対人コミュニケーションの能力を、基本的な「見る・聴く・話す」に加えて、性格や感性も織り込んだ「対人対応力」として考えています。
対人対応力には、4つの分野があります。
1.心理構造分析
心理構造を分析し、心理構造を考慮したコミュニケーション。
心理構造には、厳格さや冷静さ、自由さなどがあります。
個々人によって、さらに個々人の状況によって心理構造は変化もします。
相手と自分の心理構造を随時分析し理解できると、円滑に対応することができます。
2.コミュニケーション感性
情報を発して受け取る、コミュニケーションに関する感性を考慮したコミュニケーション。
コミュニケーション感性には、視覚や聴覚、体感覚があります。
そして、個々人によって得意な感性、不得手な感性があります。
相手と自分のコミュニケーション感性の得手不得手を分析、理解して、
円滑にコミュニケーションできるようにすると、相手との理解や共感、共有が進みます。
3.協力・自発成熟度分析
協力や自主性に関する成熟度合いを高めるコミュニケーション
人は年齢を重ねると、個々人での程度の差はありますが、自分勝手で力任せな振る舞いが少なくなり、周りと協調するようになってきます。
また、依存的な状態から自主独立するようにもなってきます。
このような、一種の発達や成熟の状態にも対応して、相手との衝突をも考慮して成熟を促すコミュニケーションや考え方ができるようになれば、力を合わせ協調できる人材が育ちます。
4.言動分析
言動から判明する性格に応じた円滑なコミュニケーション
相手の日々の言葉や行動から、馬が合う、もしくは馬が合わないと感じることがあると思います。
馬が合う人、会わない人の言動を分析することで、相手の性格や自分の性格を分析できます。そして、言動からわかる性格を理解することで、円滑なコミュニケーションができるようになります。
G・Shiftでは、チーム力や自主性を高めるサポートを色々と担当させていただいております。
チーム力や組織力、そして個々の方の能力を高めるには、コミュニケーションに関して様々なアプローチがあります。
チームの力を引き出すファシリテーションもコミュニケーションのアプローチの一つとなります。
そして、個々人の個々の人に対するコミュニケーションもその一つです。
チーム力や組織力、または問題解決やビジョン共有、品質向上や営業センスといった分野においても、個々人のコミュニケーション能力は大切な基礎です。
基礎ができていないと、組織力を高めようとしても、問題解決を行おうとしても、お互いの意思疎通や理解、共有が進みません。
個々人のコミュニケーション能力は、「見る、聴く、話す」といった基本的なものだけではありません。
人は誰しも、苦手な相手、馬の合う相手がいます。
苦手にも厳格なものの言い方をする人が苦手であったり、自分と同じような性格の人が苦手ということもあります。
また、話を聞いてすぐわかる人、書いて憶えるのが得意な人もいます。
チーム力という点では、協力関係を築きやすい人や、いつも威圧的な人もいます。
実際の職場におけるコミュニケーションでは、このように一言で「性格」や「感性」とも表現できるところへの対応力も、個人のコミュニケーション能力として重要となります。
このような、個人として相手に対応するコミュニケーション能力を『対人対応力』と呼んでいます。
基本的なコミュニケーション能力に加えて、この「対人対応力」を高めると、単に話したり聴いたりするだけではなく、様々な性格や受け取り方をする人に対して、聴いて伝えて理解や共有共感を育むことができます。
「問題」と「課題」似ているようで違います。 (違うととらえています)
まずは語源から
問題 : 問いかけて答えさせる題。解答を要する問。等
課題 : 課せられた題・問題。任務
(広辞苑、角川類語新辞典)
以下のようにも言えるのではないでしょうか。
問題 : 解決策が不明である解決すべき事柄
課題 : 解決策のある解決すべき事柄
問題は、まだ解決策、解決方法が見つかっていない状態です。
問われている状態ですね。
課題は、解決策や解決方法が見つかっている状態です。
さらに字義からして、課せられているような義務感の伴う状態です。
問題(2)で問題の語源に当たってみました。
加えて、問題と課題の違いを踏まえてみてはいかがでしょうか。
古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。
第十四弾、老子から
有の以て利を為すは、無の以て用を為せばなり。
形あるものが便利に使われるのは、空虚なところがその働きをするからだ。
お茶を飲む際に、湯飲みを使います。湯飲みの中の部分、水がたまりそうなところにお茶を入れて、ためて飲みます。
住む時には、家など囲われたところに住みます。壁や天井で囲われたところで雨露をしのぎます。
