古典の力(46)道理

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第四六弾、中庸から

誠なる者は、天の道なり。これを誠にする者は、人の道なり。

誠とは天の働きとしての窮極の道である。その誠を地上に実現しようとつとめるのが、人としてなすべき道である。

雲が密集すれば雨が降ります。雨が降れば地にしみこみます。川を流れます。判りきった道理です。
中庸では、天の道理、天の道を「誠」と呼んでいます。

天の道理である誠を現実の世界で実現しようと努力するのが、人としてのなすべき道であると説いています。

天の道理を自分がどう体現するか???宗教問答のようです。

道理と目の前の業務との関連性、ちょっとピンと来ないでしょう。

ただ、ちょっとした仕事がうまくいったり、チームワークがうまく行かなかったり、これも道理が関係しているかもしれません。
そして、古くから伝わっている道理、参考にしても良いのではないでしょうか。

古典の力(45)四端

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第四五弾、孟子から

惻(あわ)れ隠(いた)む心は仁の端(はじめ)なり。羞じ悪(にく)む心は義の端なり。辞(くだ)り譲る心は礼の端なり。是非(よしあし)の心は智の端なり。

あわれにいたましくおもう「惻隠の心」は仁の芽生えである。悪しきことをはじにくむ「羞悪の心」は義の芽生えである。へり下り人をすすめる「辞譲の心」は礼の芽生えである。よしあしを見分ける「是非の心」は智の芽生えである。

仁義礼智が人には必ず備わっているという「四端」についての説です。

メンタリング(07)ほめる1

メンタリングには、若手が育つ支援のためのスキルとして「ほめる」「叱る」といったことも含まれます。

部下が育つために、「ほめる」ことへのヒントです。

褒める時、何をほめていますか?

「この仕事を頑張った」とか「○○をして、良く気が付いた」といったことをほめることもあると思います。

これもほめるの一つですが、さらに良いほめ方があります。

 《 意図をほめる 》

というほめ方です。

行動ではなく、意図や目的を読み取って、意図や目的の方をほめるということです。

人は、何かの目的を持ち、目標感を持って行動をします。そして結果が出て来ます。
失敗の時もありますが、当然成功の時もあります。

部下を育てる意図であれば、成功した時、成功した結果に対して、その意図をほめて見ましょう。

例えば
「Aさんを手伝ってくれてありがとう。良く気が付いたね、よかったよ。」

 は単純に行動をほめています。

これを、
「Aさんを手伝ってくれてありがとう。おかげで、午後には企画書が提出できたよ。」

 は、Aさんを手伝った理由、意図を企画書提出を間に合わせるためと推定して、
 意図をほめています。

繰り返しになりますが、人は行動する際、目的・目標を持って行います。

どの程度明確に目的観・目標感を持っているかは人それぞれですが、行動をほめられるよりも、見えづらい目的・意図・行動の存在意義をほめられた方が良いほめ方となります。

.組織風土づくり(05)心理的安全をつくる

組織風土づくりの5回目です。

組織風土を自分たちでつくる際、土台となる大切なことがあります。

 

信頼

 

です。

 

お互いを信じることができ、安心して働くことができる環境を少しずつ創り上げていくことです。

 

これは、最近注目されている「心理的安全性」でもあります≪参考:心理的安全性

 

また、心理的安全性を高めることは、成功循環モデルにおける第一歩「関係の質」を高めることに他なりません。

では、どのように心理的安全性・関係の質を高めるのが良いでしょうか。

 

まずは、自分たちがどの程度の心理的安全を持てているかを理解することが大切です。

 

お互いが安全とは感じられない、落ち着かない、とげとげしい環境である時は、心理的な安全を感じられるちょっとした第一歩を広めるところから始めるのが良いでしょう。
例えば、毎日周りの状況を確認しあうアイスブレイクの様な手法で関係性を徐々に育むといったことです。

 

また、対話型の組織開発手法を活用して、全員やリーダー層など大人数でお互いの状況や思い、目的などを共有すると同時に信頼感を一気に醸成するのも、スタートアップやスキル習得などの勢いをつける一つの方法です。
例えば、関係性を育み思いやビジョン、悩みなどを共有したい人が集まり思いを率直に伝え合うといったことです。

 

さらに、継続的な取り組みに向けて個々人のコミュニケーション手法やリーダーシップのあり方など、関係性に関わる方法を見直し変えていくことも有効です。

 

