ビジョン共有の方法(23)連想を促すもの3

ビジョン共有ビジョン共有について、第23弾です。

おかげさまで、農林水産省様といった行政や企業様で、ビジョンを描く浸透を図る、といったお仕事をさせて頂いています。

ビジョンの浸透を図る際には、他人の考え方や思いを自分の中でどのように理解し、位置づけるかといったことが行われます。

ここで、あまりにも固定観念が強すぎると、

  相手の言っていることが理解できない。

  相手の考え方が違う、間違いだと感じて聞き入れることができない。

となり、思いのすりあわせが一向に進まなくなってしまいます。

せっかくビジョン・思いをすりあわせようとしているのであれば、連想・発想が進む方法がいくつかあります。

既に2つ出ているので、3つめですね。

今回は、 『同じ』  ところを見つけてみる。

といったシンプルなものです。

話題が出てみたら、 「せっかく話しの流れで出て来た話題」ということで、『同じ』と思えるところを探ってみると一つのきっかけになります。

シンプルとは言え、 「違う」 という思いが強いと同じところはなかなか見えてこないかもしれません。

例えば、営業部と開発部は違うことは多いけど、所属している会社は同じ、お客様に提供しているものも同じです。
同じプロジェクトに参画しているのであれば、会社は違っていたとしても、プロジェクトの遂行といったことでは同じです。

どんな内容、どんなレベル、範囲、立場、意味で同じであるか、 思いをすりあわせる時に気をつけてみると突破口の一つになるかもしれません。

G・Shiftの、共有や浸透といったビジョン研修は、 ビジョンに関する知識ではなく、

今回のような「コツ」や、さらにビジョンを考える段階的な考え方や話し合いの方法といった、様々なアプローチでビジョンを創る・理解することに取り組みます。

「自分の職場で行うのも面白そう!」と思ったらお気軽にお問い合わせ下さい。

ビジョン共有の方法(22)連想を促すもの2

ビジョン共有ビジョンの共有についていろいろと書き連ねています。

今回も連想を促すものについて触れてみます。

今回は、「興味」について。

連想は、相手や対象について思いや考えがつながってゆくことです。

つまり、相手や対象に興味や関心が無いと始まりません。

興味が連想につながるキーワードは、、、、

「面白い」 です。

この言葉、どんな時に使っていますか?

「この映画、面白かったよ」
「このお笑い番組、面白かった」
「面白い体験をした」

語義としては
・気持ちが晴れるよう。愉快。楽しい。
・心惹かれるさま。趣向がこらされている。
・一風変わっている。滑稽。おかしい。
・思うとおりで好ましい。
(広辞苑)
こんなところです。

連想を促すという主旨からすると、「心惹かれる」といった意味で主に使うことになるのではないでしょうか。

「面白い」という言葉、特別な言葉ではありません。
いつも使っていると思います。
ひょっとすると、積極的に使っているかもしれませんね。

さて、連想を促すキーワードとして「面白い」という言葉を使う時は、例えばこのようになります。

「私は、○○と思っているんだ。」

「それは面白い。それで、○○は、、、」と言葉を継いでゆきます。

じゃんじゃん連想したい時には「面白い」を連発してみるのも一手です。

どんな発言でも「面白い」と発言して引き取って、「○○の点で面白いね。」と続けるとどうなるでしょうか。

相手の発言に対して、半ば無理矢理興味を持って、かつ肯定的に捉えられる理由を無理矢理発見しようと脳が駆け巡ります。

面白いと思うだけよりも発言することで連想は広がります。

さらに、発言を書いてみると、考えがより明確になります。

会話に限らず、色々なことに面白がる。
面白いと発言してみる。
面白い理由をくっつけてみる。
発言を書いてみる。

興味を持つと、さらに知りたくなります。
知ると可能性に気づきます。

「面白い」で興味を持つと、連想はもとより色々な可能性がひろがります。

言葉一つで、思考や行動を促すこともできます。
「面白い」という言葉、意識して使ってみるのも良いのではないでしょうか。

ビジョン共有の方法(21)連想を促すもの1

ビジョン共有ビジョンの共有についていろいろと書き連ねています。

今回は、ビジョン共有への「連想」を促す、いろいろなものに触れていきます。

連想を促し、ビジョン共有を促すもの、要素は色々あります。

今回は、「肯定」について。

「いいよ」「いいね」ということですね。

発する言葉、浮かんだ思い、相手への反応、こういった事柄を「肯定」的につなげると、一人はもとより多くの人での連想やビジョンの共有は進みます。

発想法であるブレインストーミングの方法でも「否定をしない」というルールがあります。

どんなにくだらないと思っても、「一旦」でも良いので肯定的に話をつなげていきます。

肯定ばかりしていると、話しがまとまらないのでは、、、、と心配されるかたもいるかもしれません。
心配は要りません。まとまってきます。ファシリテーションにおける収束を思い起こすとヒントになります。

