かかわり(10)元気です

kakawariかかわりの10回目です。

無縁社会という言葉が流行りました。
流行るだけで止むのであれば良いのですが、その勢いは増しているようです。
隣の人がいつの間にか亡くなっている、独居死もしばしば取り上げられてきています。

私は元気です。

良かった、今日も元気で。

こもっていると、元気かさえも判りません。

AC と聞いて、知らない人を探す方が難しいかもしれません。

「こだまでしょうか」「ぽぽぽぽーん」など、印象に残っています。

ACの今年2011年の九州地域のキャンペーンをご存知でしょうか。

大分県は国東半島(くにさき)のある町では、朝になると黄色の旗が掲げられると言うことです。
毎日です。
国民の祝日の国旗のように、横断歩道の交通のおばさんが持っているような黄色の旗が掲げられます。

今日も元気です。 旗はそう言っているそうです。

旗が出ていないと、近所から「どうしたの」と声がかかります。

登下校の子どもも気をつけて見ています。

子どもから声をかけようとしてもらって、わざと旗を出さない人もいるとか。

企画したのは、地元の社会福祉協議会の方です。

こんな田舎での独居死があるほど、かかわりが薄くなってきた危機感からです。

表面的には独居老人への対応なのですが、意図したのは

 人と人をつなぐこと

 コミュニケーションをすること

へのきっかけづくりとのことです。

ちょっとした、無理の無いやり方で、かかわりを紡ぎだすきっかけになります。

幾重にも紡がれたその絨毯は、きっと暖かいことでしょう。

かかわり(09)祭

kakawariかかわりの9回目です。

お盆シーズンです。
町内会の夏祭り、盆踊りの話題も届くようになりました。
東北の七夕も大変なさなか、大変だからこそと行われています。

さて、祭りに出かけたことはありますか?

町内で、神社で、鎮守の森で、遠出をして、、、様々な祭りがあります。

かかわりを考える時、家族や地域、所属企業に組織といったくくりもありますが、「祭り」といった晴れやかなイベントもかかわりを考える上で大切です。

祭りに参加するというかかわりでも楽しいのですが、

 祭りを仲間と一緒に創り上げる

こちらの方がさらに楽しいかもしれません。
さらに、いろいろと苦労もするのですがそれ以上に得られることも多くあります。

かかわりを考える上で「祭り」を見直してみても良いでしょう。

実践コミュニティにおいても、祭りなりイベントは重要視されています。
かかわりを深め、集まりの意味も了解できるチャンスでもあります。

かかわり(08)見直す

kakawariかかわりの8回目です。

大震災のこともあり、コミュニティの力が見直されてきています。

遠くの親戚よりもご近所さんが頼りになるという面もありますね。

コミュニティが崩れてきている、旧来の自治会組織への加入が少なくなってきているとは、10年いやずいぶんと前から指摘されてきています。

そのたびにコミュニティは大切と指摘されてきました。

その中での今回の震災です。

「もう年寄りだから、ご近所づきあいしないのだよ。」
「なかなか面倒でね、、、」

といったインタビューもありました。一方

「近所の人がすぐに呼びかけてきて助かった。」
「助け合えるから少しは安心できる」

という声もあります。

震災のためだけに、ご近所と関わっているわけでは無いでしょう。

しかし、「××だから面倒。○○だからご近所づきあいしない。」と、かかわり合いを避けても、災害はやってきます。

無理にご近所でなくても、無理に災害向けと考えなくても、無理にSNSでなくても、今回の震災は「かかわり合う」ことを見直すきっかけになるのではないでしょうか。

かかわり(07)便利

kakawariかかわりの7回目です。

便利になるとうれしいものです。

毎年毎年便利な道具や便利な機能が出てきます。

しかし、便利になると失うものもたくさんあります。

車を使うと失うもの、道草、運動、景色 まだあるかもしれません。

メールを使うと失うもの、言葉がけ、気配り これもまだあるかもしれません。

メールを使っても言葉がけしている、、、0にはなりませんが機会少なくなってきます。
気配りもしています。いるつもりです。なのですが、メールの利点は自分の都合の良い時に出せて相手も都合の良い時に読める点です。自分が都合を合わせる機会と相手の都合を慮る機会が減ります。

不思議なもので、機会が減ると練度が下がります。

その便利なもの、何が便利になったでしょうか。
それと引き替えに、何の機会が減ったでしょうか。

便利とは楽も意味します。楽はずぼらにも通じます。

かかわりが減ってしまう便利なもの、意識してみると良いかもしれません。

これ以上かかわりが減ると、そのものと向き合う機会も減ります。

逆に、便利さと失うものを意識化できていれば、便利さのメリットを享受しつつ、そのものと大切に向き合うことができます。

先日、祖母の33回忌がありました。
電話でおばあちゃんの33回忌だねと連絡があり、お線香を贈ることにしました。
お手紙付きです。
そしてお手紙を書くと、、、、おばあちゃんの名前を忘れていたのです。
はや痴呆症では、、、、というオチでも良いのですが、電話なりなんなりの便利なことにかまけて「かかわり」が薄くなっていたなと反省することしきりでした。

便利になっても大切なものに向き合う。

かかわりは大切なものと感じています。

いろいろなかかわりを通して、いろいろなものと向き合うことに注意を向けてみます。

自分でも、祖母でも、仕事でも、景色でも良いかもしれません。

かかわり(06)三つ子の魂

kakawariかかわりの第6回です。

コミュニケーションが希薄になってきて、、、、なんだかまずい。というご相談が増えています。

子どもの頃、親にどんなことを言われましたか?

