ビジョン共有の方法(13)時点

ビジョン共有ビジョン共有、その方法などについて触れています。

ビジョン、未来像を語る際に重要なのが、

 いつの

いつの、どの時点の未来像なのかが大切です。

では、どの時点にすれば良いでしょうか。

実は、答えは分かれます。

何によって分かれるのか

目的によって
目標によって
共有シナリオによって
参加する方の特性によって などです。

例えば、皆で目指すための自社のビジョン・未来像を定めるのに、100年後を想定するのはどうでしょう。

自分が関わりが無くなるから止める、、、のも手です。
孫の世代まで存続するような価値観まで深めるという目的であれば、ありかもしれません。
地道に目の前のコトを確実にこなすのになれている職場であれば、100年後の検討は難しいかもしれません。
夢のような話しが膨らんで皆で乗っていけそうであれば、100年後の想定がわくわくするかもしれません。

まずは、「何のため」のビジョン・未来像なのかを考えて、どの時点にするかを検討してみましょう。

ビジョン共有の方法(12)大目標

ビジョン共有ビジョン共有、その方法などなどについて触れています。

そもそも何のためにビジョンを共有しようとしていますか?

良い会社にするため
問題を解決するため
持続成長するため

などなどあると思います。

そのためにはどのようなやり方や注意点があるか、いくつか概説してきました。

ビジョンの共有、言い換えてしまうと、

  足並みを揃える

これに他なりません。

そのためには何が必要か、これがビジョン共有の当面の大きな目標、大目標になってきます。

それは、、、、

  分かり合う

ということでしょう。

何を分かり合うのか。

会社の現状を、各自の認識を、お互いの状況を、、、その他諸々です。
皆、各自で何かを思っています、感じています。
考えていなくても、問いかけられれば考え始めます。

山に登って見えるモノを、見えるビジョンを共に見ようよ。
そのためには、今どんな状況か分かり合おうよ。

ビジョン共有の大目標は、様々な「分かり合う」ということです。
その様々について、いくつかの段取りで進める進め方があります。

ビジョン共有の方法(11)ビジョンの浸透

ビジョン共有ビジョン共有について、第11回です。

ビジョンを共有する際、

 作る   といった段階の次に、  伝える とった段階も出てきます。

人数や時期、地理的な広がりなどの要因で、ビジョン作成と共有の場にいることができない場合です。

単なる伝達ではなく、しみこんで欲しいとの思いから「浸透」といった言葉も使われます。

ビジョンを浸透させる際、どのような点に気をつければ良いでしょうか。

それは、言葉そのものに隠されています。

それは、とある考えが自分の中に「浸透」するにはどうなっていれば良いか、を考えることにあります。

浸透とは、そもそもどうなっていることが浸透なのか、そこが明確になれば目標化していろいろな手段を使うのが良いでしょう。

浸透の目標化ができたならば、

例えば

 経営層が行脚して語り伝える
 ビジョンを共有したリーダーが各職場で伝える
 各職場でビジョンを理解する対話を重ねる
 クレドカードといった目に見えるものを活用する
 現状の行動とビジョンを照らし合わせてみる