さて、話し合いの中でこの考えを使うには、例えば、、、

「いいね。そして、○○・・・・」と 「いいね」で会話を受けて話しを広げる方法があります。

肯定的な話しのつなぎや言葉の使い方は、もう少し別の意味も持ちます。

例えば、「エラー率」という言葉があります。

どの程度エラーが起こるかを捉える言葉です。
100回に1回とか、1年で3日とか、計測する対象や計測の尺度は変わってきます。
通底しているのは、言葉の通りで「エラー・故障の起こる確率」です。

これをビジョン共有で使うことを考えてみましょう。
「エラー率を良くしよう。○○の程度に良くなればいいな」例えばこのような表現になります。

品質向上のためには、エラーが起こらないことは大切です。
そして、この大切なことの最良の状態は、エラーが無い、ゼロなことです。
そう、当たり前なのですが「エラーが0」であることが最良であり、限界でもあります。
ビジョンとしてエラー率を扱う際に、さらに発想・連想を進められる人は、エラーが0であることを踏まえて発想を進めることができます。
一方、エラーが0になったらもう安心、と発想が進まなくなる可能性も高まります。
「エラー・故障」という言葉が、否定的な意味を持っていることも手伝って発想が進まないということです。

これを「稼働率」とか「正常率」と表現を変えるとどうでしょうか。

稼働、正常であるのは、何かのためです。稼働し正常だから生み出される別の未来があります。
その未来がもっと良くなるように、連想を進めることが行いやすくなります。

否定的な意味でも連想は進めることはできますが、肯定的に捉え直した方が連想が進みます。

最後となりますが、品質管理においてはエラー率の把握は大切です。
より良い未来となるための、連想やビジョン共有においては、肯定的な捉え方を大切にした方が良いということです。

阻むものシリーズもありましたが、そこで取り上げていることも、、、、少し関連してきます。
また別項で触れていきましょう。

ビジョン共有の方法(20)連想を阻むもの3

ビジョン共有ビジョンの共有についていろいろと書き連ねています。

今回も、ビジョン共有への「連想」を阻む、じゃまするものについてです。

連想を阻むものを考える上で、ビジョンを創ろう・共有しようとする一人一人・個人に注目すると、

各個々人、そして自分が

   「知っている」

という思いから抜け出せないことが、連想のじゃまをしてきます。

ビジョンについて、上司から聞いていたので知っている。

ビジョンとは何かを習ったので、定義や作り方を知っている。

あの人のビジョンは聞いたことががあるので、知っている。

組織のビジョンはちょっと検討したので、知っている。

知っているのは悪いことではありません。
知っているから、どうするのか。
それは、自分の将来像にどのような意味があるのか、、、、

何のために「知った」のか、知るだけで十分なのか。

を考えると、もう少し展開が進んできます。

ビジョン共有の方法(19)連想を阻むもの2

ビジョンの共有についていろいろと書き連ねています。

今回も「連想」について触れましょう。

自分自身のビジョン・未来の姿を連想・空想・創造する際もいろいろと阻むものがあります。

1人でも大変なのですが、多くの人とビジョンを共にしようとすると、さらに阻むものが出てきます。

それは、「独り」です。

大人数で共にしようとしているのに、なぜかと言うと、、、、

共に同じ方向を向く、同じ夢を未来像を見ようとするときに、例えばこんなひっかかる事もおこってきます。

相手の言っていることが判らない

相手のこと、相手が語っている事に興味が無い

相手の言ったことに「違う」と感じてばかりいる

自分の言っていることを通したい、自分の方が正しい

相手の言ったことや居ること行いはどうでも良い

このようなことが起こると、話しが弾まない、連想が起きない広がらないとなってきます。

孤独であったり、独善であったり、自分の周りとのかかわりを大切にしていないと、このようなことが起こってきます。

こういった罠にはまらないようにすることが、連想やひいてはビジョンの共有へとつながります。

ビジョン共有の方法(18)連想を阻むもの1

ビジョン共有ビジョンの共有についていろいろと書き連ねています。

前回は「連想」について触れました。

ビジョンは未来の姿です。

未来はどうなるか判りません。そして、誰も見たことがありません。
見たことが無いものなので、どのようにでも設定することができます。

単なる欲求の姿ともできます。

自分にも、家族にも、かかわり合う人にも善くあれ、という姿を描くこともできます。

苦手なことを克服して花開かせるよう姿を描くこともできますし、
得意なことに磨きをかけて、見違えるようになることもできます。

そして、いつもは判らない隠れた得意なこと、苦手なこともあります。

企業人・組織人であれば、企業・組織の目指したい方向や考え方もあることでしょう。

現在置かれている状況もあることでしょう。

1人の将来と考えた場合でも、こういったことを想定しながらビジョンを作り上げるのは一筋縄ではいきません。
今だけにとらわれると、得意なことなど全部投げ出して今のことだけに集中するようになります。