子どもの頃、とっていた行動パターンはどうでしたか?

例えば、、、、

「周りの人に迷惑をかけちゃだめだよ」「迷惑をかけるんじゃありません!」

叱られたりします。

「悪いことをした」から叱られたのではなく、「迷惑をかけた」から叱られています。

ずっとこのまま言われ続けると、、、、、、

良くも悪くも、「他人に何か影響を与えることは悪」「やってはいけないこと」と染みついてしまいます。

人間は社会的な動物です。コミュニケーション、やりとりで生きています。

『迷惑をかけるな』の禁止命令は、

  『孤立化しろ』『自分で全部やれ』『コミュニケーションをするな』

を助長します。

悪いことをしたら、迷惑をかけたら、謝る。しないようにする。これだけです。

孤立化が進行すると、抱え込み、無縁化します。

自分の力もいろいろと高めて、他人と迷惑をかけあう、かかわりあうのが自然なのではないでしょうか。

迷惑をかけること、、、他人への影響は、あります。
いっぱいあります。おそらく一生あります。

これまた情けないことに、私も嫁さんにちょこちょこ迷惑かけて、叱られています。

迷惑をかけるかけられる・かかわり合える相手、がいる方が良いように思います。

かかわり(05)取り戻す

かかわりの第5回です。

最近はコミュニケーションが無くなってきている、都市化、若者は話さない、、、などなど、「かかわりが薄くなってきている」という情報を見かけます。

人間は、社会的な生物です。

薄くなったかかわりで良いのであれば、何事も無いでしょう。
しかし、どうやらかかわりを取り戻す動きが出てきているようです。

例えば、エチカの鏡にも出た「大森ロッヂ」
 昭和30年代に立てられた、長屋風の平屋を改築すると、、、
 すぐに埋まってしまったということです。
 
 借り手は、若い女性も多く、重要視しているポイントの一つが
 
  ご近所の顔が判る とのこと。
  
  「かかわり」が、あって安心できるということでしょう。

ここでは、ご近所づきあいとして餅つきなども行うことのこと、一層「かかわり」を取り戻す方向に動いています。

「かかわり」を今風に、現状に合わせて取り戻す、まだまだこういった例がでてきています。

ビジネス分野でのかかわりに限らず、様々な「かかわり」について見ていきます。

かかわり(04)人情

kakawariかかわりの第4回です。

前回、人情という言葉が出てきました。

人情(広辞苑)
 自然に備わる人間の愛情。いつくしみ。なさけ。
 人心の自然の動き。

長屋話で、人情のいろいろが出てきます。笑ったり、ほろりとしたり。
ちょっと間抜けだけど憎めないとかとか、、、

五常においては、仁にあたるところが色濃くでています。

さて、人間性未来論において  人情とは、

余計なおせっかい   である。としています。

かなり面白い見方です。
人と人とのコミュニケーション、だれかが何かを他人に働きかけると(もしくは働きかけなくても、無言で居るだけでも)、相手に影響を与えます。

その影響は、おせっかいと言い換えても良いかもしれません。

では、余計なおせっかいなので、無くせばよいかと言うと、、、、、無くしすぎているのが現代社会なのかもしれません。

この、   余計なおせっかい   が、人情、人間性の大きな部分だと考えるのは非常に面白いと感じています。
いかがでしょうか。

いきなり「余計なおせっかい」が大切なのだと言われても、、、、という感じかもしれません。

少し変えて   「心地よいおせっかい」くらいにしておきましょうか。

かかわり(03)人間性

kakawariかかわりに関する第3回です。

人間性という単語があります。

人間性
 人間としての本性、人間らしさ(広辞苑)

なんだか判ったような判らないような、、、、、抽象的、高尚な響きの言葉ですね。

人間性未来論という本があります。
後日ご紹介しようとしておりますが、この中に「人間性」を大胆に言い換えた部分があります。

人間性とは、人情である。  (完全には重ならないだろうが、、、)

とても同意できるところです。

「人間性を高めよう」という、誰もが否定できないような理想が掲げられる時があります。

ではどのような点を高めれば良いのかと言うと、戸惑いを覚えることがあります。

仁、義、礼、智、信の五常、を足がかりにするのも一つの手がかりでしょう。
マズローが始祖となる、人間性心理学に依拠するのも良いかもしれません。

人と人とのかかわりにおいて人間性を考えるならば、人間性は人情であるとの大胆な言い換えは、人間性を高める手がかりとなる点で頼りになる考え方と思えます。

組織の習い性(20)隠したがる

組織の習い性組織の習い性、第20弾です。

今回は、 隠したがる といった習い性です。

職場で失敗があったとき、どのようにしていますか?