このようなやり方があります。
ツールとしては、ダイアログやAI,ワールドカフェやクレドといったことにもなるでしょう。

様々なツールはあるのですが、思いが多くの人に浸透するには、

 浸透の機会
 浸透への時間

が必要です。

ビジョン共有の方法(10)ビジョン共有の何故と何

ビジョン共有ビジョンの共有を行う際、目的やゴール、人数や組織の広がりなどいろいろと考えるポイントがあります。
その最も重要なことは

 なぜビジョンを共有するのか

それと

 ビジョンとは何か

 ビジョンでなく、社是や理想かもしれません。

言い換えると、目的意識や動機、そして目標です。

これが、それこそ共有できれば、人数や範囲、期間といった条件を考えて、考えをすりあわせビジョンを作る・共有する段取りは見えてきます。

「会社でビジョンを決めよう、共有しよう」とした場合、上司からの指示といった外部からの動機の場合がほとんどです。
このような場合だからこそ、必要なことがあります。

それは、

  自分のこととして考える

ということです。

なぜという動機付けや目的が自分のこととして捉えることができて、共有すべきビジョンの考え方(ゴール)の意識が合うと、より良いビジョンを共有することができます。

逆に、目的意識、ゴール感、参画意識がばらばらで他人事や評論家のような話し合いが続く場であれば、誰の心にも響かない空虚なビジョンの言葉ができあがります。

ビジョンや思いを共有するときは、こういった点に注意が必要になります。

ビジョン共有の方法(09)実践3 実践への疑問

ビジョン共有ビジョン、もしくは思いの共有の実践例です。

ビジョンの共有は、本当にできるのだろうか、効果があるのだろうか、と不安を抱くときがあります。

スキル研修であれば、スキルの資料を渡されれば、実践できるかは別として紙であったとしても最低限何か受け取った気分になります。

スキルの研修においても身につくのだろうかという不安があります。
ビジョン共有においても、不安な点はあります。

それは、例えば次のような点です。

・思いはどのくらいで共有できるか
・行動に移れるのか
・それが役に立つのか

このような不安に対しては、次のように言うことができます。

・人数や状況・目標などによってかかる時間は様々に変わる
・行動へのきっかけづくりと、現場で行動することまで織り込んだ準備
・思いを元に人は行動するので役に立つ

さらに、過去の経験や他にも活躍されている方々の事例も踏まえると、

 「思いを同じくすることが大切だ」と共感いただければ、

十分に目的などをすりあわせて準備して、場に応じた柔軟な実施をすることで、ビジョンの共有ができます。

ただ、次のような注意点もあります。

例えば、

実はかなりいがみ合っている人達がいるのに「仲が良い仲間でのビジョン共有」とご相談があり、仲がよいとき向け進行や実施時間しか無かった時。

上意下達で、かなりの押さえつけがあり本音が出ない職場で、「自由闊達に話ができているはずだ」とされて、実施をした時。

他にも様々ありますが、あまりに短時間で高すぎる目標など、注意を要する点もあります。

場づくりや思いを共有する仕事を世界的にされている方、例えばアダム・カヘンさんでも、成功ばかりではありません。数ヶ月携わったけど失敗した例もあります。

逆に、こういった失敗から得られている教訓や手法などを元にすると、ビジョンの共有は可能です。

ビジョン共有の方法(08)実践2 グループで

ビジョン共有様々な思いの共有の実践例です。

ビジョン、もしくは未来の夢や思いを10人弱のグループで共有することがありました。

その時に、非常に重要視したことがあります。

参加する、多様な一人一人が未来に関わる という考え方です。

ひとりひとりを大切にして話し合いで関わってゆくことを、何回かの話し合いを行うことで体感してゆきました。

各々には得意分野などがあって今があること。
こういった違いや得意を分かり合うことは非常に大切です。

そして、重要視したことは、

 言葉の共有化です。

徹底した言葉、意味合いの共有です。

まずは、ここから始めて、未来のビジョンがすりあってきます。

ビジョン共有の方法(07)実践1

image今回は、ビジョン共有の実践例のご紹介です。

ビジョンの共有、もしくは、多くの人の思いが一つの方向性となるには、

話し合い・対話  が非常に重要です。

そして、ビジョン共有の流れの中で、「方向が絞られてくる」といった感じになる時がやってきます。

方向が絞られる感じがし始めたら、「方向を目に見える形にする」のも非常に良い道具となります。

画像は、ビジョン共有の研修の成果のひとつです。
組織のビジョンについての対話を重ねた上で、10人以上の方で一つの絵を描いてみました。

絵の内容を後で伺うと、様々な思いや未来を表現して、他の人や組織・会社と関わりながら成長する物語が見事に描き出されました。

様々な絵で「こんな方向性」「今、過去、未来こんな状態」ということが表現されています。
お互いの描いたものが関連づけられてさらに共感や思いが共有されます。

絵を描くことだけが最終目標ではありません。
思いを一つにしつつ、組織としての行動策、行動計画を考えるバックボーンとして次に進んでゆきました。

いきなり絵を描いても思いは一つになりません。
しかし、思いを共有するシナリオの一部として絵を描くことは非常に有効です。

行動策は忘れても、絵は忘れません(長期間憶えています)。マインドマップでテキストは忘れても、センターイメージや全体の枝ぶりを憶えているのと似ているかもしれません。