「だけにとらわれる」ことが、連想を阻みます。

次は、人数が多くなった場合についてふれてゆきましょう。

ビジョン共有の方法(17)見えてくるために

ビジョン共有ビジョンの共有についていろいろと書き連ねています。

前回、「見える」ことに向けた問いかけに触れました。

個人のビジョン、組織のビジョンが「見えてくる」ためには、

「見えるよう」にする工夫が大切です。

「あなたのビジョンをお聞かせ下さい」と、いきなり問われても答えられる人は少ないでしょう。

いきなり問われても答えられないので、準備が大切になります。

では、「ビジョンを考えるので準備して下さい」と言われても、どんな準備をすればよいのだか、、、、

戸惑ってしまうかもしれません。

自分のビジョン、会社のビジョンが見えてくるためには、

ビジョンって、そもそもどんなものだろうか

ということを考えると、連想が働いてきます。

自分のビジョンであれば、1人で連想したり手伝ってもらったり。

会社のビジョンであれば、自分でも連想しますが、仲間と連想を膨らませたりすりあわせることが大切です。

現状や経験、未来への思い、既にある理念などなどを踏まえながら連想します。

連想をどんな順番で、どんな手段で進めると良いかが、ビジョン共有の企画者の腕の見せ所でしょう。

ビジョン共有の方法(16)見える

ビジョン共有ビジョンの共有についていろいろと書き連ねています。

「こうしたい」という欲求や希望
「これが大切」という価値観

などをすりあわせ、語り合ってまとめてゆくことで共有が進みます。

さて、ビジョンとは「将来像」「将来ありたい姿」です。

これを共有するためには、どのようなやり方が考えられるでしょうか。

実施上の話題にも触れてきましたが、ちょっと切り口を変えてみましょう。

大きなヒントは、言葉自体です。

像、ビジョン という言葉は、視覚・目で見ることに関連しています。

そこで、「見え方」を探究する手が一つのヒントです。

「10年後に、私たちがどのようになっているように見えるか」を考えてみる。

ように取り組んで見るのも一つの手段です。

実際には、もう少し具体的にイメージできる問いかけ、
その後のシナリオにあった問いかけをしてゆきます。

「見え方」、ビジョンを共有する時には、表現してみてはいかがでしょうか。

ビジョン共有の方法(15)ビジョンの浸透2

ビジョン共有ビジョン共有、その方法などについて触れています。

「ビジョンが浸透しないんですよ」とご相談をうけることがあります。

いろいろととりまとめや話し合い、標語化、カードといった手法も活用されています。

ビジョンといった抽象的な単語でなくても、何かの思いとか考え方ということで

自分の会社は将来どうなりたいのか
   ・・・会社や組織のビジョンなど

災害が起こったときにどうすれば良いのか
   ・・ 防災意識ですね

次の5年はどのように事業を行うか
   ・・・ 中期事業計画です

この町で10年後どのように暮らしていたいか
   ・・町づくりビジョンですね、防災のビジョンも同時に考えるかも
     しれません

こういった思いについて、「だれが」「どのように」なっていれば浸透していることになるでしょうか。

答えは様々なです。

単純に知っているだけ
意味を理解し共有している
普段の活動がビジョン実現に向かっている

例えばこんな「どのように」感、ゴール感があります。

ビジョン浸透でまず大切なのは(ビジョンの浸透に限らないのですが)

ゴールを定めることです。

もう一つは、意識を共有し行動となる、ことです。

共有と行動のための手段として、

 少人数からじわじわ広げる対話  や
 行動憲章/クレド

といった意識と行動に関連する手段・ツールがあります。

浸透の人数、組織、地理的な広さ、時間、程度などを考えていろいろ思案ができます。

意識共有と自発行動を生み出すことを念頭に置くと、いろいろなアイデアが出てきます。

ビジョン共有の方法(14)欲求

ビジョン共有ビジョン共有、その方法などについて触れています。

ビジョン、未来像を語る際の大切なこと、今回は欲求について。

ビジョンを語る際、どの時点の未来像を考えるかも重要なのですが、その前段として

  こんな感じになりたい

  こうしたい

といった思い、欲求、欲望を表面化させることが大切です。

企業だと、経営者の思いが皆を引っ張るのかもしれません。

経営者の考えを社員が理解して、大きな共通意識を既に持っているかもしれません。

ビジョンを共有する時は、こういった欲求・思いをお互いに表明し合うことが大切です。

膨らませたり、要約したり、切り取ったり。
大切にしていることが明確になると、良いビジョン・未来像が一歩近づきます。

さらに、思い・欲求について探ってゆくと、

  なんでこの仕事をやっているのだろう

  そのきっかけはこういったことだ

ということまで話題となるかもしれません。

そうなると、話し合っている内容は表面的ではありません。
価値観や大切にしてる考え方までを含めたすりあわせになってきます。

こういったことを皆で率直に対話できるようであれば、皆が全員一丸になれます。