湯飲みが、お茶を飲むのに便利なのは空虚なところを作りだしているからです。
住居が住むのに便利なのは、人間が中で暮らしても不便無いように余裕を持った囲われた空間を作り出しているからです。
部下に指示を与えて行動や命令で満たしすぎるのではなく、形づくる外側の部分、目的やゴールやビジョンや夢を語って、その器の中で部下の行動や成果を満たすような動き方をする方がより良いのではないでしょうか。
この例えですと、湯飲みの壁が厚すぎて水の入るところがとても小さい器は、命令や規則指示が多すぎて部下の発揮できる行動や成果では少ししか満たすことができない、ということになります。
易経の十四番目の卦(か)は、「火天大有」(かてんたいゆう)と言います。
リーダーが虚心で、会長(さらに上司)や部下が有能で非常に良いチームワークがとれる、とも解される良い卦です。空虚(虚心)な方が働きを形づくられることが分かっているという古くからの知恵でしょう。
大人数でお酒を飲んだり、宴会をすることも多いのでは無いでしょうか。
会場の都合で小テーブルに分かれて座ったりします。
そうして飲んでいると、「席を替わって話してみようか」なんて考えて席を移ることもあります。
行った先では、別の話題が進行しているのでしばらく黙って聞いてみたりします。
そのうち、話題が頭の中に入って、心の中で「そうそう」とか「これが言いたい」となると今いるメンバーに混ざって話し始めます。
既存のメンバーは、新しい切り口の話題が面白かったりします。
大人数の宴会でも、自分がちょこちょこテーブル移動したり、テーブル移動してきた人の話を聞くと新たな発見があります。また、直接会話はしなくても他の方の話題に乗せて自分の話しができます。
このような考え方で、小規模なグループの対話を大規模な対話に結びつける方法を
「World Cafe」と言います。
創始は、1995年。アメリカの物理学者のJuanita BrownとDavid Isaacsです。
この方の自宅で30人くらいの専門家の会議をしようとしたら、雨でゲストがやってこれない。なら、テーブルで会話でもしましょう。が始まりとのこと。
そのうち、テーブルを移動して話そうよ、とか。折角だから、部屋に「~Cafe(喫茶店)」と書いてみよう、等々。
そして、皆がテーブルを離れると話題がわからなくなるから1人は残ろうか。テーブルのナプキンに落書きしていたら参考になった。
そんな感じで、WorldCafeの骨格ができたとか。
ということで、World Cafeの特徴は
1.丸テーブルに4人で「テーマ」について話す。
2.1回の対話(セッション、ラウンド)は30分程度
3.1人(ホスト)を残して、皆別テーブルに行く
4.新しいラウンドでは、ホストが流れを要約、伝達
5.各テーブルは落書きできるようにしておく
6.部屋・テーブルの雰囲気はリラックスできる様
7.最後に、全体のダイアローグ(対話)
8.ファシリテーターはほとんど不要、事前設計が必要
かなりの大人数でも対話ができるしかけです。
世界的に見ると、1500人くらいのWorldCafeも実施されたことがあるとのこと。
私達も、強みやメリット共有といった場面の「ビジョン共有」に活用しています。
かなり面白い、有効な方法です。他の方法のいろいろな特性を踏まえて、皆様も試してみてはいかがでしょうか。
古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。
第十三弾、論語 衛霊公から
過ちて改めざる、是を過ちと謂う。
過ちをしても改めない、これを本当の過ちというのだ。
過ちは、誰でも犯してしまうものです。
失敗に学ぼう、という言葉を良く聞きます。と言うことは、次回からは失敗しないようにしようということです。
同じ失敗をすると、上司、先輩からひどく怒られたことはありませんか。失敗したら何かを改めるのが肝心です。
さて、リーダー、幹部職ともなると、不思議となぜだか過ちをしても容易に改めない、過ちを無視してしまう方もいらっしゃいます。
職位が上であればあるほど、過ちを改めないことが後々の酷い過ちを呼んでしまいます。
リーダーとしては、過ちは改める。
そして、自分もチームも過たないように手を打ってゆくのが理想です。
板書をする際、何気なく円や楕円を使っていると思います。
円は、文字の装飾として使えば強調となります。
ほかにも様々な使い方ができます。
例えば
・時計(タイムスケール)
24時間計や12時間計
・的
円と矢印で的を狙っているイメージが想起できます。
・循環
矢印を円上に並べて循環を形作れます。矢印の始点や終点などに文字を載せることも多いでしょう。
・ベン図
集合の概念を表します。
・地球や地図
図を地理的なものに対応させます。
まだまだあるでしょう。
丸だけでもいろいろと表現できます。
試してみてはいかがでしょうか。