事業計画と思いの共有結果としての絵があると、絵や絵にまつわる感動、話し合いのが思い出されて、目的・目標に沿った行動を助けます。

ビジョン共有、話し合いに絵を描くことを導入してみてはいかがでしょうか。

ビジョン共有の方法(06)グループで大きなテーマ

ビジョン共有ビジョン共有ワークショップの実施パターンを解説しています。

今回は、小グループで大きなテーマを扱う場合です。

大きなテーマを扱う場合は、やはり日数がかかります。
押さえるべき内容を飛ばすと、共有できるものもできなくなってしまいます。

もどかしい気もしますが、多くの方の認識が醸成させるには、時間やプロセス(流れ)は必要ですね。

今回は、何回かに分けるパターンです。
企業価値の確認(もしくは発見)からビジョン共有までといった、会社や組織を何年か運営していたけど次の世代のために再度見直す。といった大きなテーマの取組例です。

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ビジョン共有ワークショップ 実施パターン5 【グループで大きなテーマ】

【人数】 : 5~15人程度(同一組織、1~2グループ編成)

【目標】 : 組織の価値観~ビジョンの策定・共有

【日程】 4ステップ、それぞれ日数をかけて

【ステップ例】
 ① 企業価値共有
 ② 企業理念共有・理念策定
 ③ ビジョン策定
 ④ ビジョン共有

【役割】
 ファシリテーター、 書記、 タイムキーパー、 メンバー

【アウトプット】
 企業理念やビジョンがアウトプットとなります。(6W2H等で具体化)

【適用例】
 企業ビジョンの再構築

【コメント】
 ビジョンを共有するためには、企業価値や企業理念等の根本となる考え方がすり合っている必要があります。
 では、普段から企業価値や企業理念について経営陣やリーダーで共有出来ていない場合にビジョン共有したい場合はどうすれば良いでしょうか。
 答えとしては、企業理念や企業価値をしっかり再確認するのが良いということになります。
 1日や2日で大きな話題は結論やすりあわせは出ないことが多いです。
 このように何回かに分けてビジョン共有のゴールに向かうのが良いでしょう。
 
 ワークショップ(会議)の主催者による、ゴールとプロセスの設計が必要です。
 ファシリテーターを始め、それぞれの役割を果たすという周知が必要となります。
 ファシリテーターの方は、発言しやすい場づくりやプロセスの促進、合意のサポート等を行います。
 また、価値観(計画策定を重視とか合意を重視等)に沿って場を促進させるファシリテートを行います。

トップの方がワンマンな場合は①や②のステップで、十分にお話を聞く時間を設けるのが肝心です。
価値観等の重要な内容について十分に聞いた後で、具体的なビジョンの構築を行うことでトップの方の意志も十分に反映できることになります。

ビジョン共有の方法(05)大人数で

ビジョン共有ビジョン共有ワークショップの実施パターンを解説しています。

今回は、100人程度の大人数で、思いの共有をする場合です。

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ビジョン共有ワークショップ 実施パターン4 【大人数で思いの共有】

【人数】 : 100人程度(別組織、数グループ編成)

【目標】 : ビジョン(思い・問題点)の共有

【日程】 : 2日(連続)

(今回の例では小グループ化(CFT化)による、2日実施での共有の例です。大人数で、自律分散させる方法もあります。)

【ステップ例】
 ① 目標や前提条件、感情の共有
 ② 目標に向けた議論、信頼関係を築いた率直な意見交換
 ③ 小グループ間での合意状況、すりあわせ状況の調整
 ④ ②③を別グループにする等行う
 ⑤ 合意の上でのとりまとめ
 ⑥ 合意内容の確認