大切なのは
・段階を踏んで関わりを深める
・一人でなく仲間を増やす
・ワークショップや研修だけでなく、普段の業務を通じて地道に行う
ことです。

 

組織などの状況や、何のためにいつまでにどのような関係性(心理的な安全)となっていたいかによって、とりうる手段は様々です。

 

メンバーとして、リーダーとして、管理職として、社長としてなど、どのような立場で心理的安全、関係性の向上にかかわるかを意識して取り組んでいくのが良いでしょう。

古典の力(44)忍びざるの心

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第四四弾、孟子から

人には皆、人に忍びざるの心あり。

人には皆、他人に対して「忍びざるの心」がある。

「人に忍びざるの心」とは、他人の不幸や苦痛を見過ごしにはできない同情心を指します。
この心が、誰にも備わっているとしています。

これが、孟子の性善説のきっかけ、根本の言葉となります。

菅首相の「最小不幸の世の中」を目指すのも、不幸を見過ごさず可能な限り不幸を小さくしようとする「人に忍びざるの心」のような考えに見えます。

さて、人を性善説として捉えるか、性悪説として捉えるか、理屈では判然としない部分もあると思います。
動物行動学から考えると、他人の不幸を見過ごさず共感する行動から、性善説の方に分があるように感じられます。また、どちらか一色ということも考えづらいでしょう。

世の中の言説に対して、自分がどうありたいかを選ぶことはできるのではないでしょうか。

気になる言葉(13)何のため

気になる言葉、今回は「何のため」です。

「何のため」 目的ですね。

広辞苑では、

もく‐てき【目的】
(1)成し遂げようと目指す事柄。行為の目指すところ。意図している事柄。
(2)〔哲〕意志によってその実現が欲求され、行為の目標として行為を規定し、方向づけるもの。

字解では、

「目」は目です。相手に対する最初の行為、精神的な交渉も意味します。

「的」は「まと」です。弓や銃で撃つ射的の「まと」です。

なぜ、この言葉「何のため」「目的」が気になるのかと言うと、、、、

何のためを明快に語れないことが増えてきている、からです。

失敗して反省する時を考えてみましょう、

「なぜこれをしたのだ!」と言うと、咎め立てているようです。物事の原因を問い詰める言い方です。
これはこれで必要な時もあるのですが、いつもいつも部下にこんな言い方をすると改善は進みません。

「何のためにこれをしたのか」と問うと、行動の目的が返答されます。目的が無い・薄いも判ります。
したこと(手段)が目的に合っていなければ、精度の良い改善が期待できます。