ビジョン共有などのファシリテーション、そして研修を重ねてゆくと、ポイントもしくはコツが見えてきます。
「感じる」ということが技能的なコツだとすると、姿勢的なコツというかポイントです。
それは、 素直 です。
場の目的やゴールを十分に踏まえておいて、
その場の流れ や
起こっていること
参加してい皆さん と 「素直」 に向き合ってみる。
このようなことが非常に重要です。
たとえば、話の流れが予定と違うので焦って何かをする、ことがあるかもしれません。
これは、もしかしたら流れにならない何かの理由が潜んでいるのかもしれません。
その理由や流れの異常が感じられるのは、起こっていることに素直に向き合えている時です。
流れに素直に向き合って様々なことを感じることができれば、ファシリテーターとしての打ち手はいろいろと見えてきます。
例えば、問題解決の話し合いでギャップの定義でもめている時は、少し前の問題の表現を共有するところに立ち戻る、、、のようなことができるようになってきます。
素直な姿勢、心がけると良いかもしれません。
古典の力、日本や中国の古典からチームや組織の力を高める言葉に焦点を当てています。
第十二弾、論語から
能く五つの者を天下に行うを仁と為す。これを請い問う。曰わく、恭寛信敏恵なり。恭なれば則ち侮られず、寛なれば則ち衆を得、信なれば則ち人任じ、敏なれば則ち功あり、恵なれば則ち以て人を使うに足る。
五つのことを世界中に行うことができたら、仁と言えるね。さらにおたずねすると、恭(うやうや)しいことと寛(おおらか)なことと信のあることと機敏なことと恵み深いことだ。恭しければ侮られず、寛であれば人望が得られ、信があれば人から頼りにされ、機敏であれば仕事ができ、恵み深ければうまく人が使えるものだ。
この内容は、どういったことを行っていることが「仁」なのか、その具体的な行動や態度の指針を示しています。
仁と言うと、小難しいようにも思えますが、ここでは「思いやり」とでも、ざっくりと定めておきます。
さて、この行動指針、仁を為すための指針として出てきていますが、リーダーとして思いやりを持って接する時の行動指針とも言えるでしょう。
恭しいこと
おおらかなこと
信頼されていること
機敏なこと
恵むこと
リーダーシップ、旗振り役としての動きの中で「思いやり」がキーワードになることも多くなってきています。
参考にしてみてはいかがでしょうか。
実践コミュニティの発展段階を解説しています。
潜在 → 結託 → 成熟 → 維持・向上 → 変容
今回は、第三段階 『 成熟 』です。
一言にすると、「境界ができる」 こういった段階となるでしょう。
第二段階では、同じ関心を持つ人との対話があり、信頼できる関係性が築けています。
第三段階、「成熟」の段階では何が必要になるでしょうか。
それは、『集中と拡大』 です。
興味のある話題で、信頼できる仲間もできてくると次に来るのは、
「面白いから仲間を誘おう」とすることです。
興味や関心のある人が該当すると考えた仲間を誘っています。徐々に参加者が増えていきます。
参加者が増えると思惑の違いが出てきます。
そして、古株の人が既知なものについては、新しい人への利便などのために知識が蓄えられ表現がされてきます。
仲間の増加が多くなってくるので参加の手続きなども整備されてきます。
仲間が多くなるに従って、求心力は何かを求める動きも出ます。
関心分野とコアなコミュニティが魅力的なので、参加者の増大という拡大が働きます。
そして、既知の知識や思いなどへのブレを感じることなどから集中が働きます。
皆さんのコミュニティでも、人が増えていく段階ではこのようなことがありませんでしたか?
こうなってくると「成熟」の段階です。
第三段階「成熟」の段階の実践コミュニティのポイントです。
・関心の領域が組織で果たす役割や、他の領域との関係を明らかにする
・コミュニティの中核的な目的から関心が逸脱しないように気をつける
・アイデアなどの共有から、知識の体系化や関心領域の知識の世話役となる
・メンバーや領域が拡大するので、メンバーの関係性や信頼を失わないようにする
・加入の手順や既知の知識を伝えることを手順化する
・知識を使いやすいように体系化し、蓄積、更新する
少人数で始めた勉強会、徐々に人数が多くなってきたりします。
人の出入りが手順化されていれば戸惑うことも少ないです。
また、勉強会の主旨や目標などが明文化されて古株のメンバーから補足説明があれば、新しいメンバーも参加しやすいことでしょう。
そして、勉強会の結果は「成果として残そう」という機運が高まることも多いことでしょう。
そうすると「私がとりまとめよう、ホームページでも作ろう」と知識を体系化し明文化する司書役の人も出てくるかもしれません。
こうして実践コミュニティは、臨むならば多くの参加者や知識の体系化や信頼関係を育みながら成長してゆきます。