古典の力(30)本分

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第三十弾、中庸から

天の命ずるをこれ性と謂う。性に率(したが)うをこれ道と謂う。

天が、その命令として人間や万物のそれぞれにわりつけて与えたものが、それぞれの本性(もちまえ)である。その本性(もちまえ)のあるがままに従ってゆくとそこにできあがるのが、人として当然ふみおこなうべき道である。

こつこつと物作りをするのが得意な人がいます。リーダーシップを発揮するのが得意な人がいます。細かい目配りや計算が得意な人がいます。脚光を浴びるといっそう創造力豊かになる人がいます。

何でもうまくこなせる人は、、、いないと言っても良いかもしれません。
どこかに得意があって、どこかに不得手があります。
だからこそ、得意なところを集めてチームワークを組みます。

得意なところを意識して強めてゆくと、得意なところ良いところを前面に出して行動してゆくと、自ずと結果が突いてきたりします。そして次への活動が開けたりします。

それぞれの良いところ、伸ばした方が自然にうまくいきます。

古典の力(31)逆説

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第三十一弾、老子から

自ら見ず、故に明らかなり。自ら是とせず、故に彰(あら)わる。自ら伐(ほこ)らず、故に功有り。自ら矜(ほこ)らず、故に長し。

みずから見識ありとしないから、ものごとがよく見える。みずから正しいとしないから、是非があきらかになる。みずから功を誇らないから、功がたもてる。みずから才知を誇らないから、長続きする。

ごく自然に腰が低い人は、あまり誇りません。あまり正しさを言いつのらない方が、正しさがより際立つようです。

ものが窪んでいるからこそ満たすことができ、破れているからこそ新しくできる。とも言っています。

逆説的なことが、却って真っ当なのかもしれません。

質問(06)質問を分けてみる

質問について、第6回です。

質問にも様々あります。ある程度分けることを考えてみましょう。

質問とは、質問者が欠けている感じている事を埋めようとする、ことです。

かけているとは、疑問だったり、知識の不足などだったりします。

これはいつ起こったの?   状況を確認する情報収集の質問です。

なぜそんなことをしたの?  理由を問いただす質問です。
   (どちらかと言うと原因ですね、しかも問い詰めに聞こえます)

私たちはどうしたら良いだろう? 自分・自分たちで探る・生み出すような質問です。

(親が泣いている子どもに) どうしたの?  状況もですが、感情も聞いて、質問の形で安心させています。

などなど、まだあるでしょう。

状況を確認する質問としては、5W1Hなどを駆使することもありますね。

対話が深まることを体験すると、状況を確認する質問から、自分たちで意味や意義を深める質問へと移ってゆくのが判るでしょう。

質問の分けるにも、何を聞く、どういった状況で聞く、どのような心情で聞く、どんな流れ(プロセス)の中で聞く、どんな立場で聞くといった分け方ができます。

自分がよく使う質問も、種類分けをするとばっちり「ピントの合った」質問ができるようになるでしょう。

2018年1月23日 | カテゴリー :

古典の力(29)本読み

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十九弾、二宮翁夜話から

道は書物にあるのではなく、行いにある。

下男が芋種を埋めて、その上に芋種と書いた木札を立てた。翁は、札の文字によって芋種を掘り出して、畑に植えて作ればこそ食物になる。
道も同じく目印の書物によって、道を求めて身に行って、はじめて道を得たことになる。そうしなければ、ただの本読みに過ぎない。

組織力アップだけではなく、書物を読んだり知識を得ることは多くあります。

読んで終わりでしょうか。読んで判った、、、つもりにはなります。
読んでいるのは、知識のためで良ければ目的は完了かもしれません。

読んでいるのは、何かを変えるためなのであれば、、、、読んだことをきっかけにして行動するのが目的にかなっています。

.組織風土づくり(01)組織風土づくりを考える

最近では「学習する組織」という言葉を耳にするようになってきました。また、組織風土についても語られてきています。

変革の時期だから、悩みや問題があるからこそ・・・ということも関係あるのかもしれません。

急にはやり始めたようにも見えますが、よく考えるとはるか江戸時代においても「学習する組織」や「組織風土づくり」を行ってきています。

例えば、二宮尊徳の農村改革や山田方谷の取り組みなど、外部や内部の環境が変化しても必死に自分の土地を自分の組織を変えることで対応してゆく姿。

組織風土づくりはいつまでたっても完璧な成果が出せず、正解が見つからないようにも思えてきます。
だからこそ、描く未来への飽くなき活動こそが組織には求められているような気がします。

生存し続けている生物は、進化し続けているそうです。
組織も生存し続けるには、進化し続けることが必要と言われてきています。

 

「組織風土づくり」とは一体何でしょう?