【役割】
 ファシリテーター、 書記、 タイムキーパー、 メンバー

【アウトプット】
 何をゴールにするかで決めます。特に無い場合も多いです。
 ステップ⑤の内容をアウトプットとしても良いです。

【適用例】
 大人数で一気に、あるテーマに関する「思い」を持つ事柄
 例 事業ビジョン、理念の共有
   プロジェクト目標の共有
   問題の共有

【コメント】
・参加者の信頼関係を醸成した方が良い時は、各ステップに時間がかかる可能性があります
 
 ワークショップ(会議)の主催者による、ゴールとプロセスの設計が必要です。
 ファシリテーターを始め、それぞれの役割を果たすという周知が必要となります。
 ファシリテーターの方は、発言しやすい場づくりやプロセスの促進、合意のサポート等を行います。
 また、価値観(計画策定を重視とか合意を重視等)に沿って場を促進させるファシリテートを行います。

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大人数で思いのすりあわせ等のワークショップを行う場合、少人数のグループでの実施と同様に、いろいろな方法があります。

AI、WorldCafe、OST、FutureSearch等です。手法の名前はともかく、少人数でも大人数でも「何のために」「どのようになっていたいか」を持っていると、人数やかけられる資源(時間、空間、道具等)によって、手法が選択できます。また、各種の手法を融合することもできます。

ビジョン共有の方法(04)グループで計画まで

ビジョン共有ビジョン共有ワークショップの実施パターンを解説しています。

今回は、小グループで計画まで立案する場合です。

価値観の深い共有はできない時間配分かもしれませんが、計画までは立案できるパターンです。

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ビジョン共有ワークショップ 実施パターン3 【グループで計画まで】

【人数】 : 5~10人程度(同一組織、1グループ編成)

【目標】 : ビジョン(思い・問題点)の本質の共有

【日程】 2日(連続)

【ステップ例】
 ① 目標や前提条件、感情の共有
 ② 信頼関係の醸成
 ③ 目標に向けた議論、信頼関係を築いた率直な意見交換
 ④ 本質についての価値観、意見のすりあわせ
 ⑤ 対策等の立案、影響の勘案と合意
 ⑥ 行動計画の立案、影響の勘案と合意
 ⑦ 合意の上でのとりまとめ
 ⑧ 合意内容の確認

【役割】
 ファシリテーター、 書記、 タイムキーパー、 メンバー

【アウトプット】
 行動計画がアウトプットとなります。(6W2H等で具体化)
 行動計画の前提となる共有した価値観やビジョン、目標もアウトプットとなります。
 板書内容の記録も話しの経緯をたどるアウトプットとしても良いです。

【適用例】
 事業、プロジェクト、問題対応の共有と計画立案

【コメント】
 2日間で計画まで立案することをゴールとした場合、特にゴールの計画立案に重きを置く時は計画が立てられるように場を進行させます。
但し、ビジョンの本質を共有するところまではできないことも多くあります。
ゴールとして計画立案を目指しつつも、メンバーの共有や合意に重きを置く進め方もあります。
どこに重きを置くかは、事前のプロセス設計等で定めます。
 
 ワークショップ(会議)の主催者による、ゴールとプロセスの設計が必要です。
 ファシリテーターを始め、それぞれの役割を果たすという周知が必要となります。
 ファシリテーターの方は、発言しやすい場づくりやプロセスの促進、合意のサポート等を行います。
 また、価値観(計画策定を重視とか合意を重視等)に沿って場を促進させるファシリテートを行います。

 信頼関係や対立等で共有しづらい場合は、時間がかかることがあります。
 連続した時間を取れない場合は、同じ深さの共有ができるまで2日以上の時間がかかります。

ということで、ビジョン共有の方法について、さらに解説を続けてゆきます。

計画を立案する場面も多いと思います。

計画の立案が重要なのか、合意できる計画が重要なのか、一度振り返ってみると良い結果を生むかもしれません。