高すぎる目標など、注意を要する点もあります。

場づくりや思いを共有する仕事を世界的にされている方、例えばアダム・カヘンさんでも、成功ばかりではありません。数ヶ月携わったけど失敗した例もあります。

逆に、こういった失敗から得られている教訓や手法などを元にすると、ビジョンの共有は可能です。