何のために、、、、、何をする。という意識付けがあれば、後でも今でも修正がききます。良い方向に進める確率が高まります。

ところが、

(いきなり、、、)、、、、何をする。と聞いたとしましょう。

周りからは「何で、それをするの?」と、突っ込みを入れたくなると思います。

仕事であれば、もしくは「良い行動・目的に沿った成果を出す」ためには、「何のため」を意識した方が良いです。

上司が部下に指示を出す時も、
「○○だから、これを明日までに、、、」と何のためを入れると部下も上司も指示の納得性が高まり、良い行動が期待できます。

「目的・何のため」は、いつも気にかけて、気にかけかけ過ぎることはない言葉です。

組織の習い性(22)自分から行動しない

組織の習い性組織の習い性、第22弾です。

今回は、 自分から行動しない といった習い性です。

「部下が自分から動かないので、自主的・主体的に行動できるようしてほしい」

リーダーや経営者から良く伺う悩みの一つです。

 部下が動かない   のが問題だ、ということです。

この場合、部下のやる気を引き出すのが良いでしょうか。
それとも、上司の指導力を強化するのが良いでしょうか。
さらには、別の何かでしょうか。

「部下が動かない」と感じたとしても、部下を教育すれば大丈夫、とは限りません。

部下の教育では済まない、もっと別の原因が存在する可能性もあります。

例えば、次の様なことは無いでしょうか。

新人の頃は、質問が多かったり、やり過ぎの失敗も良くあったが、大人しくなった。

自分から行動するという社員が、圧倒的に少数派だ。

職場でほめられた記憶が無い。

他の現象もありますが、例えばこのような現象がある職場では

 「部下が動かない」といったことが問題として浮かび上がってきます。

そして、その問題の原因は、部下の素質やスキルではなく、

「自主的・主体的でなくても良い」という、職場の環境・考えや上司の行動・指導パターンに原因があることが多いです。

この場合は、どのようにすれば良いでしょうか。

ヒントは、スキルとモチベート、そして広がりといったところになります。

古典の力(43)愛敬

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

愛敬、愛嬌(あいきょう)ではありません。
愛敬、熟語の読みとしては「あいぎょう」です。いつくしみ敬うことです。あいけい、で読む方が馴染みがあるのですが、、、

第四三弾、孝経から

親を愛する者は、敢て人を悪まず。親を敬する者は、敢て人を慢(あなど)らず。

親を愛する者は、必ずその親を愛する心を推し広めて他人を愛するから、決して他人を憎んだりしない。親を敬する者は、必ずその親を敬する心を推し広めて他人を敬するから、決して他人を軽蔑したりしない。

親孝行者が、表彰され非常に尊敬されるといったことを歴史上の事柄として見聞きすることがあります。
儒教の影響によるところも大きいのでしょう。
現代でも、「できた人」が実は親孝行していることも良く聞きます。

親へのかかわり方は、一事が万事、他人へのかかわり方の鏡かもしれません。

親へも「孝」を尽くそうと考えて行動しているならば、他の人へも「孝」を他人なりのかかわりの中で尽くそうと、行動や態度ににじみ出ることを指摘しています。

.組織風土づくり(04)組織風土づくりへの手法

組織風土づくりの4回目です。

組織風土づくり、に自分たちで取り組んで行くにはどのような手法が考えられるでしょうか。

大規模に組織的なアセスメントを行った上で、分析を任せて取り組むのも一つの方法です。

しかし、自ら継続的に取り組んでいく方法としてお勧めの方法があります。

自分たちで悩みや問題を受けとめ、自分たちで取り組みを考える、という方法です。

これは、取り組みや継続の手法、関わりの手法を学び、自ら考え、行動策、継続策を考える方法です。

具体的には、次のような考え方や取り組み方となります。

・成功循環モデル
・対話型組織開発手法
・関係性向上手法

成功循環モデルは、MIT教授のダニエル・キムが提唱している組織の成功を継続的に進めるモデルです。
組織変革などの他のモデルよりも取り組みやすいものです。

対話型組織開発手法は、近年浸透してきている、より自然な意識変容や問題解決への手法です。
AI(アプリシエイティブ・インクワイアリ)やワールドカフェ、OST、フューチャーサーチや
システム思考など必要に応じて手法を組み合わせます。

関係性向上手法は、自分や相手の心理面なども考慮したコミュニケーションや思考の手法です。
組織風土によっては、心理面やコミュニケーションに一定の傾向がみられる場合もあります。
モチベーションやセルフコントロールも含めて、自分や相手、広くはモノゴトとの関わりも考える手法です。

ジーシフトでは、上記のような様々な手法を15年活用していますが、手法の良さやポイントなどについても機会があれば触れていきます。

また、上記の手法に加えて

・バランススコアカード(BSC)といった経営的な手法

の活用も組織風土づくりには有効です。
取り組むことができるのであれば、最終的にはBSCに落とし込むのも良いでしょう。

いくつか手法をご紹介しましたが、次のように言い換える事もできます。

「自分たちの未来のために、学び方を学ぶ」そのための手法。

古典の力(42)登用

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第四二弾、中江藤樹 翁問答から

人間に用にたたぬものはなきものにて候。大工の家をたつる材木のつかひようにて合点あるべし。

(お判りとは思いますが、、、、)

用に立たない人間などはいない。大工が家を建てる際の木材の使い方が人材登用のコツとして納得できるであろう。

翁問答は、知恵者の翁・おじいさんにいろいろとアドバイスをもらう物語です。

このくだり、「臣下をばいかにつかいたるがよく御座候や。」といった問いに対するアドバイスです。

人にもいろいろいるよ、公明正大で慈愛をもって、さらに選び捨てるようなことはしないのが良い。
道徳才智のある人を上に、才徳無くても良いところはある。才智抜群でも不得手が必ずある。

といったアドバイスになります。

「木のいのち木のこころ」でも、人や人組のポイントを木や建物で表現していました。

適材かどうかよく観て、そして適したところで働くのが、昔も今も良いようです。