 

組織風土、組織文化、社風  似たような言葉もあります。

ちなみに英訳すると、

組織風土は、organizational climate

組織文化は、 corporate culture

社風も、corporate culture

となります。さらに

風土 とは、生活や文化に影響を及ぼす環境

文化 は、つくり出され、共有し受け継がれてきた行動様式、生活様式

となります。(明鏡国語辞典を参照)

組織風土や組織文化は、どちらの表現であったとしても組織に居る人々の思考・行動・価値観の総体と言えます。

組織風土づくりとは、思考・行動・価値観の総体をひとりひとりを元にして全体を望む方向へと動かしていくこととなります。

さて、組織風土や組織文化を「何とか」しようと考えた時、どのように取り組みますか?

変革を目指す?
改革する?
開発?

それぞれ、組織風土変革、組織風土改革、組織開発 といった用語にまとまってきます。

ここで素朴な質問です。会社の、組織の多くの職員や従業員、そして経営者の方々は、「変革」されたいでしょうか?それとも「改革」されたいでしょうか。

人の健康状態に例えるなら、健康と思っている人が、医者に診てもらって、あれこれ言われるのと似ています。

組織風土を「何とか」したいとするならば、おすすめは「皆で、自分たちで取り組む」ことです。

つまり、組織変革をしたいならば、取り組み方や普段使う言葉としても「組織風土づくり」、自分たちで行う組織風土づくりがおすすめになります。

自分たちで創っていくと、結果としては変革であり改革であり、組織開発となってきます。

組織風土づくりをコンサルティングファームで大がかりに任せて良い状況であれば、それも良いかもしれません。

しかし、組織風土を、身近では職場の雰囲気やコミュニケーション、ハラスメントのような嫌がらせが起こってきそうな状況を自分たちで「何とか」したいのであれば、自らが取り組むことのできる手法の習得や意識向上、活動、制度の整備を行うのが良いでしょう。

最近では、対話型の組織開発なども様々に言われ始めており、オフサイトミーティングといった対話の機会も導入が進んできています。

手法や段取りを考えた小規模や大規模な対話、ひとりひとりの思考や行動や心理面に対するスキル、リーダーシップや支援の手法、信頼を得られるコミュニケーションや論理的な手法なども組織風土づくりへのカギとなります。

組織風土づくりへの取り組みとして、ひとりひとりを大切にして活動を継続すると、明るく働きやすい職場となります。

そして、生み出すサービスや製品といった価値も高まります。結果として財務面でも良い結果が期待できるでしょう。

組織風土づくりへの取り組み方や成功循環モデルや学習する組織といった考えの取り入れにも触れていきましょう。

古典の力(28)あらわれ

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十八弾、老子から

大道廃れて、安(ここ)に仁義あり。

大いなる道が廃れだして、それから仁義が説かれるようになった。

何かが廃れ始めると、それを補うように出始める言葉や物事があるようです。

孝行息子に慈しみ深い親が出てき始めたのは、家族が不和になったからだ、と老子でも続けて説いています。

組織やチームで、会社の鏡のようだといった英雄や、XXが大切だ(品質とかスピードとか)とされている事柄があるかもしれません。

もしかしたら、それは何かが廃れだしている「あらわれ」の可能性もあります。

あらわれているものに焦点を当てるのも良いのですが、何が廃れているのかを考え抜くことも進歩へのきっかけになるかもしれません。

バランススコアカード(07)数値目標の設定

バランススコアカード(BSC)の6番目のステップ

数値目標の設定になります。

前のステップで、業績評価の指標が合意できていることだと思います。

計測できる指標が定まったならば、

いつ時点で
どのレベル

の数値になっているのが良いか、
どのレベルになっているのが戦略に合っているかを定めます。

数値目標を定める上でも、将来(3年後等)どのようになっている仮定か
その上で、次回計測時点(半年先等)でどのようになっているのが良いかを定めます。

数値目標を設定する上でも、衆知を合わせて目標や制限、乗り越える壁を意識するのが良いでしょう。

戦略の合意や策定、数値等の目標など、いたるところで衆知を合わせることが必要です。
衆知を合わせないと、理屈として間違ったり、または偏ったり、参画できない思い入れのないBSCになってしまいます。