そこから何も学ばず改善されないようであれば、再度似たような失敗が起こります。

しかも、時として被害が拡大する形で失敗してしまいます。

そして、失敗が起こると隠したがる習い性がある場合、次のようなことが考えられます。

1.軽視

失敗した出来事が軽いこと、どうでも良いことだと思い込んで、無視して良いと考える。

失敗の根本原因を探ると、その人の注意不足を誘発した別原因が見つかることもあります。
人間の注意力を補助する方法もあります。
失敗を隠すと、根本原因を見逃してしまいがちとなります。

2.恐怖

失敗が露見すると恐ろしいことが自分に起こると考え、失敗を無視や無かったことにする。

誰かに怒られる、自分ではその恐ろしさを意識するのが嫌だと感じると、失敗や問題を隠してしまいがちになります。
失敗や問題が目の前で発生したならば、それを事実として捉えることができれば次へのステップの他人との共有などができます。
仕事に取り組む姿勢が不十分だったり、失敗してしまった自分を理解し受け入れることができないなどで恐れを感じることもあります。

3.軸が無い

良い仕事、良い業務への軸や判断基準が甘いと、皆で「まぁいいか」となりがちとなります。

良い仕事をしようと考えた時、どのようにすると良い仕事となるかを考えるのでは無いでしょうか。
良い仕事に向けてある基準が見えて、失敗が見逃せないと誰かが思えば、それはだめだ・良くしようと言うことができます。
軸や基準が甘い、失敗の原因がどこに影響するか想像ができないとなると、失敗しても隠す、何度同じ失敗をしても良いと、職場の大多数が感じてしまうかもしれません。

他にも、そもそも法令違反や犯罪となるようなことも含めて、「まぁいいや」とあきらめたり、露見の可能性に目をつぶって自分の利益のみ追い求めている場合もあるかもしれません。

現在もしも「隠したがる」習い性が程度の差こそあれあるとしても、対話などで職場のコミュニケーション環境を良くすることが解決の一歩になります。
但し、犯罪行為などがある場合は、外科手術のような対策が必要な場合もあるでしょう。

組織の習い性(19)仕事への意欲が無い

組織の習い性組織の習い性、今回は日本経済新聞掲載のギャラップ社の調査から。

アメリカの調査会社ギャラップ社は、仕事に取り組む意欲に関する調査を全世界で行いました。

そこでは、「仕事に積極的に取り組む意欲のある従業員」が、

 わずか 13% だったとされています。

日本では、意欲のある従業員は7% に留まっています。

 (ちなみに、最低だったのは シリアの0%です)

仕事に意欲的に取り組むための取り組みは、やはり望まれるところでしょう。

ギャラップ社は、仕事に意欲的に取り組むための12の留意点を挙げています。

1 職場で自分が何を期待されているか知っている
2 仕事を間違いなくこなすための材料や道具をもっている
3 職場で、毎日、自分が最も得意なことをする機会がある
4 この1週間に、職場で良い仕事をしたとして認知されたり称賛を受けたりした
5 上司やその他、職場のだれかが、自分のことを一人の人として気にかけてくれているようだ
6 私が進歩していくのを励ましてくれる人が職場にいる
7 職場で、自分の意見をくんでくれる
8 会社の使命や目的が、自分の仕事は大切だと感じさせてくれる
9 同僚たちは質の高い仕事をしようと努力している
10 職場に仲の良い友人がいる
11 過去6カ月の間に、私の仕事が進歩したと職場のだれかに言われた
12 昨年、仕事で学び成長する機会があった

仕事へのビジョンや目標、自分の素質への意識や、承認、成長に関わる留意点が数多くあります。

この調査を踏まえると、意欲を持って職場で業務に取り組むには、

職場のリーダーや仲間が仕事の意義や方向を理解し、お互いを尊重し協調し、日々成長できるよう業務に取り組むことが重要であることが判ります。

良い仕事ができるよう、リーダーもメンバーも役割が全うできるよう業務に取り組むことが大切になります。

そのために有効な方法のひとつは、「対話」を活用した職場のコミュニケーションです。

その取り入れ方とは、例えば次のような方法があります。

指示命令や伝達の職場コミュニケーションでも、言いっ放しにならない対話のエッセンスを入れる。
業務のビジョンや意義、日々の反省や改善のような話し合いの場で、押しつけではなく相互理解を図るようにする。
相手への期待や承認・ほめる機会を持つようにする

今の職場コミュニケーションへの工夫で、仕事への意欲は高まります。