2017年11月10日 | カテゴリー :

気になる言葉(09)戦略

気になる言葉、今回は 『 戦略 』 です。

戦略、良く聞きますね。

戦略と聞いてどのような戦略を思い浮かべますか?

販売戦略
買収戦略
出口戦略
経営戦略
技術戦略
国家戦略

戦略 広辞苑では、

(strategy)戦術より広範な作戦計画。各種の戦闘を総合し、戦争を全局的に運用する方法。転じて、政治・社会運動などで、主要な敵とそれに対応すべき味方との配置を定めることをいう。

コウビルドでは、

strategy

・A strategy is a general plan or set of plans intended to achieve something, especially over a long period.
・Strategy is the art of planning the best way to gain an advantage or achieve success, especially in war.

敵を定めて戦いを成功に導く方法  のようです。

端的には、敵を打ち負かす方法、とも言えそうです。

仰々しくて、勇ましい感じ、かつ高尚、高度な感じの言葉ですね。

さて、経営を行う上で、敵はどなたでしょうか。
競合他社?
競合他社は必ず敵、、、、、なんでしょうか?

では、顧客戦略という言葉では、敵は、、、、、お客様??

言葉は世界を作ると言います。

戦略、戦術、戦うという言葉を使えば使うほど、敵を想定するような考えになっていませんか。

その人は、相手は、本当に敵ですか?

相手を想定して、打ち負かす。
部下を、従わせる。

といった、情報は満ちあふれています。書籍名でも「~を操る心理戦術」といった題名に惹かれたりします。

とは言え、戦略、戦術といった言葉は経営用語で良く出てきます。
ちなみに、バランススコアカード(BSC)でも、戦略マップとありますね。

戦略・戦術、伝わる言い回しとして、ほどほどにつきあいましょう。
「戦う」と「敵をつくる」という考え方が好きならばそのまま使い続けても良いでしょう。嫌だなと思ったならば自分から言葉にするときは工夫を加えてみても良いかもしれません。

例えば、シナリオ とか 脚本 とか、、、、

面倒なことに、 戦略シナリオ といった題名の本もありますが、、、、、

言葉は世界を作ります。
社会構成主義の考え方です。

意識せず使っている言葉、ちょっと立ち止まって見直してみても良いかもしれません。

古典の力(27)勇気

古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。

第二十七弾、論語から

義を見てせざるは勇無きなり

行うべき事を前にしながら行わないのは、臆病である。

役職として、役割として、時機として、行うべき事は様々にあります。

やろうと思えばできるのに、「まぁいいかな」という気持ちになることもあります。
しかし、行うべき事を行える時にしていないと、後で後悔することもありますね。

後悔するぐらいであれば、行うべき時にびしっとやる。

さっき、自分が行えば良かった。
さっき、部下に注意すれば良かった。
さっき、グループに喝を入れれば良かった。

行うべき時に、勇気を持って、行いましょう。

ワールドカフェを使う(01)

ワールドカフェという対話の方法が注目されてきています。

茶飲み話でもするように、気軽に、リラックスして話すことができ、多くの方の話に触れる方法です。

ワールドカフェを使うと、どのようなコトが起こるでしょうか。

ワールドカフェでは、少人数で素直に話せるような場の仕立てをします。

大人数では引っ込み思案の人も、素直に話せる環境だと、ついつい興が乗ってきます。

あれっ、という感じで、つい素直に率直に話してしまう場になる。

これがワールドカフェを使った話し合いで起こることの一つです。

私たちも、ワークショップや研修、対話の会などで良くワールドカフェ形式を活用します。
日本に合うように、場に合うように、かなりのアレンジをしていますが、、、